赤楚衛二演じる、舞の幼なじみで夫となった貴司との穏やかな夫婦関係は見ていてほっこりするが、福原自身も「舞と貴司くんの関係は、素敵だなと思いながらお芝居をさせてもらいました」と語る。

「昔から舞と貴司くんはお互いの持っている空気感や考えていること、波長がすごく合っていたので、自分がお芝居をしていても、なんだか心地良い空間だなと思っていました。昔から一緒だったし、結婚しても、今までの関係性ややりとりをする感じは昔と全く変わっていません」

撮影終了時には「あと1年やりたい」と名残惜しく思うほど、温かいチームだったそうで、クランクアップした後も交流が続いているという。

「プライベートで友達と五島列島に旅行をして、お世話になったたくさんの方々ともお会いできたし、皆さんが温かく迎えくださり、ちょっとのんびりした時間を過ごさせていただきました」

子役出身で長いキャリアを重ねてきた福原だが、朝ドラを経て女優業への向き合い方はどう変化したのか? と尋ねると「もっとお芝居が好きになりました。元々大好きだったけど、もっといろんなお芝居がやりたいと思うようになりました。撮影前に、このシーンで何が生まれるのだろう、どういうふうになるのだろうと想像しますが、実際にやってみないとわからないので、毎回すごく楽しいんです。だからもっとお芝居がしたいし、どっぷり浸かりたいです」と演技への情熱は以前よりも増したようだ。

さらに、「もちろん思うようにいかずに『悔しい』と思ったこともありました。でも、舞が困難に打ち勝ち、どんどん強くなっていく姿に私自身も刺激をもらえたし、本当に舞と一緒に成長できていった気がします。1年間同じ役をやることは今後もそうそうないと思いますし、やっていくうちに役と自分自身がリンクしていき、『ずっと長い間やっていると、こういう気持ちになるのか』という発見も多かったです。だから今後は、短い期間でもそのぐらいになれるようにと、もっと頑張っていきたいです」と語った。

理想の女優としては、女優を志すきっかけとなった連続テレビ小説『おひさま』(11)で主演を務めた井上真央の名前を挙げる。「井上真央さんの演技は小さい頃から観させていただいていますが、こんなに人の心が動くのか! と感動します。だから私もそこに少しずつでも近づけたらなと」

仕事におけるモットーは繰り返し口にしている「楽しむこと」だと言い、「どんなことがあっても、人は考え方次第で変わると思うので、いろんなことを楽しんでいきたい。また、何事も諦めないことです」と満面の笑みで語る福原。『舞いあがれ!』を見届けるとともに、その後の活動も引き続き注目していきたい。

■福原遥(ふくはら・はるか)
1998年8月28日生まれ、埼玉県出身。2005年に子役としてデビューし、2009年よりNHK Eテレの子供向け料理番組『クッキンアイドル アイ! マイ! まいん!』で主演を務め注目される。2017年にはテレビアニメ『キラキラ☆プリキュアアラモード』でキュアカスタードこと有栖川ひまり役の声優に抜擢。映画『女々演』(18)で映画初主演、『声ガール!』(18)で地上波の連続テレビドラマで初主演。ドラマの近作は『アンラッキーガール!』(21)、『正直不動産』(22)、連続テレビ小説『舞いあがれ!』など。映画は『羊とオオカミの恋と殺人』(19)、『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ファイナル』(21)など。