福岡県・大分県はJRグループと共同で、全国からの誘客を目的とした大型観光キャンペーン「福岡・大分ディスティネーションキャンペーン」を4月1日から6月30日まで開催する。

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    「福岡・大分ディスティネーションキャンペーン」

期間中には福岡県・大分県が連動し、さまざまな特別企画が開催される。

大分県別府市に2023年7月にオープンしたばかりの、まち歩き施設「ARCO・DE・BEPPU(アルコ・デ・ベップ)」では、別府温泉や別府の街並みに詳しいガイドさんが、人気の観光スポットから地元の人から愛される隠れたスポットまで案内してくれる。

別府駅から電車で15分ほどのところにある日出町では国の重要文化財に指定されている「的山荘」で「的山荘昼膳と城址ガイドツアー」を開催。「的山荘」は木造建築と庭が美しく、懐石料理を味わったあとは日出城址などの城下町を散策することができる。オプションで着物のレンタルも可能なので、タイムスリップ気分を味わうのもよさそうだ。

湯布院駅から電車で30分ほどの場所にある玖珠町は、映画『すずめの戸締り』のモチーフとなったと言われる扇型の旧豊後森機関庫があり、ファンからは聖地として人気を集めている。普段は立ち入ることができない場所だが、期間中は特別に入ることができるガイドツアーを実施予定だ。

同じく玖珠町では、期間中5月5日に「第75回日本童話祭」を開催。玖珠町は「夕やけ小やけ」の作詞を手掛けた"日本のアンデルセン"久留島武彦氏の出身地であることから「童話の里」と呼ばれているそうで、昭和25年から毎年子どもの日に「日本童話祭」が開催されている。目玉は全長60メートルもの大きな鯉のぼりのくぐり抜け体験。家族で訪れる方には良い思い出になりそう。

大分県・福岡県合同で行うのは「ひたひこ沿線酒蔵巡り」イベント。4月6日・14日・28日の3日間は大分・福岡にある5つの酒蔵で搾りたての新酒の試飲や限定酒の販売、地元食材のグルメが提供される。

期間中、大分県内各地ではアートや文化などをテーマにした「Oita Cultural Expo! ‘24」を開催。たとえば、大分駅前には全長12メートルの巨大こけしが出現する。なかなかお目にかかれないうえに、フォトスポットとしても目指したい場所だ。

移動そのものが旅行の目的に! JR九州の「D&S列車」とは

JR九州では「観光列車」のことを「D&S列車」と呼んでいる。Dは「(特別な)デザイン(Design)」、Sは「(運行する地域に基づく)ストーリー(Story)」から取っており「デザインと物語のある列車」という意味を込めている。「単なる移動手段」ではなく移動そのものが目的となるように、斬新なデザインと地域ごとのストーリーを込めているという。D&S列車には現在、博多~湯布院間を走る「或る列車」や、博多~湯布院~別府を走る「特急ゆふいんの森」などを含む10の列車が運行中。

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    「或る列車」

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    「或る列車」内装

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    「ゆふいんの森3世」

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    「ゆふいんの森3世」4号車

さらにキャンペーンにあわせ、新たに2024年春に登場するのが特急「かんぱち・いちろく」。

車両レイアウトや車両外観、内装デザインなどはまだ発表されていないが、コンセプトが「ゆふ高原線の風土を感じる列車」であるということ、そして「"風土"すなわち、その土地の気候や地勢、そこから生み出される土地の食や風習、風景を五感で楽しむ列車です」というメッセージが公開されている。

運行ルートは博多駅からゆふ高原線(久大本線)を経由し由布院・別府駅間を1日片道1便運航予定(木曜日は運休)。列車名の由来は、現在の久大本線全線開通に尽力した功労者「麻生観八(かんぱち)」と「衛藤一六(いちろく)」の名前から取ったという。

この春はD&S列車に乗って福岡と大分を巡る旅に出てはいかがだろうか。