「動物を飼う」ということは容易なことではありません。とりわけ、保護された動物は人間に対する不安感を強く抱いているため、心を通わせるにはかなりの時間と根気強さが必要不可欠です。

保護犬たちの日常を届けるYouTubeチャンネル「アルくんアイちゃんと野犬さんたち」に投稿された動画では、行政に収容されて処分に怯えていた野犬の男の子・ハリーが、トライアル(飼い主になるかもしれない人と一緒に生活して、双方の相性や生活環境を確認するお試し期間)に進むまでの歩みが映し出されています。

まず動画は、ハリーを引き取った2023年11月の映像から始まります。人間に対してかなり警戒心を抱いている様子で、リードをつけることさえ一苦労です。

  • クレートの奥から出てこないハリー

    クレートの奥から出てこないハリー

その後なんとかリードをつけることに成功。シャワーで身体を洗い、部屋の中に入れます。ご飯も食べてリラックスしているように見えるハリーですが、ちょっと触れるだけでも身体は硬直してしまうなどかなり緊張した様子を見せ、人間への警戒心の高さがうかがえます。

  • 触れた瞬間、ピクっとした後に硬直しました

    触れた瞬間、ピクっとした後に硬直しました

月日が経つにつれ、散歩練習に取り組んだり、一緒の部屋で暮らす犬と遊んだりなど、さまざまな経験を通して徐々にハリーの表情が晴れやかになっていく様子が伝わります。

  • 15日目、仲間と一緒に遊ぶ姿も見られるように

    15日目、仲間と一緒に遊ぶ姿も見られるように

2カ月後には、人に触れられても嫌な顔をすることが減り、ウルウルした目を浮かべて「なでなで」の“おかわり”を希望することも。

  • そんな目で見つめられたらなでるしかない……!

    そんな目で見つめられたらなでるしかない……!

保護してから1年以上が経過すると、体調の悪い犬に寄り添い、“後輩犬”とコミュニケーションを取るなど、優しさと賢さを併せ持った姿が何度も映し出されています。引き取った初日の様子からは考えられないほど、元気な姿を見せるように。そしてハリーは、里親さんの元へトライアルに旅立っていったのでした。

  • この表情をずっとしていてほしい

    この表情をずっとしていてほしい

コメント欄には、「だんだんと目の色が不安から安心した感じになるのがいいね。幸せになるんだよ」「あんなに怯えてたのに、飼い主とお話したら仲間とじゃれ合ってる姿に涙が止まらん」と、ハリーの変化に感動した人の声が多く寄せられています。ハリーの頑張りもそうですが、ハリーの成長を支えた投稿者さんにも拍手と感謝の言葉を送りたいですね。