3番目に注目されたシーンは20時33分で、注目度71.3%。ていが産気づいたシーンだ。
雨音が響く中、耕書堂ではていが蔦重が持ち帰った喜多川歌麿の絵を眺めていた。すると、突然ていが腹を押さえ苦しみだす。「おていさん!」「女将!」周りにいた者たちは驚き、一斉にていに駆け寄った。どうやら産気づいたようだ。「みの吉! 産婆さん呼んでこい!」蔦重が叫ぶ。「お嬢様、しっかり!」「大丈夫だ。な、大丈夫だ!」苦しむていを、蔦重とたかが必死に励ましていると、みの吉(中川翼)が産婆たちを連れてきた。「こりゃ、産んじまうしかないね」ていの様子を見た産婆は冷静だ。
「今産まれたら生きてはいけませんよね? 何かございませんので、子を腹の内にとどめる手は!」息も絶え絶えのていであったが、賢明な彼女は現状をよく理解していた。「ないね」産婆の返答はていにとってあまりに冷徹だった。それでも、ていは蔦重にこの子を抱かせたいと願う気持ちとともに、苦しみに耐える声もますます大きくなっていった。「男は出てっとくれ」産婆は毅然と声を上げると、「お願いします!」蔦重は大きく頭を下げて部屋を出る。泣き叫ぶていの姿に、蔦重の心はすり潰されそうになる。後ろ髪を引かれる思いで部屋から出た蔦重は、もう一度頭を下げ扉を閉めた。
「産婆さんの説得シーンが命がけすぎて」
ここは、ていとお腹の子供に訪れた突然の危機に、視聴者の注目が集まったと考えられる。
歌麿から絶縁を告げられ、傷心のまま蔦重は耕書堂へ帰った。歌麿から渡された絵に目を通している最中、突然ていが産気づく。突然の事態に慌てながらも、蔦重はみの吉に産婆を呼びに行かせた。ていとお腹にいる子供の無事を願う蔦重だが、産婆から告げられたのは残酷な事実だった。何もできない蔦重は産婆に後を託し部屋から退出する。
SNSでは「もしかして絵を見て歌麿の想いを察したことが、赤ちゃんに悪い影響を与えたのかな」「おていさん早産だし高齢出産だし心配でたまらない」「産婆さんの説得シーンが命がけすぎて怖かった」「現代でも出産は命がけだし江戸時代ならなおさらだよね」と、心配の声が多く集まった。
江戸時代の出産は医師が立ち会う例は少なく、地域の産婆がほとんどの出産に関わっていたそうだ。もとは地域や家族内で行われていた分娩介助が次第に専門化・職業化し、「取揚婆(とりあげばあ)」「子安婆」などの呼称で呼ばれた。産婆は自宅出産の場に駆けつけ、苦しい分娩を取り上げ、へその緒の処理・後産処置・新生児の手当や母の介護などを行っていた。
産婆を演じた榊原郁恵は、ホリプロに所属する神奈川県出身の66歳。48年の芸能生活で初の大河ドラマ出演となった。SNSではアイドルとして活躍した榊原が産婆として登場したことで驚きの声が集まった。