嵐の松本潤が主演を務める大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)で織田信長を演じている岡田准一が役作りや松本との共演について語った。

  • 織田信長役の岡田准一(右)

第62作大河ドラマとなる本作は、江戸幕府を開いた徳川家康の生涯を新たな視点で描く物語。岡田が演じる信長は、さまざまな常識をくつがえし、常人離れした思考回路を持ち、革新的な戦術を生み出していく孤独なカリスマ。時に優しく、時に恐ろしく、誰もが畏れる中、家康は必死に食らいつき、彼の知識を吸収していき、そんな家康に信長はなぜか異様に目をかける。

岡田准一のコメントは以下の通り。

■織田信長役について

オファーをお受けした時から、制作陣からは「長年大河ドラマを愛して下さっているファンを大切にしながらも、家族で見られる新しい大河ドラマをつくりたい、挑戦したい」という話を伺ってきました。僕自身も、時代劇の可能性や時代劇を演じていく意味、これまでの時代劇をどう超えていけるかを日々模索していますが、信長は破格の人物なので、“こんな時代劇があっても良いじゃないか”ということを身をもって提案できる役柄だと思っています。人気の戦国武将ですし圧倒的な存在なので、演じる上でハードルの高さはあります。でも、今作ではあくまで“家康にとっての信長”というキャラクター。家康との関係性が軸にあるからこそ、人間味も見せていきたいですし、強さも脆さも魅力も、家康がいるからこそより立体的に見えるキャラクターにできたらと思っています。

■竹千代・元康との相撲シーンについて

子どもの頃から、肉体的にも精神的にも家康にトラウマを植え付けるのが信長なので、その象徴的なシーンですよね。このシーンは、演出側から振り付けをお願いされたので、大河ドラマで動きを付けるなんて考えてもみませんでしたがお引き受けしました。台本にも「総合格闘技のように」と書かれていて、新たなチャレンジという意味でも担当させていただきました。

子役の川口和空くんと松本潤くん、それぞれかなり特訓してもらいました。もちろん安全面には気を付けていましたが、特に川口くんに対して、あんなにハードな動きでいいのかということも不安に思っていて。でも、あのシーンが終わった後、川口くんは「アクションが楽しかった、アクションが出来る役者になりたい」と言ってくれたので、結果的には良かったなと思っています。少し教えるとすぐに出来る様になって、成長スピードが早かったです。単に振りを入れるだけではなく、「動きに捉われすぎずに、感情が出るのを大切にしよう。そこはサポートするから」という話もしていましたが、それもよく理解して演じていました。一緒にやっていて、僕も楽しかったですね。

松本くんは、相撲シーンを練習したいということで、うちまで来て練習したことがありました。 僕が振りを付けるからこそ、より完璧にやりたいというのも言ってくれていました。このシーンや、僕に限らずですが、「やりにくい部分はないか」なども含めて、松本くんは役者の皆さんともよくお話をされているんですよね。主演として申し分ない気遣い、細やかさ、丁寧さがあって頼りになりますし、僕自身も芝居においてぶつかりやすいです。

■松本潤との共演について

僕が主演を経験させていただいた「軍師官兵衛」では、大河ドラマ経験者の先輩として、竹中直人さんが近くで支えてくださいました。竹中さんには本当に感謝しかないんです。なので今回は、大河の先輩として、微力ながら松本くんを支えられたらということは思っています。大河だから、時代劇だからと小さく収めようとせずに、自由にやることの大切さも、竹中さんから教えていただけたことです。収録が始まってしばらくは、大河ドラマ出演自体が初めてという松本くんに対して、自由に芝居する部分を見せようというのも意識しています。

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