ビジネスパーソンが“今読むべき本”を厳選し、要約してそのエッセンスを伝える「flier(フライヤー)」。最新のトレンドを学んだり、読みたい本を見つけたりするためのツールとして、累計97万人のユーザーに活用されています。

この記事では、flierを利用する意識の高いビジネスパーソンの中でも特に、20代~30代のユーザーが今、リアルに読んでいる本とその傾向を紹介します。同世代のビジネスパーソンは今、どんな本を読んでいるのでしょうか?なぜその本が選ばれたのでしょうか?気になった本があれば、ぜひチェックしてみてくださいね!

仕事ができる人は「助けて」が言える人

8月、20代~30代に一番読まれたのは『仕事は自分ひとりでやらない』(小田木朝子、フォレスト出版)です。

本書のテーマは「ヘルプシーキング」。「ひとりで抱え込まず、周囲に助けを求める技術・考え方」というビジネススキルです。

とはいえ、「できないと思われたくない」「迷惑をかけたくない」などと、誰かに助けを求めることに抵抗を覚える人もいるでしょう。

そんな人にこそぜひ、本書を手に取ってほしいと思います。よりよい成果がスピーディーに得られる、自分のペースで無理なく仕事を続けられる、仕事への愛着が増す、挑戦と成長がしやすくなるなど、ヘルプシーキングにはメリットがたくさんあるからです。

チームメンバーのライフイベントが重なりがちな20代~30代だからこそ、「仕事ができる人こそ、ひとりで抱え込まない」という考え方にシフトし、チーム一丸となってよりよい成果を目指しましょう。本書は、誰かに甘えることが苦手な、頑張り屋さんのあなたを救ってくれるかもしれません。

忙しそうな後輩を手伝いたいとき、あなたならどう言う?

2位は『部下 後輩 年下との話し方』(五百田達成、ディスカヴァー・トゥエンティワン)でした。

「部下とうまくやっていきたいけど、どうコミュニケーションをとっていいかわからない」「後輩と距離がある気がする」「新卒さんに注意したいけど、パワハラになったらどうしよう」――。

そんな悩みを抱えている方には、本書を。48のシーンに分けて、今日から使える「部下・後輩・年下との話し方」を教えてくれます。

たとえば後輩ともっと仲良くなりたいとき、ハラスメントになりかねない「恋バナ」はNGです。ぴったりの話題は「推し」。「例の推してるアイドル、最近、元気?」「ペットとか飼ってないの?」などと聞けば、話が盛り上がり、相手との距離が縮まるはずです。

また、忙しそうな後輩を手伝いたいときは「何かあったら言ってね」より「リサーチでも手伝おうか?」と具体的なアクションを提案するのがベター。きっと「リサーチは終わってるので、これを手伝ってもらえると助かります!」などと甘えてくれるでしょう。

「部下・後輩・年下」だった記憶が鮮明な20代~30代のうちに読んでおくことをおすすめしたい一冊です。

わからないことは「解決」するな

3位は、『やわらかく、考える。』(外山滋比古、PHP研究所)でした。

本書は「東大・京大 この10年で1番読まれた本」の帯コピーで有名な『思考の整理学』の著者、外山滋比古氏の金言集。外山氏のユニークな言葉を楽しみながら、発想力を鍛えることができます。

情報に追われがちな時代だからこそ、特に読んでほしいのが「わからないことは放っておけ」と題された章。

わからないことは、なんとか解明・解決しようとするのが一般的でしょう。それでも「放っておけ」とする理由は、わからないことこそ頭に残るから。謎と疑問をあえてそのままにしておけば、あれこれ考えることになり、やがて答えに近づけるのです。そして時間をかけたからこそ、その答えは決して忘れません。

また著者は「自由自在に生きるコツ」として「失敗を歓迎する」を挙げています。「リンゴも人生も傷があったほうがうまい」「不幸や失敗が足りないことをこそ恐れるべき」という金言に、きっと励まされることでしょう。

示唆に富んだ150の金言が紹介されている本書。行き詰まったときに、パラパラとめくってみるのもおすすめです。

ビジネス書から、ビジネスのヒントを得よう

今回も、現在の自分の姿と向き合い、さらなる成長を遂げようとするビジネスパーソンの姿が見えるようなランキングとなりました。

本の要約サービスflierには、他にも、ビジネススキルを磨きたいときや自分とじっくり向き合いたいときに役立つ書籍が多くそろっています。8月のランキングでは、『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』(ヤニス・バルファキス、関美和(訳))や『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(吉田裕子、大和書房)、『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか』(黒田尚子、日本経済新聞出版)などがベスト10にランクインしました。

来月はどのような本が注目を集めるのか、楽しみにしていただければ幸いです。