特撮テレビドラマ『仮面ライダーアギト』(2001年)の放送25周年を記念した展示イベント「真アギト展」が2026年4月24日から5月12日まで、東京・池袋サンシャインシティ 展示ホールAにて開催される。
『仮面ライダーアギト』は、実写特撮ヒーローキャラクター作品の革命児と呼ぶべき『仮面ライダークウガ』(2000年)の好評を受け、企画・製作された作品である。最大の特徴は、作品世界に3人の個性的な「仮面ライダー」が登場し、時にすれちがい、時に力を合わせ、時に激しく激突するという予測不可能な「群像ドラマ」が導入されたこと。現在でこそ1作品に複数(味方だけでなく、敵もいる)の仮面ライダーがしのぎを削る作品は視聴者的にもなじみ深いものだが、それは『仮面ライダーアギト』が不毛の荒野を切り拓き、新しい道を示したことが大きく関係している。
「真アギト展」では、『仮面ライダークウガ』の続編あるいは「パート2」から始まった企画が、検討の末に独自路線へ向かっていく過程や、「クウガを上回る力強さ」を具現化したキャラクターデザインの推移、荒々しさと神々しさを備え持つ未知なる怪物「アンノウン」デザインワークなどの紹介、アギト、G3、G3-X、ギルス、アナザーアギトといった主要キャラクターの立像展示、そして津上翔一役・賀集利樹と氷川誠役・要潤がそれぞれ『アギト』の作品世界に基づいてプロデュースした展示スペースなど、ファンにはたまらない見どころがつまっている。
「真アギト展」エントランスでは、仮面ライダーアギト(グランドフォーム)とマシントルネイダーがわれわれを出迎えてくれる。アギトは必殺のキックを放つ直前の「足元にアギトの紋章が浮かぶエフェクト」が再現されており、劇中と同じくこの紋章が渦巻き状になってアギトに吸収されるまでの、巧みなギミックにも注目したい。背後のスクリーンには、賀集利樹によるオープニングメッセージや、テレビシリーズの名場面が一挙に映し出されるマルチ画面、そしてテレビのオープニング映像に新規カットを加えた特製ムービーが映し出され、この奥の『アギト』ワールドへ人々をいざなう役割を担っている。
オープニング映像に出て来る、『仮面ライダーアギト』の世界を象徴的に描いた「イコン画」が床に大きく置かれるフロアでは、イコン画にある「赤いアギト」立像が展示された。周辺には、『仮面ライダーアギト』の初出となる企画資料の数々(これはぜひ、実物をご覧になって驚いてほしい)や、クウガのコンセプトを受け継ぎながら「さらなる強さ」を打ち出すべく、考え抜かれたアギト・デザインワークの変遷(『仮面ライダーストロンガー』で原作者・石ノ森章太郎氏が描いたラフ画も参考展示された)など、『仮面ライダーアギト』がいかにしてテレビシリーズとして立ち上げられたか、アイデアの変遷がわかるようになっている。
奥の大スクリーンには、プロデューサー・白倉伸一郎氏と脚本家・井上敏樹氏が高級ホテルで懐石料理と日本酒を味わいつつ『アギト』の時代を豪快にふりかえる「対談」映像が流れている。『仮面ライダーアギト』企画完成までに打ち出された検討用アイデアや、井上氏による魅力的なキャラクター作りの秘密などが、終始にこやかに語られるこの映像を観るだけで、なんだか得をしたような気になれるかもしれない。
ここは「仮面ライダーギルス」を中心とした展示ゾーン。生物的な攻撃性を重視したギルスのスーツは軟質素材を多く使用していたため劣化・損傷のスピードが速く、このため現存する撮影用スーツを展示用に補修・改造する必要があった。四半世紀の時を経て、雄々しく復活したギルス・スーツに注目してもらいたい。必殺技ギルス・ヒールクロウを決める直前、右足を高く上げてジャンプする躍動感に満ちたポーズで展示されているこのギルス、足元に散らばる「鏡の破片」を覗き込むことにより、違ったアングルからその雄姿を捉えることが可能である。
