フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)では、大好きな“憧れの先輩”の歌をステージで披露する男性を追った『あきらめない僕たちの歌~今夜も歌い 叫ぶわけ~』を、6日に放送する。
学生演劇時代の先輩である既婚の女性に思いを寄せるが、その夫公認でいつも一緒に過ごす……この不思議な関係性に、取材した広瀬将平ディレクター(スローハンド)は「絶妙なバランスで成り立っていて、すごく楽しい空間なんです」と語る――。
コロナ禍で重いうつ病に「生きることを諦めかけた」
今回の主人公は、原田浩司さん(37)。彼が長年、特別な思いを寄せるのが、学生演劇時代の先輩で5歳年上の舞台女優・帯金ゆかりさん(42)だ。彼女には夫がいるが、その夫も公認で週に3日は一緒に過ごす間柄となっている。
そんな原田さんが歌うのは、すべて「帯金ゆかり」のこと。それは彼女へのラブソングであり、応援歌でもある。コロナ禍に重いうつ病を患い、一度は「生きることを諦めかけた」という原田さんだが、帯金さんの生き方に救われたのだという。
道半ばで演劇を諦めた自分とは違い、脚光を浴びることはなくても、いまだ舞台に立ち続ける帯金さん。「こんなふうに諦め悪く生きていきたい」…そんな思いで原田さんは、今夜も「帯金ゆかり」の名を叫んでいる。
第一印象は「何かのギャグかと(笑)」
“ウクレレ高円寺”の芸名で歌う原田さんを最初に見て、「知らない人が“帯金ゆかり”という知らない人を好きだと、30分ずっと歌っているので、何かのギャグかと思いました(笑)」と印象を振り返る広瀬D。その後、帯金さんに夫がいることが分かり、原田さんがその夫とキャンプに行っているというのを聞いて「どういう関係なんだ!?」と興味を持ち、取材を申し込んだ。
原田さんは「僕なんかいいですよ」となかなか取材を受けてくれなかったという。それでも、粘り強く交渉すると熱意が伝わり、原田さんから「広瀬さんのためになるなら好きに撮ってください」と密着を許された。
ただ、帯金さんに会うまでには、そこから2か月を要し、ようやく帯金さんの家で原田さんが宅飲みする場に同行できるようになったが、今度は帯金さんの夫に会えない事態に直面。家に行ってもすでに就寝していたり、趣味のキャンプに出かけていたりと対面の機会を逃し続けていたが、キャンプに同行してようやく不思議な三角関係をリアルで目の当たりにすることができた。