shelaは、ファンクラブ用の写真、そして先行入会特典のフォトブック撮影のため、再び、東京へ訪れていた。ライブ時でも感じたことだが、東京で流れる時の速さと、北海道の静けさは大きく異なる。
「東京に行くと、スピード感がまるで違う。時間の流れも、思考も、人との距離も。電車だって3分に1回は来る。でも、北海道に戻ると穏やかだけど一気に静かになる。誰とも話さない1日もある。誤解してほしくないのは、それが嫌というわけじゃないことです。“この静けさの中に、ちゃんと私がいる”って、しみじみと思えますから」
そんな彼女は最近になって、感じたことを毎日ノートに書き出すようになったのだという。「“今日、何を思ったか”、“どんな空を見たか”。それをいつか歌詞にできたらいいなって。今の私は、こんな“日常”を生きている、と」──この感性が彼女の繊細で等身大なリリックの正体なのだろう。
こうして、着実に歩みを進めるshela。現役時代は、ファンと交流する機会が一度もなかったというが、現在は、SNSを通してファンとの距離がぐんと近づいている。急な変化に戸惑いとうれしさが同時に彼女の心を揺さぶっている。
「文字って、声より強く伝わると思うんです。だから本当はSNSは得意じゃありません。どうすれば間違いなく私のことを伝えられるか…。そもそも今の私の心には、“もっと私を知って”ではなく、“ありがとうを言いたい”しかないのです。だから、SNSをはじめ、SNSを通して直接、ファンの方々へありがとうって言える今が本当にうれしいんです」
彼女の心は弾む。しかし喜びだけではない。「やりたいのに、できないって言い続けるのは、とてもとても、苦しいです。でも、こうしてファンクラブ復活ということが現実となり、ファンの方々を含め、いろんな方々の協力があって、“今の私”はできているんだと心の底から思っています」
「小さな冬の物語を、皆さんの顔が見える距離で」
こうした彼女の弱さと優しさ、そして強い思いが歯車をさらに動かしたのか。ライブ、ファンクラブ復活の次にまた、新たな“奇跡”が積み重なった。ファンミーティング「shela Special Winter Mini Live ~We are friends!!~」が、12月21日に都内で開催されることが決まったのだ。
ファンクラブ限定で現在チケットの申込受付が行われているが、またたく間に参加可能人数を超え、抽選販売となることに。会場はその日、ファンの皆を招いてもてなす“shelaの冬のお部屋”へと姿を変える。どんなイベントになりそうかと聞くと…。
「冬の曲を集めたいんです。山下達郎さんの『クリスマス・イブ』をはじめとして、冬の歌を“今の自分の声”で…。まだどうなるか分かりません。でも、小さな冬の物語を、皆さんの顔が見える距離でいくつも届けられたらうれしいです」
