京浜急行電鉄と京成電鉄は31日、共同検討に関する合意書を締結したと発表した。項目のひとつとして、京急電鉄は新たな輸送サービスの検討に着手し、京成電鉄が2028年度から運行を計画している新型有料特急車両との共通化について検討を進めるとしている。
両社の共同検討に関する合意書締結について、発表によれば「持続可能な沿線の実現や観光先進国等の実現に向けた空港アクセスの更なる充実等を図ること」が目的だという。増加が見込まれるインバウンド需要に対して一層の対応が必要となる一方、少子高齢化による生産年齢人口の減少をはじめ、労働力不足や物価高といった課題も顕在化しており、両社を取り巻く事業環境は大きく変化している。こうした環境の下、両社は共通して「社会の持続的発展への貢献」を掲げ、輸送サービスの持続可能な提供はもとより、空港アクセスのさらなる利便性向上等に向け、共同検討を図っていくという。
共同検討項目はおもに「鉄道の運行に関する検討」「両社沿線の観光拠点等への相互送客施策」「株主優待の拡充に向けた相互協力」の3つ。このうち「鉄道の運行に関する検討」に関して、「両社は技術開発の進展などを踏まえた次世代運行システムの導入に向けて、地上設備や車両の共通化等について、研究・検討を進めます」「京急電鉄は、新たな輸送サービスの検討に着手し、これにあたり京成電鉄が2028年度より運行を計画している新型有料特急車両との共通化の検討を進めます」と明記した。
京成電鉄は今年5月、新型有料特急の導入を決定し、設計に着手したと発表している。成田空港の機能強化に対応し、空港と都市間のさらなる輸送力増強とサービス向上を図るべく、2028年度に運行開始する計画だという。現行の「スカイライナー」は京成上野~成田空港間で運行しているが、新型有料特急は「押上~成田空港間を運行する新たな列車」とすることで、成田空港利用者のさらなる利便性向上に寄与すると説明していた。