ギルスの奥には、第35話から登場する「第4のライダー」ことアナザーアギトの立像も展示されている。アナザーアギトもまた、現存するスーツを大幅に補修・改造することによって現代に「復活」を果たしている。アナザーアギトに変身する木野薫役・樋口隆則のロングインタビュー(約2000字)は「真アギト展」公式図録に掲載されていないので、この場でじっくりとお読みいただきたい。
「仮面ライダーアギト」の展示ゾーンは、津上翔一役・賀集利樹がプロデュースを務めた。写真は記憶喪失の翔一が居候している美杉教授の自宅庭にある家庭菜園を再現したコーナー。翔一はここで採れた新鮮な野菜を使って、美杉家(美杉教授、息子・太一、姪・風谷真魚)においしい食事を提供している。壁を隔てた反対側には美杉家のリビングルームを模したスペースがあり、来場者がソファに座って記念写真を撮ることができる。
こちらは「G3」ゾーンの手前に配置された「Gトレーラー」再現セット。「真アギト展」開催にあたって行われたクラウドファンディング「Gトレーラー復活プロジェクト」が見事目標金額を達成したため、氷川誠、小沢澄子、尾室隆弘が乗り込んでアンノウンと戦う移動司令本部の復活が叶った。
氷川誠役・要潤がプロデュースを行った「G3」ゾーンでは、アンノウンをはじめとする人智を越えた脅威に対抗するべく警視庁が開発してきた特殊強化服「Gシリーズ」の歴代スーツを一挙に並べた展示が行われている。左から、G3マイルド、V1、G3、G6、G7。G6とG7は新作映画『アギト―超能力戦争―』に登場する最新鋭のスーツ。
ここでの注目は、25年ぶりに展示立像として甦ったV1システムの激レアなたたずまいである。このようなGシリーズ展示の奥には、2001年公開の映画『仮面ライダーアギト PROJECT G4』で「G4」と「G3-X」が凄絶な争いを繰り広げている迫力のジオラマが置かれた。
展示会場内には他にも、アギトの全フォームチェンジ立像展示、現存するアンノウンの頭部および装飾、武器コーナー、スーツアクターコーナー(高岩成二、伊藤慎、押川善文、白井雅士の単独コメント、2001年当時の高岩の体型を再現したアギト立像、レインボー造型企画に現存する硬質パーツの複製型+原型)など、ファンの興味をひく空間がいくつも存在する。写真は最終回(第51話)の再現ジオラマで、アギト シャイニングフォーム、エクシードギルス、G3-Xと、風のエル、地のエルとの乱戦シーンが展開された。
この奥にあるスクリーンでは、賀集利樹、要潤が、仮面ライダーギルス/葦原涼を演じた牧山雄亮が店長を務める「焼肉 神威」を訪れ、3人で食事をしながら『仮面ライダーアギト』の思い出を楽しく語り合うスペシャル映像「乾杯」が上映されている。
物販コーナーでは、「真アギト展」会場内だけで販売するオリジナルグッズをはじめ、「仮面ライダー生誕55周年記念商品」など、多彩な商品が取り揃えられている。
特に、アギト、G3、ギルスたちの美麗なる撮りおろし写真が多数掲載され、映像としてスクリーン上映された「白倉伸一郎×井上敏樹 対談」および「賀集利樹×要潤×牧山雄亮 鼎談」の全長版を読むことのできる「真アギト展 公式図録」は、『アギト』ファン必携の書となるのではないだろうか。
会場横で実施(日時指定)されている「真プレミアム写真館」では、アギト、ギルス、G3が登場し、迫力満点のポーズで記念撮影に応じてくれる。写真館の撮影ルールなどの詳細については、公式HPを確認してもらいたい。
秋田英夫
あきたひでお(C)石森プロ・東映









