ビジネスパーソンが“今読むべき本”を厳選し、要約してそのエッセンスを伝える「flier(フライヤー)」。最新のトレンドを学んだり、読みたい本を見つけたりするためのツールとして、累計95万人のユーザーに活用されています。

この記事では、flierを利用する意識の高いビジネスパーソンの中でも特に、20代~30代のユーザーが今、リアルに読んでいる本とその傾向を紹介します。同世代のビジネスパーソンは今、どんな本を読んでいるのでしょうか?なぜその本が選ばれたのでしょうか?気になった本があれば、ぜひチェックしてみてくださいね!

約9割が効果を実感する時間術

6月、20代~30代に一番読まれたのは、『AI分析でわかった トップ5%社員の時間術』(越川慎司、ディスカヴァー・トゥエンティワン)です。

本書は、「AI分析でわかったトップ5%社員の習慣」「AI分析でわかったトップ5%リーダーの習慣」に続く、“トップ5%社員”シリーズの最新刊です。今回は”残業沼”から最短で抜け出す方法として、トップ5%社員の「時間術」にフォーカスしています。

例えば、なかなか評価されない95%社員とトップ5%社員では、タスクの捉え方も明らかに異なるのだそう。

前者は「自分が受け持つタスクを自分で実行して期限内に終わらせること」と捉え、後者は「引き受けた仕事を『自分でやること』『誰かに依頼すること』にわけて管理すること」と捉えます。他人を巻き込むことで、自分以外の力を使って時間の問題を解決することができるようになります。

5%社員は人を巻き込むコミュニケーションを磨くことに時間を使い、より大きな課題を解決できる環境を整えているのが特徴です。

本書で紹介される時間術は、誰でも試しやすいものばかり。つい「時間がない」とこぼしてしまう人は一読の価値ありです。

究極の時間術!4,000週間をどう使うか

2位は『限りある時間の使い方』(オリバー・バークマン/高橋璃子(訳)、かんき出版)でした。

本書は短期的な視点ではなく、「人生」という広い視点から、時間の使い方を改めて考えさせてくれます。

著者は、「人生は4,000週間しかない」という衝撃的な事実を私たちに伝えるとともに、いくら効率化を図ってもタスクは増え続け、充実した時間を過ごしている実感につながるものではないと主張します。 限られた時間をうまく使うためには、時間が有限であり、全てを手に入れることは不可能なのだと認め、タスクを減らすことが大切だと言います。

タスクを上手に減らすポイントの一つとして「優先度「中」のタスクを捨てること」を紹介しています。そこそこ面白い仕事のチャンスやまあまあ楽しい友人関係は、切り捨てるには惜しいけれど、限られた人生を食いつぶしてしまうと考えることで思いきって手放すことができるのです。

効率化にとどまらず、新しい視点で時間の使い方を考えさせてくれる一冊です。

ウェブメディアの落とし穴

3位は、『現代病「集中できない」を知力に変える 読む力 最新スキル大全』(佐々木俊尚、東洋経済新報社)でした。

本書は、短い時間しか集中できない人でも”読む力”を習得できる方法を伝授してくれます。

情報の受発信が誰でも気軽にできてしまう現代においては、情報収集の際は信頼できるメディアと怪しげなメディアの見極めが大切だと言います。 例として、「真実」「正体」「化けの皮」「しがみつく」などの、強い言葉を使うメディアを挙げ、そもそも日常会話で使わないような用語を使っていること自体、良識から外れていると指摘します。

このほかにも、「出来事の構図を単純にしすぎているメディア」「匿名の証言やソースが不明なメディア」は気をつけるべきと紹介しています。

読めば納得のこれらのスキルも、知っているのと知らないのとでは、情報を的確につかむこと、そしてそれにかかる時間に大きな差を生みます。

つい注意散漫で長い時間集中できないと思っているあなたこそ、この本をインプットしておくことで、集中する時間は変えずに質や量を改善できるかもしれません。

ビジネス書から、ビジネスのヒントを得よう

今回ベスト3にランクインした書籍は「時間」がキーワードになっており、20〜30代の時間の使い方への関心が伺えます。世の中の進化もあいまって、常にたくさんのことに追われる現代、取り巻く環境にのまれずに有意義な時間を過ごすために、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

来月はどのような本が注目を集めるのか、楽しみにしていただければ幸いです。