第32回「誰がために書く」では1005(寛弘2)年の様子が描かれた。今回は、内裏で起こった火事を契機に、一条天皇と中宮・藤原彰子の関係に変化が生じた。また、火事の原因について、居貞親王や藤原伊周など様々な人物がその思惑をあらわにした。そして、まひろはついに彰子に女房として仕え、『源氏物語』の執筆に本腰を入れることとなった。

注目度トップ3以外の見どころとしては、作家としての本領を発揮しだしたまひろを身近で見て、「俺がほれた女は、こういう女だったのか…」とつぶやく道長や、己の信念のまま突き進む藤原隆家、今回で退場となった安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)が挙げられる。ナレ死ではなく、きちんと最期のシーンを与えられた安倍晴明役のユースケ・サンタマリアは、『光る君へ』公式Webサイトのインタビュー記事「安倍晴明とは何者だったのか」の中で、前回出演した大河ドラマ『麒麟がくる』の朝倉義景役ではナレ死だったため、今回は亡くなるシーンがしっかり描かれてうれしかったと話してる。やはり俳優にとってもナレ死はつらいのだろうか。

また前回と同様、藤原公任(町田啓太)、藤原実資の小野宮流コンビと藤原斉信(はんにゃ.・金田哲)が3人で織りなすコントはSNSでも話題となっており、「嬉しそうな公任さま見てるだけで嬉しくなってくる。実資さまありがとう!」「公任さま可愛かったね」「公任さまもコント要員になりつつある」「従二位、従二位、正二位が頭から離れない」といった、町田の新しい一面に魅了されたたくさんのファンを中心に大きな反響があった。この勢いのまま、スピンオフで芸人トリオ「クギョーズ」として活動してほしい。

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きょう1日に放送される第33回「式部誕生」では、藤式部と呼ばれ、中宮・藤原彰子の女房として藤壺で働き始めるも、慣れない環境で筆の進まないまひろや、一条天皇の命で除目の儀に復帰するや不穏な動きを見せる藤原伊周が描かれる。次回は果たしてどのシーンが最も注目されるのか。