お笑い芸人のバカリズムがMCを務めるフジテレビ系バラエティ特番『私のバカせまい史SP』が、29日(20:00~)に放送される。

  • (左から)渡辺江里子、森田哲矢、バカリズム、せいや、永島優美アナウンサー=フジテレビ提供

誰も調べたことがないような“せま~い歴史”=「バカせまい史」を紹介する同番組。バカリズムをはじめとする芸能人が、数カ月をかけて徹底的に調べ上げた「バカせまい史」の研究成果を独自の考察を交えて発表する。

霜降り明星・せいやが発表するのは、フジテレビのものまね番組に欠かせないサプライズ演出「ものまね番組 ご本人登場史」。1989年、コロッケが“あの歌手”のものまねを披露している最中、突然本人が登場したことをきっかけに始まり、90年代には工藤静香、近藤真彦、ピンク・レディーから、シンディー・ローパー、スキャットマン・ジョン、スティービー・ワンダーといった海外の一流アーティストまでもが登場を果たした。人気コンテンツとして大好評を博すも、次第に供給過多となり、「ご本人登場」のバブルは崩壊。すると、危機を脱するため、とんでもない演出方法が生み出され…。「ご本人登場」が冬の時代を迎えてしまった現状を救うべく、“ミスターご本人登場”の異名を持つあの人がスタジオに降臨する。

阿佐ヶ谷姉妹・渡辺江里子は、「クイズ番組 第1問史」。フジテレビ開局以来制作されてきた80本以上のクイズ番組の中から、「第1問」に特化した歴史をプレゼンする。渡辺は「クイズ番組が成功するか否かは、“初回放送の第1問”の仕上がり具合にかかっている」と持論を展開し、フジテレビ63年の歴史をさかのぼりながら、2000年代に人気を博した『クイズ$ミリオネア』(00~07年)、1990年代の『カルトQ』(91~93年)、80年代の『なるほど! ザ・ワールド』(81~96年)といった数々の名クイズ番組を紹介。出題システムなど各番組の特色を解説するとともに、「第1問」の年代ごとの傾向や意外な共通点を検証していくが、やがて研究は思わぬ展開に…。果たして、フジテレビ最古のクイズ番組の第1問とは。さらに、『クイズ・グランプリ』(70~80年)、『ズバリ!当てましょう』(61~72年)など、もはや衝撃映像といっても過言ではない昭和の激レアクイズ番組も続々登場する。

さらば青春の光・森田哲矢は、「お笑い芸人 あるあるネタパッケージ発明史」。「あるあるネタは、たとえ中身が同じでも、“漫才”“コント”“リズムネタ”など見せ方のパッケージが変われば、全く違ったものになる」という森田が、あまたの芸人が発明してきた、あるあるネタのパッケージの歴史をひもといていく。プレゼンが始まると、今から40年前に“あるある”の概念を初めて笑いに昇華させた人物として、ある大物芸人の名前が挙がり、スタジオは早くも騒然。続けて、あるあるネタを歌で表現した嘉門タツオや、あるあるネタにダンスを取り入れたふかわりょうら、偉大な発明家たちを紹介していく森田は、さらに2組のキーパーソンを紹介。あるあるネタのパッケージはもはや出尽くした、と見られていた2000年代中盤、この2組が、あるある界に革命をもたらしたというのだ。驚きの発明で時代を動かした“あるある界の革命児”たちとは…。また、今回の研究中に森田が発見したという、ある“法則”も公開。魔法の黄金律ともいうべきその法則とは。

そしてバカリズムは、「柴田理恵 号泣史」。これまで数多くのバラエティ番組で涙を流してきた女優・柴田理恵の見事な泣きっぷりに、「芸能界のウォーターフロント」と称賛を惜しまないバカリズム。そんな柴田は、いったいいつから泣き始め、そしてなぜ、どのような泣き方で泣いてきたのか。プレゼンでは、「小泣き」「中泣き」「大泣き」「満点大泣き」と、彼女の泣き方を4つのパターンに分類しながら、その涙のメカニズムをバカリズム独自の視点で深掘り。さらには、涙のスイッチが入る瞬間や、どんなテーマで泣いてしまうのか、ワイプでの泣き方など、特徴や傾向をつぶさに分析し、柴田がいかにして視聴者へ感動を伝えてくれているのかを考察していく。また、彼女がこれまでに生み出してきた涙の“総リットル数”が明かされると、スタジオがざわつく一幕も。最後に登場する「柴田理恵 涙の名場面集」は圧巻だ。

それぞれの「バカせまい史」の検証VTRのナレーターは、過去2回と同じく、窪田等が担当。『情熱大陸』(MBS)でもおなじみの、説得力に満ちたナレーションとなっている。

コメントは、以下の通り。

――まずはみなさんそれぞれ、今回の研究発表の注目ポイントを教えてください。バカリズムさんはいかがですか?

