テレビプロデューサーの佐久間宣行氏が10月29日深夜、ニッポン放送のラジオ番組『佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)』(毎週水曜27:00~28:30)に出演。音声生成AIについて危機感を示した。

  • 佐久間宣行氏

    佐久間宣行氏

「日本ではまだ止められてない」「ビックリした」

「テレビ界というか、俺の周りでも本当に震撼してる」と語った佐久間氏は、「芸能人の声が生成AIだって気づかない事態があって……」と吐露。ドラマのあらすじを紹介しているYouTubeのショート動画を観たそうで、「主役の人の声そのままなのよ。役者さん、人気スターの。その人の声であらすじを読んでるから、番宣でやってると思った」という。しかし、次第におかしいと感じ、「最初1分ぐらい気づかなくて……。あっ! 生成AIだ! と思って」と打ち明けた。

生成AIのリアルな声にだまされてしまった佐久間氏は、「名前は言わないけど、本当にその役者さんの声」と感嘆し、「他の国では禁止になってるっぽいんだけど。日本ではまだ止められてないから。ビックリした。ほぼ完ぺきにその人の声」と驚がく。「そういう時代にまで突入してんだなぁ」と感心しつつ、「早く規制しないとね。今後どうなっていくのかな? みなさん見かけたら報告してください。僕もすぐ報告しました。“これは違法じゃないか”って」と注意を呼びかけた。

また、肖像権と違い、日本には“声の権利”を直接保護する法律がないことを知ると、「これは本当にすごいから、早めに決めないとダメだと思う」と危機感をあらわに。実際に、無断で声を生成したフェイク音声の拡散が問題になっており、「例えば、電話で脅迫したとか、ディープフェイクで作れちゃうよね? 俺がADを恫喝したとか。“テメエ! ふざけんじゃねーぞ!”って」と想像し、「感情の起伏まで出せたら、架空の不倫とか……。芸能人の声で全部作れちゃうのが怖いよね」と心配していた。

なお同番組は、放送後1週間以内であればradikoで聴取可能(エリア外の場合はプレミア会員のみ)。また、『オールナイトニッポン0』は、ライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」で放送と同時に映像でも配信中。放送後には「17LIVE」限定のアフタートークも配信されている。

【編集部MEMO】
佐久間宣行氏がパーソナリティを務める『佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)』は、2019年4月にスタート。前月に行われた発表会見では、「この年になって、夢がかなうことがあるんだなと。中学時代から聴いていた『オールナイトニッポン』にまさか43歳でオファーがあるなんて」と驚き、就職活動でニッポン放送に落ちたことに触れながら、「『オールナイトニッポン』のディレクターをやりたかったんです。でも、まさか演者として出るとは」と話していた。