• 千明の家外観/2012年→2025年

スタジオセットは11年前を再現することができるが、ロケを行う鎌倉の現地は、「長倉家があった場所が、今はイタリアンレストランになっているんです。千明の家は代替わりして、新築の家になっていました」と、大きく変化を遂げていた。

時の流れで街が変わってしまうのは当然、仕方のないことだ。しかし千明は古民家に住んでいるという設定のため、新築の家の外観を映すわけにいかない。放送の画面上では、かつての雰囲気のままだが、どのような工夫を凝らしたのか。

塩入氏は「これはもう大道具で作って再現しようということになりました」と打ち明ける。実際に建っている新築の家の前に、11年前と同じ三角の屋根のある特徴的な玄関先を建て、後ろに見える新しい家はCGで処理するという力技で対応したのだ。

「なくなってしまった門扉とかも全部大道具で作って、植栽も美術で入れたことでほぼ再現できたと思います」という自信作。キャストや他のスタッフたちも、以前の千明宅が建て替えられたのを知っていただけに、「初めてのロケの時に“これはすごい!”と言ってくださいました。大変でしたがこの作品は“あれがないと始まらない”ので、再現できて良かったと思います」と胸をなでおろしたそうだ。

  • 千明の家外観のセット設営の様子

千明とまさかの同郷だった

また、同シリーズで第3作にして初めて出てきたのが、千明の実家だ。ここには偶然の産物があった。

「長野県の上田にあるという設定なのですが、実は僕の実家が偶然にも上田なんです。古民家スタジオで撮影をしたのですが、田舎ではあるが、お洒落なお母さんという設定だったので、あまり重たくならない感じで装飾スタッフが飾りました。時間があまりなかったのですが、幸いにも上田っぽいものが実家にたくさんあったので、それを持ってきて飾りました(笑)」