『終のひと』 火曜24時58分~ TBS系
出演者:柿澤勇人、西山潤、筒井真理子ほか
寸評:死を扱うドラマは珍しくないが、わかりやすさと深さを兼ね備えた名作のムードが漂う。前期の『終幕のロンド』は遺品整理に他の要素を加えすぎて迷走したが、こちらは葬儀に徹したことで静かな感動作に。コロナ禍を経て厳しさを増す葬儀業界の現状が描かれ、骨噛み、DIY葬、生活保護で孤独死、ラブドール葬などの各エピソードも絶妙。コワモテだが慈悲深い主人公の言動が心にしみる。視聴者の少ない深夜帯ではなく、TBSなら『金曜ドラマ』あたりで放送してほしかった。
採点:【脚本☆☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】
『冬のなんかさ、春のなんかね』 水曜22時~ 日テレ系
出演者:杉咲花、成田凌、岡山天音ほか
寸評:プライム帯では見たことのないほど徹底した会話劇であり、しかもテーマはほぼ恋のみ。「大切な人とはつき合わないほうがいい」と距離を置く主人公に共感できるか。それとも自分の感情を優先させて他人を傷つける言動に嫌悪感を抱くか。よほどセンシティブな視聴者以外は主人公の生きづらさを感じづらい物語に見えてしまう。今泉力哉監督ならではの作品だが、他局よりマーケティングにシビアな日テレがこれほどリアルタイムで見る必然性の低い作品を選んだことに驚かされる。ただ、悪役を一手に引き受ける杉咲花の振る舞いは見事。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆】
『ラムネモンキー』 水曜22時~ フジ系
出演者:反町隆史、大森南朋、津田健次郎ほか
寸評:最大の焦点は8年ぶりに民放連ドラを手がける古沢良太の脚本。現在と過去を行き来する物語はドラマシーンのトレンドだが、当作は中二病の気恥ずかしさと、約37年の時を経た現実の厳しさをポップに交錯させている。描かれているのは「どちらの時代も簡単ではなく、年を取ると失ってしまうものはあるけど、それでも素晴らしい」という人生賛歌。しかし、古沢自身の時代と舞台を描いた作品だけにカルチャーなどの小ネタを詰め込みすぎて視聴者を限定した感がある。その点は前期同枠で三谷幸喜が描いた80年代の演劇と同じかもしれない。
採点:【脚本☆☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】
『おコメの女―国税局資料調査課・雑国室―』 木曜21時~ テレ朝系
出演者:松嶋菜々子、佐野勇斗、長濱ねるほか
寸評:主演に松嶋を立てた勧善懲悪の世界観は「お仕事モノの王道」というムードが漂うが、平成時代の定番であり、20年前に戻ったかのような印象も。脱税者を「バカ者」と言い切り、自ら最前線で調査する主人公は痛快であり、個性豊かなメンバーのチーム戦というエンタメ要素もある。悪役が小物で、調査方法がアナログなのにあっさり解決などの物足りなさをどう見るか。山根基世のナレーションにもけれんみ。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】
『プロフェッショナル 保険調査員・天音蓮』 木曜22時~ フジ系
出演者:玉木宏、岡崎紗絵、渡部篤郎ほか
寸評:「保険金絡みの事件・事故を調べ、詐欺疑惑の真相を追う」はありそうでなかったコンセプト。メジャーリーガーのホームランボール保険、超高額の誘拐保険、いじめ保険、ムービー保険などのエピソード選びは興味深く、「今週はどんな保険がフィーチャーされるのか」という楽しみがある。ある意味、探偵よりも探偵らしく、警察よりも事件・事故の解決力があるヒーローもの。ただ、お仕事モノは中高年層メインになる上に、『おコメの女』と2時間連続で並んだのは不運か。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】
『身代金は誘拐です』 木曜23時59分~ 読テレ・日テレ系
出演者:勝地涼、瀧本美織、桐山照史ほか
寸評:「ノンストップ考察ミステリー」と掲げた読売テレビらしい作品であり、“誘拐被害家族の誘拐”という切り口は斬新。主人公夫婦は被害者であるだけでなく、加害者になったことでサスペンスの要素が濃くなった。5億円の受け取り要求、8年前の誘拐事件が発覚、容疑者の殺人事件などの追い込まれる展開で畳みかけたせいか、肝心の子ども誘拐が薄れてしまった感もある。序盤で怪しい人物はすでに絞られたか。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】
『元科捜研の主婦』 金曜21時~ テレ東系
出演者:松本まりか、横山裕、佐藤大空ほか
寸評:「元科捜研のスーパー主婦が難事件に挑む」というありそうでなかった刑事事件ドラマ。「家事・育児に奮闘する主婦が新米刑事の夫を支え、さらに息子も捜査に協力する」という家族総出のホームドラマ感が何ともほほえましい。テレ東と講談社の共同開発という新プロジェクトだけに、ネット配信なども合わせた収益性も気になるところ。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆】
『DREAM STAGE』 金曜22時~ TBS系
出演者:中村倫也、池田エライザ、NAZEほか
寸評:「日本ドラマの世界進出を目指して3年越しの大規模プロジェクト始動!」と掲げたが、選んだ舞台はK-POP。さらに物語は日本のスポ根だけに、スタート前から敬遠するような声が目立ってしまった。音楽的な仕事シーンのないプロデューサー、NAZEというなじみのない新グループ、韓国人キャストの日本語演技、韓国語が飛び交い字幕を読ませるなど、視聴者を選ぶ要素が多すぎたか。
採点:【脚本☆ 演出☆ キャスト☆ 期待度☆】







