JR北海道は15日、同社単独での維持が困難としてきた「黄8線区」に関して、持続的に維持するしくみの構築に向けた考え方を公表した。線区の利用状況に応じた輸送体系の見直しや担い手の確保に加え、運行会社と鉄道資産の保有主体を分ける「上下分離方式」の検討も進め、関係各所との協議を開始したい考えを示した。

  • 宗谷本線を経由し、札幌~稚内間を結ぶ特急「宗谷」

    宗谷本線を経由し、札幌~稚内間を結ぶ特急「宗谷」

対象となる「黄8線区」は釧網本線(東釧路~網走間)、花咲線(根室本線釧路~根室間)、富良野線(富良野~旭川間)、石北本線(新旭川~網走間)、宗谷本線(名寄~稚内間)、根室本線(滝川~富良野間)、室蘭本線(沼ノ端~岩見沢間)、日高本線(苫小牧~鵡川間)。同社単独での維持が困難な線区を公表した2016年11月の時点で、輸送密度が200人以上2,000人未満だった。

これら「黄8線区」について、JR北海道は引き続き維持したい考えを示す一方、収支は依然として厳しく、単独での維持は困難な状況が続いていると説明。2024年度実績において、8線区合計で営業収益27億円に対し、営業費は174億円、営業損益は148億円の赤字となった。

今回、JR北海道は「黄8線区」を持続的に維持するしくみの構築に向け、関係各所と協議を始めたい項目を明示した。線区の利用状況に応じた輸送体系のさらなる見直し、踏切除雪や駅業務移管などを含む担い手の確保、鉄道資産の自治体への譲渡による固定資産税負担の軽減に加えて「上下分離方式」の検討を挙げている。

「上下分離方式」について、JR北海道が運行を担い、車両、施設、土地といった鉄道資産を別の法人などが保有するしくみを想定している。その際、JR北海道が鉄道資産を無償譲渡し、譲渡を受けた法人などが無償でJR北海道に貸与する方式を想定。鉄道資産の維持管理業務は、その法人などがJR北海道に委託することとなる。

  • 石北本線では現在、特急「オホーツク」(札幌~網走間)や特別快速「大雪」(旭川~網走間)などが運行されている

「黄8線区」をめぐっては、2019年度から各線区でアクションプランを策定し、2024年8月からは「事業の抜本的な改善方策の実現に向けた実行計画」にもとづく取組みを進めてきた。ただし、利用促進やコスト削減を重ねても抜本的な収支改善には至らず、輸送密度も会社発足時から大きく低下しているという。今後は国による監督の下、2026年度末までに線区ごとの抜本的な改善方策を取りまとめる方針。2027年度以降、その内容を具体化し、2030年度にかけて実行に移す見通しを示している。