主演の長谷川とは、2016年放送のNHK・BSプレミアムのドラマ『獄門島』以来、8年ぶりの共演となった。

「8年前の私はまだ10代で、長谷川さんと絡むシーンが多くなかったのですが、当時は島で撮影をしていて、撮影以外でもよく話しかけてくださいました。長谷川さんはすごく柔らかくて本当にチャーミングな方ですが、役のスイッチが入ると長谷川さんにしかできない明墨になられて、本当に迫力があります」とリスペクト。「法廷の長いシーンにおいても絶対に妥協することなく、納得のいくものを出されている姿を見させてもらっています。主演の方が常に自分と戦っていらっしゃる姿を見せてくださると、私もそこに食らいついていかなければいけないと思えるし、きっと私たちのお芝居も長谷川さんが引き上げてくださっているので、まさに役柄のように、事務所の先生と後輩のような関係性になっています」 と語る。

また、フジテレビ系ドラマ『風間公親-教場0-』(23)でも共演した北村についても全幅の信頼を寄せている。

「北村さんとの共演は2度目で、これまでは演技について話すことはあまりなかったのですが、第4話で紫ノ宮が赤峰さんに過去のことを打ち明けるシーンでは、2人でどういう風にしようかと話し合いました。北村さんが『こういうお芝居の時は受け取る側の人がすごく重要だから、僕が頑張ります』とおっしゃってくださり、その時に、やはりお芝居は人と人とのキャッチボールなんだなと改めて感じました」

赤峰との今後についても「父との決着がつく5話が終わってからも、赤峰と紫ノ宮はいろいろなことを探っていくバディでもあるので、今後も2人が一緒にいるシーンがかなり増えていくと思います。また、今まではそれぞれが 抱えていたものを探っていて、ちょっと強い態度で赤峰さんに当たっていましたが、 きっと最初から2人は同じ線の上にいたのに気づいていなかっただけなのかなと。ここから最終回に向けては、2人が明墨法律事務所の一員としてどう動いていくのかが、見どころの1つになってくると思います」と語る。

毎回、予想を裏切るような展開を見せ、SNSでは視聴者の考察記事なども多数上がり、盛り上がりを見せている本作。堀田自身も「明墨先生のやり方には毎度毎度驚かされています」と感心しきりで、「明墨先生役の長谷川さんについても、私が台本を読んできっとこういう風に演じられるのかなというものとは全く違った演じ方をされ、段取りから役の幅を広げて、空間を広く使ってらっしゃる姿を見て、毎度驚かされています」と語る。

本作のテーマでもある「正義とは?」という問いについて投げてみると「本当に正義って難しい言葉だなと思います」と述懐。

「悪の中にも正義があるし、正義という言葉を掲げれば、なんでも成立してしまうという怖さもあるのかなと。でも、正義の “正”という字は漢数字の一に止まると書くので、“一度立ち止まることなんだ”と書かれているのを本で読んだことがあり、本当にそうだなと思いました。物事に対して何も考えずに突き進み、それが正しいと思い込んでしまうと、その結果、誰かを傷つけてしまうことにもなるかもしれない。だから一度立ち止まり、自分の人生としてちゃんと覚悟や責任を持って生きていくことが私自身の正義だなといつも感じています」

最後に、これまで紫ノ宮役を演じてきた手応えについて聞くと「自分の中ではまだできないことがたくさんあるので、日々努力しています」と述べ、「まだ撮影の途中で、クランクアップに向けて大事なシーンも残っているので、すべてを演じ終えた後で自分がどう感じるのかなと、そこを楽しみにしたいと思います」と笑顔で締めくくった。

■堀田真由
1998年4月2日生まれ、滋賀県出身。2015年にWOWOWのドラマ『テミスの求刑』で女優デビュー。2017年にNHK連続テレビ小説『わろてんか』で主人公の妹を演じて注目を集める。近年の主な出演作は、ドラマ『鎌倉殿の13人』(22)、『風間公親-教場0-』『たとえあなたを忘れても』(23)、映画『禁じられた遊び』『バカ塗リの娘』『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』、『ある閉ざされた雪の山荘で』『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』(24)など。

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