クイズプレーヤーでタレントの伊沢拓司がMCを務めるニュースバラエティ『U29(ユニーク)News 私たちが知りたいのは、未来だ』(ABCテレビ 関西ローカル)が、24日(23:00~)に放送される。

  • 伊沢拓司 =ABCテレビ提供

ソーシャル経済メディア・NewsPicksとコラボした同番組は、MCの伊沢のほか山之内すず、お笑いトリオ・四千頭身の後藤拓実、インフルエンサー・ねお、TikTokerのロイら20代メンバーが、数々の社会問題に本音で向きあい、一緒に考えていく“共感型”ニュースバラエティ。

今回の放送では、20代の1万人以上に行なった調査で最も関心の高かったトピックから、「“ゆるい職場”に不安を抱く若者たち」「ニュースとの向き合い方」「若者への貧困問題」の3つにフォーカス。それぞれのトピックに精通する20代のオピニオンリーダーが参戦し、自身の意見を発信しながら、未来を見据えたニュースの見方を探っていく。

番組冒頭、時事ネタや選挙ニュースをよく見ているという山之内は、「こうして20代で同世代の方々とニュースについてまじまじと語る機会なんて、なかなかないのですごく楽しみです!」と期待感を表現。

ねおは「ニュースは自然と目に入ってくるものなのでよく見ています。切り取られたニュースでは全体像がわからないので、記者会見はフルで見るなど自分で納得ができるように掘り下げるようにしています」とニュースの独自の見方を明かし、ハイテンションで登場したロイも「税金高くなったよねーって身近な話題をきっかけにニュースについて友達と話したりしています」とそれぞれ関心の高さを見せた。

一方で、後藤は「番組アンケートでは“カタい報道もけっこう見る”と格好つけて書いちゃったんですが、実はあんまり見ないんです」と苦笑い。しかし、議論が始まると、自身の視点を交えながら熱いトークを展開した。

収録後インタビューは以下の通り。

■伊沢拓司

――番組収録を終えてみて、率直な感想からお聞かせください。

僕もU29ですが、僕よりも若い方々しかいなくてビビりしました(笑)。ニュースの番組でしたが、僕が促さなくても自然と議論が活発にできて、すごく楽しかったです。ひとつの意見に対して、みなさん全員がしっかりと意見を出せる人ばかり。どんな話題が飛び出すのかわからないので“油断できないな”という緊張感はありました。議論の行方を見失わないように、集中力を切らさないようにしていましたね。

――それだけ議論が広がり膨らんだ、と?

そうですね。普段のコメンテーターですと、今上がってきたニュースに対するコメントを手短に求められるのですが、今回のように社会問題に対して、腰を据えてゆっくりと語り合う…しかも 20 代でという機会はなかなかないこと。なので、ゆっくりとみなさんの意見を聴きながら報道のあり方を“体験”できたのは僕にとって幸せな時間でした。

――20代が語るニュース番組ですが、司会として意識したことは?

20代が中心になって作った番組ではあるのですが、20代に向けたメッセージを作っているのではないということです。世代間の考え方の違いを表出させたいわけではなく、今の20代がニュースをどう捉えて、どういう受け止め方をして、解決していくためにはどう捉えればいいのか…みなさんがそうした意識で議論を深く掘り下げつつも、時には身近で共感できる話題も自然と盛り込めたので、いい意味で“20代の枷”を外してお届けできたかなと感じています。

今回はNewsPicksさんとのコラボレーションで若者が集った番組。僕自身としては、意識高く語り合うだけでは終わりたくないなと思っていたので、番組が居丈高にならないよう、敷居が高くならないよう、そして強者の理論に終始しないように気をつけました。

――今回の出演メンバーについての印象は?

みなさんが社会問題を語ることが、格好悪いと思わない前のめりの姿勢で取り組んでいただけたと思います。今、若い発信者の方々であっても自分の価値観や社会問題に対するスタンスを決めて押し出さざるを得ない状況の中で、本音でフラットに語り合えたことはスゴいことだなと思います。インフルエンサーを含め、今の20代の方々っていろんなことに対して自分のスタンスを持っているし、無関心でいないことを貫いていることも改めて感じました。

テレビやメディアで“演者”という言い方をしますが、テレビで求められている“キャラ”を演じつつも、その裏側にはしっかりと本人がいる…時代性や視聴環境の変化で、その姿勢を視聴者のみなさんも“エンタメ”として受け入れやすい時代になってきたのかなと感じています。だからこそ 20 代のオピニオンリーダーがニュースに対して思いっきり本音を語る番組が成立したと思うし、今、この番組を放送する意義はすごく大きいと感じています。

――伊沢さんご自身のニュースとの向き合い方は?

ニュースに対してコメントで答えるのが仕事でもあるので、テレビや SNS のニュースは雑多に見ています。ただ僕自身、ニュースを見ていてつらくなることももちろんあるので、そういうときはコメンテーターの立場であっても「見ないてもいいんです。距離を取ってください」って言っちゃうこともあります。例えば、ウクライナ問題のときに、コメンテーターとして“ちょっと映像を見ていられないですね”と口にしたことがあるんです。批判もありましたが、“そうだよね”と共感してくれる意見もたくさんいただきました。たとえコメンテーターであっても、一人の人間として苦しいことは苦しいと言えることって大事だと思うので、僕は今後もそうした気持ちを表明していきたいと考えています。

――10代のときは、どんな20代を思い描いていましたか?

正直にお話すると、メディアに出ているとは思ってもみなかったです。研究者か企業で働くイメージしかなかったので、起業にチャレンジしようなんて気はさらさらありませんでした。でも、正反対の道に進んでしまったので、10代の頃に思い描いていた未来なんてわからないなって思います(笑)。ただ、僕が10代の頃と比べると、今は情報量も多くなって、いろんな方が自分のスタンスで話せる時代になったと思います。僕自身、YouTubeを始めてからハーバード大学やMIT(マサチューセッツ工科大学)へロケに行って現地の日本人の学生さんたちに話を伺ったのですが、何を考え、どうやって受験したのかという具体的なお話にはすごく意味があることだなと思っていて。そうした人たちの言動を動画で視聴できる環境になって、今のみなさんにとってはより多様な選択肢が増えたと思うんです。今後も僕自身、こうした子どもたちの可能性を引き出していく活動を続けていきたいですね。

――では、最後に番組を楽しみにしているみなさまへメッセージを。

あくまでも等身大でニュースと向き合い、ゆっくりと議論を広げて深めていく番組になったと感じています。日々の報道を見ていて疲れてしまう方、ニュースを見て嫌悪感を抱いてしまったという方も、この番組でいったん立ち戻って、正解を急がない議論を楽しんでいただけたらと思います。U29と銘打ってはいますが、若者だけに向けた番組ではありません。いろんな世代の方に見ていただきたいですし、ニュースに関心のある方も、ない方でも、好きなインフルエンサーさんが出ていることをきっかけに見てくださっても楽しんでいただけると思います。