2番目に注目されたのは20時35分で、注目度71.7%。予定日よりずっと早くてい(橋本愛)が産気づいてしまい、母子が危機にさらされるシーンだ。
「どうかおていをお助けだせえ!」安産祈願の御札が捧げられた神棚の前で蔦重(横浜流星)は両手を合わせ必死に祈っていた。妻のていが産気づいたのは少し前のことだ。「女将さん! 聞こえるかい? しっかり気、持つんだよ!」産婆(榊原郁恵)が声をかけ続けるが、ていの意識はすでにもうろうとしている。「大事ないですよ!」たか(島本須美)も懸命に励まし続ける。
「子も出てくる間に不思議と月が満ちて竹取が三月で大人になったみてえに…」と、ていと産まれてくる子の無事を、蔦重は別室で祈り続けた。「女将さん! 女将さん!」「お嬢様! お嬢様!」産婆とたかがていに大声で呼びかける。胸騒ぎを感じた蔦重はいてもたってもいられず、ていのいる部屋へ向かって駆けだした。
「蔦重は歌麿だけでなくおていさんと子供まで失うの?」
このシーンは、早産により母子ともに命の危険にさらされたていとその子の命運に、視聴者の視線が集まったと考えられる。
仕事で喜多川歌麿(染谷将太)と吉原へ足を運んだ際に、たくさんの子ども用の服やおもちゃのお下がりを譲り受け、産まれてくる前の我が子に草双紙を読み聞かせるなど、蔦重とていはわが子の誕生を心待ちにしていた。しかし、予定日よりずっと早くにていが産気づいてしまい、母子が危機にさらされる。ていの様子を診断した産婆の下した決断は、蔦重とていにとってあまりにも残酷なものだった。今回のラストでは、憔悴しきった蔦重が映し出されたが、果たしてていと赤ん坊は無事なのだろうか。
SNSでは「早産は現代でも厳しいからちょっと難しいかもしれないな…」「さすが、産婆さんは割り切っているね。つらいけど仕方ないか」「まさか、蔦重は歌麿だけでなくおていさんと子供まで失うの?」「源内先生が生きてるかもしれないのは朗報だけど、おていさんの方が気になる!」と、ていと子供の安否に視聴者のコメントが集まった。
史実では、蔦重の両親以外の家族については詳しく分かっていない。耕書堂の二代目は番頭の勇助という人物が継いだといわれている。第18話「歌麿よ、見徳は一炊夢」で、歌麿のためにふじ(飯島直子)が用意した人別に記されていた名前が勇助だった。今回、歌麿が「俺をあの店の跡取りにしてくれよ」と蔦重に迫る場面があったが、歌麿が本当に耕書堂の二代目となる伏線なのかもしれない。
作中ではていが懐妊してから、たびたび夫婦で神棚に手を合わせるシーンが描かれた。現代でもなじみのある神棚だが、もともとは初代将軍・徳川家康が伊勢信仰を奨励したことや、伊勢講の流行によって広がる。江戸中期には庶民のほとんどが神棚を持つようになった。当初は簡素な棚に神札を置くだけだったが、次第に宮型と呼ばれる小型の神社風の入れ物が登場し、豪華な装飾も施されるようになった。