長谷川博己主演のTBS系日曜劇場『アンチヒーロー』(毎週日曜21:00~)で、弁護士の紫ノ宮飛鳥役を演じている堀田真由にインタビュー。堀田が「新たな挑戦でした」と語る同役では、法律の専門用語が多い台詞に挑んだり、颯爽とバイクを乗りこなしたりと、女優として新たな扉を開いている。

  • 紫ノ宮飛鳥役の堀田真由

本作で長谷川演じる主人公・明墨正樹は、犯罪者である証拠が100%揃っていても無罪を勝ち取るという限りなくダークで“アンチ”な弁護士だ。彼は毎回、常識を覆すような手段を使って、担当した事件を意外なところに着地させ、視聴者に「正義とは果たして何なのか?」という問いを突きつけていく。堀田が演じる紫ノ宮は、明墨の事務所で働く弁護士で、同僚である弁護士の赤峰柊斗(北村匠海)らと共に、明墨のもとで奮闘していく。

昨年は『たとえあなたを忘れても』(ABCテレビ・テレビ朝日系)で地上波の連続ドラマ初主演を果たし、主演映画『バカ塗りの娘』での演技も高い評価を受け、女優として着実にステップアップしてきた堀田だが、今回の役は新しい挑戦になったようだ。

「時代劇などで芯の通った役を演じたことはありましたが、現代劇ではどちらかというと笑顔の印象が強い役柄が多かったと思うので、紫ノ宮のように社会人の役でカッコ良くて自立した女性は演じたことがなかったです。自分としては未知の役柄で、どういう風になるんだろうと思っていましたが、こんな挑戦的な役を私に託してくださったことはすごくうれしかったです」

特に話題を呼んだのがバイクに乗るシーンだが、堀田はもともと二輪の免許を持っていたと言う。

「プライベートでバイクを乗っていなかったので、私が免許を持っていることを皆さんはご存じなかったそうです。でも、持っているならやるしかないという流れで、なんとクランクインがバイクに乗るシーンとなりました。クランクインの日は、何度経験してもまだ緊張感があるので、さらにバイクのシーンをいきなり撮るということですごくドキドキしました。視聴者の皆さんからの反響もいただき、第4話でも乗らせていただきましたが、またバイクのシーンがあればいいなあと思っています」

苦戦しているという弁護士役の専門用語については「馴染むまでにすごく苦労はしました」と告白する。

「しっかり調べて意味を理解すれば頭にすっと入ってくることもありますが、普段は言い慣れてない言葉なので、とても苦戦しました。でも、紫ノ宮という人間は信念を貫くかっこいい女性で、きっと完璧主義で すごく努力をしている人だと思うので、自分の中でも紫ノ宮と同居していけるように、台詞は何度も何度も練習し、1日に何回しか間違えてはいけないといったルールを自分の中で決めながらやっています。役柄によってやりがいはそれぞれにあると思いますが、役者としての成長という意味でも、自分にいろんなチャレンジを課していく方がすごく楽しいです」

これまで演じた中では、2話の法廷で話すシーンが印象深かったそうだ。

「2話の紫ノ宮1人で弁護するシーンでは、普段は割と淡々とした口調で 話す紫ノ宮ですが、そこで少し“明墨さん節”みたいなものを出せたらいいなと思い、飯田さん(飯田和孝プロデューサー)からも、大きい手振りなどを入れてみたらいいんじゃないかとおっしゃっていただいたのでやってみました。そこで紫ノ宮も、明墨法律事務所のメンバーだということが出せたと思うので良かったかなと思います」

普段の紫ノ宮は冷静で感情を抑えている役どころだが、第5話では父親である千葉県警刑事部長の倉田功(藤木直人)と対峙し、父へのあふれる想いを吐露するシーンが描かれた。父親役を演じた藤木直人と初対面したのは、この5話での撮影シーンだった。

「紫ノ宮が久々に実家に戻ってきて父とお惣菜を食べるシーンが、藤木さんと“はじめまして”でした。紫ノ宮としても、父と長い間会ってない時間があったので、コミュニケーションを取りすぎていたら出せない空気感だったと思うと、そこから始まって良かったのかなと思います。そういうシリアスなシーンから始まりましたが、それ以降、藤木さんは撮影の合間にプライベートなお話をしてくださったり、『オールスター感謝祭』の前には、どういう風にやったらクイズが上手く解けるかというアドバイスをいただいたりと、まさにお父さんのように『頑張ってね』という感じで接してくれました。劇中ではちょっとバチバチしていますが、普段はとても優しい方です」