大井川鐵道は、井川線の運行形態を7月1日から観光鉄道として再構築すると発表した。乗車そのものを体験として楽しむ旅行商品として販売し、座席定員制(列車指定制)を導入する。料金は乗車区間にかかわらず、大人3,500円、小児1,750円とする。

  • 大井川鐵道が井川線を7月1日から観光鉄道として再構築すると発表

    大井川鐵道が井川線を7月1日から観光鉄道として再構築すると発表

井川線は千頭~井川間を結び、日本唯一のアプト式鉄道区間や奥大井湖上駅など有する路線。大井川鐵道は、大井川本線における一部不通の長期化などで経営環境が変化する中、井川線の維持に向け、乗車体験を旅行商品化して収益基盤の確立を図る。

7月1日以降、予約・決済システムを導入し、確実に着席できる乗車環境を整える。川根本町コミュニティバスとの接続は維持しつつ、アプトいちしろ駅での連結作業見学など、井川線ならではの体験価値を高めるダイヤへ見直す。予約は6月上旬頃から専用予約サイトで受け付ける予定。詳細は決まり次第、大井川鐵道のサイトで案内する。

上下各5本を設定し、うち上下各2本を千頭~井川間、上下各3本を千頭~接岨峡温泉間で運転。千頭駅14時35分発・接岨峡温泉駅15時48分着の下り最終列車、接岨峡温泉駅10時45分発・千頭駅11時55分着の上り始発列車のみ一般車を有する普通列車(途中の各駅に停車)とする。寸又峡温泉、接岨峡温泉、アプトいちしろキャンプ場などへのアクセスを担う列車として、従来通り運賃のみで利用できる予約不要・自由席の一般車両を連結する。

その他の上下各4本(下りは千頭駅9時15分発・10時5分発・12時20分発・13時35分発、上りは千頭駅13時18分着・14時20分着・16時25分着・17時4分着)は観光列車(完全予約)として運転し、千頭~接岨峡温泉間で途中の奥泉駅、アプトいちしろ駅、長島ダム駅、奥大井湖上駅に停車。井川駅まで運転する列車は尾盛駅または閑蔵駅に上下各1本ずつ停車する。

地域の移動手段としての役割にも配慮し、普通列車の設定に加え、沿線住民向けに観光列車を含む全列車乗降り自由となる「井川線沿線住民パス」を7月1日から発行(申込額1,000円。一部列車は対象外)。購入方法・利用方法は別途、沿線住民に案内する。

今回の観光鉄道化と料金体系の見直しをめぐっては、沿線地域との調整が課題となっていた。大井川鐵道は昨年10月以降、関係自治体等との協議を始め、今年4月以降に井川線沿線地域および観光事業者との説明会・意見交換会をのべ13回実施。地域から寄せられた意見を踏まえ、受入体制の整備や観光事業者との協働プランの検討を進めた。開始時期は当初、6月1日を予定していたが、7月1日に変更することとなった。