スマートフォンの画面越しにつながっていたライバーとファンが、リアルの会場で熱狂を共有。音楽ライブや交流企画を通じて、ライブ配信カルチャーの新たな可能性を示した。

  • 穂乃加

    穂乃加

穂乃加が明かした驚くべきエピソード

ライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」の野外音楽イベント『R-17 Music Project × ZUBA☆FES. “LIVE ALIVE”』が5月23日、東京・池袋西口公園野外劇場 グローバルリングシアターにて開催された。

普段はスマートフォンの画面越しに交流しているライバーとリスナーが、リアルの会場で直接顔を合わせる今回のイベント。会場の有料エリアには、熱心なファンだけでなく、通りすがりに足を止める一般客の姿も多くあり、配信の枠を超えた新しいエンターテインメントの形がそこに示されていた。

ステージの幕開けを飾ったのは、シンガーソングライターの穂乃加。トップバッターという重圧の中、彼女はパフォーマンス後に驚くべきエピソードを明かした。前日、手にギプスをはめてリハーサルを行ったが、医師に内緒でギプスを外して本番に挑んだというのだ。そのプロ根性に相応しく、パフォーマンスは力強さに満ちていた。

オリジナル曲「野球って17(いいな)」では、野外ならではの開放的な歌声を響かせ、一気に会場の空気を引きつけた。主催の鈴木りゅうじがドラムで参戦した「私は最強」のカバーでは、観客のハンズアップを引き出し、フェスのスタートを華やかに彩った。

続いて登場した、さくらviolinは、バイオリンとバンドサウンドを融合させたエネルギッシュなステージを展開。「前前前世」や「千本桜」といったハイテンポな人気曲を、確かな技術に裏打ちされた鋭い旋律で奏でていく。

さらに、実の双子であるピアニスト・ももを迎えたスペシャルコラボレーションでは、「チャルダッシュ」と「情熱大陸」を披露。双子ならではの息の合った掛け合いと、クラシックからポピュラーまでを横断する華やかな構成に、会場からは惜しみない拍手と手拍子が送られた。

ライブの合間を繋ぐCUTMAN、ちーもん、Mihyangの3人によるMCトークも、配信者ならではの軽快なテンポで進んでいく。中盤には、17LIVEと直接プロ契約を締結している「プロライバー」たちも集結。ここでは、鈴木りゅうじを中心に、マリンバ奏者のくつこMarimba、サックス奏者の大坪俊樹、ボーカリストのmike、星野アリスといった面々が、17LIVEが推進するスポーツ「ピックルボール」などを紹介した。

鈴木りゅうじと大坪俊樹がバックを固める豪華編成

イベントでは、ファンとの交流も行われた。プロライバー全員のサインが入った限定Tシャツを賭けたジャンケン大会では、有料エリアの観客が一体となって盛り上がり、当選者が決定するたびに歓声が上がった。また、会場周辺では「フードバトル」として、たこ焼きとパンケーキの販売数を競う企画や、水橋保寿堂製薬とTONOU(新日本製薬)による企業ブースでの「リアルコマース」も実施された。

後半のミュージックセクションでは、プロライバーたちの音楽家としての実力が存分に発揮された。くつこMarimbaのステージでは、YOASOBIの「祝福」を電子マリンバで演奏。正確なマレット(バチ)さばきが刻むデジタルな音色が、池袋の空気に美しく馴染んでいた。

大坪俊樹のサックスソロでは、名曲「Spain」で洗練されたジャズ・フュージョンの世界観を提示。さらに鈴木りゅうじのラップが加わった「MIP」では、ヒップホップ的なアプローチで会場のボルテージを再点火させた。

続いて登場したmikeは、パワフルで安定感のあるボーカルで会場を一つに。鈴木のドラムと大坪のサックスがバックを固める豪華な編成で「THREE GONG」をドロップした。

サビでの力強い合唱とハンズアップは、会場も大盛り上がり。出演者全員がそれぞれの役割を全うし、楽器のプロ、歌のプロ、トークのプロが入れ替わり立ち替わりセッションを行う様子は、まさに「LIVE ALIVE」の名にふさわしい、生き生きとしたエネルギーに満ちていた。

今回のフェスは、ライバーたちが持つ高い音楽スキルと、画面越しに培われたコミュニケーション能力が、リアルの舞台でも十分に通用することを証明。ファンとの絆が場所を問わずに強固であることを示し、ライブ配信カルチャーの新しい可能性を池袋という場に刻み込んだ。