バカリズム「今回の僕の研究は、今までとは違って感動的というか…」

渡辺江里子「感動するところ、あったかしら(笑)?」

バカリズム「テーマが“涙”ということでね、視聴者のみなさんも、おそらく涙なしでは見られないんじゃないかなと。申し訳ないんですけれども、今回はゴールデンということで、ふざけるのはやめました」

(一同、爆笑)

森田哲矢「今の発言、真に受けないでくださいね(笑)」

バカリズム「いや、今回はちゃんと真面目にやりました」

森田「“…と、ふざけていた”って書いといてください(笑)」

――では、森田さんの研究発表の見どころは?

森田「僕はお笑いの歴史をひもといたんですけど、今回、新しい発見がありまして…」

バカリズム「あの“法則”のことね。面白かったなぁ」

森田「この法則は、エンタメに携わっている方々が見たら、きっと何かのヒントになるんじゃないかなと思うんですよね。芸人とか、ミュージシャンの方とか、これからヒットを狙ってる人は、ぜひ参考にしていただきたいなと思います」

――江里子さんの研究発表は?

江里子「私は、子どもの頃から大好きだった“クイズ”というジャンルを取り上げさせていただきました。他のプレゼンターのみなさんは、過去から現在まで、時代を追って紹介しているんですが、私は今回あえて、2000年代から1970年代、1960年代と、さかのぼりながら調べていったんですね」

森田「あ、確かにそうでしたね」

江里子「そういった意味では、いつもの“バカせまい史”とはまた違った視点で楽しんでいただけるんじゃないかなと思っています」

――では、今回残念ながらコメント取材を欠席された霜降り明星・せいやさんに代わって、永島アナから「ものまね番組 ご本人登場史」の見どころを教えていただけますか。

永島優美アナ「“ご本人登場”という演出が、あんなにいろいろと変化しながら続いてきたんだということを初めて知って、びっくりしました。私は今、霜降り明星のお二人と、ものまね番組(『爆笑そっくりものまね紅白歌合戦スペシャル』)でご一緒させていただいているんですが、せいやさんのものまねに対する愛情も改めて感じましたし、“ご本人登場”って、やっぱり感動を届けてくれる企画なんだなと思いましたね。それと、この“ご本人登場史”では、番組が始まって以来、一番びっくりするような仕掛けが…」

バカリズム「そうなんですよ(笑)」

江里子「私も感動しました!本当に胸が躍りましたね」

森田「ほんまにすごかったですよね。そやけど今回、あのシーン以外、ゴールデンらしさが全然なかったような気が…(笑)。大丈夫なんですか?ラテ欄に書くことあります(笑)?まずは、“ギャラクシー賞受賞番組”というのを強調してもらって…」

バカリズム「ていうか、それだけ載せるのが一番いいかもしれない(笑)」

――ギャラクシー賞も受賞した『私のバカせまい史』という番組の魅力を、改めて教えてください。

江里子「やっぱり、みなさんのプレゼン能力の高さですよね…自分は別として(笑)。本当に、みなさんそれぞれの色が出ていて、すごいなと思います。こんなせまい内容のことを、どれだけ大きく、どれだけ面白く見せるかっていう、その技術。素晴らしいと思いますね」

森田「僕らとしては、“せますぎておもろい”っていうのが一番の魅力やと思ってるんですけど、果たしてそれが、お茶の間に伝わってるのかどうか…(笑)。でも、ギャラクシー賞をいただいたってことは、ある程度伝わってるんじゃないですかね」

江里子「絶対伝わってますよ!今回、私は初めて出演させていただきましたけど、収録中ずっと、“あぁ、これはギャラクシー賞取るわね~”って思ってましたから(笑)」

永島「それと、非常に手間ひまをかけて作っているというところも、この番組の特長だと思います。スタッフのリサーチももちろんなんですけど、プレゼンをされる芸人のみなさんも、それこそ睡眠時間を削って、スタッフと密に打ち合わせをされていて…」

バカリズム「そう、そこなんですよ!」

永島「みなさんの力の入りようがすごいんですよね。“ここまでやるんだ!”って毎回驚かされています」

森田「今回も僕、2時間のリモート会議を2回やりましたからね(笑)」

バカリズム「本当に、ネタ1個作るぐらいの労力なんですよ」

森田「ピンネタ作ってるようなもんですから」

江里子「そうそう。単独ライブのネタを作っているくらいの感覚ですよね」

バカリズム「だから実は、ちょっとした弊害もあって。ずーっとひとつのネタを考えてるでしょ、そうするとだんだん“これって、せまくないんじゃないか”と思えてきて(笑)。スタッフと話してても、“大丈夫?今回、広くない?”みたいな」

森田「アハハハ!広くはないでしょ」

バカリズム「考えすぎて麻痺(まひ)しちゃう。何がせまいのか分からなくなってくるんです(笑)」

――では最後に、バカリズムさんから視聴者のみなさんへメッセージをお願いします。

バカリズム「今回、初めてのゴールデンでの放送になりますが、内容は深夜のときと全く変わらないので、これまで通り楽しんでいただけたらなと思います。ただ、ゴールデンとはいえ、深夜のノリが高じて、お金のかけ方が変なことになっています(笑)。“どこに金を使ってるんだよ!”っていうところにも、ぜひ注目していただければ(笑)」

(C)フジテレビ