フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)で1日・8日に放送された「結婚したい彼と彼女の場合~令和の婚活漂流記2026~」が、見逃し配信の「報道・ドキュメンタリー」ジャンルで歴代最高再生数を記録した(後編:114.3万回再生/TVer DATA MARKETINGで算出、TVer・FODの合計値、放送後1週間)。その中心にいたのは、「自分を変えたい」と願い、本気の恋に落ちて打ちひしがれた介護福祉士の久保さん(仮名・31)だ。
令和の婚活の“現実”が、なぜここまで視聴者の心を動かしたのか。一緒に涙したこともあったという八木里美ディレクター(バンエイト)が、取材秘話や久保さんのその後などを語った――。
放送を見た本人は「思い出して泣きそうに」
SNSでは奮闘する久保さんを応援するコメントがあふれていたが、八木Dに直接届く声も同様だったという。「恋愛経験が少ないまま大人になって、コミュニケーションが難しい中でも頑張ってらっしゃる姿に、共感した方が多かったです」と反響の大きさを語る。
八木D自身も、「彼の誠実でまっすぐな人柄に、取材者という立場を超えて“応援したい”という気持ちがどんどん大きくなっていきました」というだけに、「視聴者の方も同じような気持ちになってくれると思いながら撮影していたので、そうした反響があって良かったなと思いました」と、安堵した部分もあるようだ。
「婚活漂流記シリーズ」で前回登場した、デート経験がない進藤さん(仮名)や“ラブホおじさん”と話題になったバツイチの内田さんがインパクトの残るキャラクターだったのに対し、「久保さんは“自分の隣にいそうな人”、“こういう人、会ったことあるな”という感じの方だったので、同じ目線で見てくださった人が多かったのではないかと思います」と分析した。
久保さん自身は放送を見て、「撮影は結構前なので、いろんなつらかったことも思い出して泣きそうになったとおっしゃっていたのですが、最後は前向きな形で終われて良かったと言っていました」とのこと。
大きな話題になっている実感はないそうだが、「丁寧に取材をしてくださってありがとうございました」と感謝の言葉も受けて、八木Dは「彼の感情をトレースするような描き方で、婚活の現実が“こういうものなんだ”と伝わったのではないかと思います」と、このドキュメンタリーの意義を改めて感じたようだ。
ショックと同時に感じた安心「人間らしいところが見られた」
視聴者からは久保さんを応援する一方で、年上で年収の高い相手をマッチングすることに疑問の声も上がっていた。当然、婚活アドバイザーの植草美幸さんも同年代や年下とのマッチングを試みたが、久保さんの年収が結婚相談所の会員の中では“最も低いレベル”だったため、若い相手は将来の不安を感じて不調に終わっており、自ずと経済的に安定感のある年上と仮交際に進むことになったのだという。
そんな中で、久保さんが初めて本気の恋に落ちたのが、6倍以上の年収がある40歳の紗栄子さん(仮名)。慣れないデートで自分の思いを出しすぎてしまった部分はあったものの、彼女のために転職も決意するなど全身全霊で向き合い、順調に真剣交際に進むかと思われた。
しかし紗栄子さんは、久保さんとの水族館デートの後にお見合いした別の男性から真剣交際を申し込まれ、1回しか会っていないにもかかわらず受け入れた。彼女にすべてを懸けていた久保さんは、まさかの交際終了を通告されて打ちひしがれ、「わけが分からない」と、涙の失恋を経験することになったのだ。
この様子を横で見ていた八木Dも、同様にショックを受けたそう。「カメラを回しながら、私も泣けてきてしまって、2人で鼻水をティッシュで拭きながら“悔しいね”、“でも、また頑張らなきゃね”と話していました」と振り返る。
ただ、「同時に少し安心した部分もあったんです。久保さんは、いつも人に気を使って腰が低くて、喜怒哀楽をあまり表に出さないタイプなんです。だから、ああいうふうに怒れることが、逆に良かったと思いました。悲しいとか悔しいとか、そういう感情をちゃんと出せる人で良かった、人間らしいところが見られて良かったなと」と受け止めた。
