ビジネスパーソンが“今読むべき本”を厳選し、要約してそのエッセンスを伝える「flier(フライヤー)」。最新のトレンドを学んだり、読みたい本を見つけたりするためのツールとして、累計95万人のユーザーに活用されています。

この記事では、flierを利用する意識の高いビジネスパーソンの中でも特に、20代~30代のユーザーが今、リアルに読んでいる本とその傾向を紹介します。同世代のビジネスパーソンは今、どんな本を読んでいるのでしょうか?なぜその本が選ばれたのでしょうか?気になった本があれば、ぜひチェックしてみてくださいね!

説明は相手ファースト

7月、20代~30代に一番読まれたのは、『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』(ハック大学 ぺそ/アスコム)です。人気YouTuberで外資系金融機関勤務の著者がビジネスの最前線で出会った「説明が上手い人」に共通するテクニックを紹介しています。

たくさん紹介されるテクニックの一つに、相手になかなか納得してもらえない人に有効なメソッドとして"相手の「レベル」と「期待値」に合わせる”というものがあります。

レベルとは「これから説明する内容に対する相手の理解度」のことを指し、相手が理解できる内容だけを説明するのがポイントです。例えば、自社サービスの説明を、社内にするのとユーザーにするのとでは、当然説明する内容は変わってきます。

次に期待値とは、「相手が何を知りたがっているのか」「何が理解できればメリットになるのか」を指します。例えば「コンビニに行きたい」と言われた場合、「コンビニの位置を知りたいケース」と「電池を買いたいケース」とでは対応が異なります。

つい「自分が伝えたい内容をわかり易く整理する」ことばかりに意識向けてしまいますが、説明とは、「説明は相手の理解のために行う」相手ファーストの姿勢が大切です。

説明が上手いと、「仕事ができる」「頭がよさそうだ」「上手くやってくれるだろう」といったポジティブな印象を相手に与えることができます。本書を参考に、説明力を強化してみませんか?話が長いと言われがちな人、説明術を学んだのに上手く行かない人に特におすすめの一冊です。

モチベーションの向上より、低下要因を排除せよ

2位は『こうして社員は、やる気を失っていく』(松岡保昌/日本実業出版社)でした。

社員や部下に能力を最大限発揮させたいと思った時、モチベーションを高めることに目がいきがちですが、本書は「そもそもモチベーションを下げるようなことが起こっていないか」の観点がより重要であると説きます。それは、日常的にモチベーションの低下が起こってしまっては、せっかくの取り組みの意味がなくなってしまうためです。

モチベーションを下げる要因の一つとして、やる気を奪う上司のタイプを複数紹介しています。その中のひとつが、失敗を部下のせいにして自己保身に走る上司。例えば、プロジェクトの遅延について、課長とその部下に向けられた質問や指摘に、「私もそこは言っていたのですが」と自らの保身に走るような上司は、当然ながら部下のやる気を奪っていきます。

管理職の評価は組織の評価と一体なのだから、言い訳で保身することは評価においても逆効果。上司には必要に応じてメンバーを支援し、育成を促す姿勢が必要です。

本書では、上司と部下の関係に留まらず、モチベーションが低下する場面を紹介し、その改善策を提示します。チームメンバーや部下のやる気を引き出したいーーそんなときには本書がきっと役に立つはず。紹介されているあるあるすぎる事例は、これからリーダーになろうとする人にも注意すべきポイントをわかりやすくインプットしてくれます。

読めば勉強したくなる、受験大国の勉強バイブル

3位は、『勉強が面白くなる瞬間』(パク・ソンヒョク、吉川南(訳)/ダイヤモンド社)でした。

本書は受験大国といわれる韓国で45万人に読まれた「伝説の勉強バイブル」の日本語版です。中学校までひたすらサボり続けた著者は、15歳の秋に「心の突然変異」が起き、猛勉強の末、見事に複数の名門大学に合格を果たします。本書はそんな著者の勉強哲学を余すところなく紹介します。

まず、勉強のやる気が出ない人や、結果が出なくてうんざりしている人は、勉強の手を止め、自分の人生について悩んでみようと勧めています。

「自分の人生」と「勉強」は切っても切れない関係にあるので、これから先の人生について、深く悩んだかどうかが勉強のやる気の有無を決めるからです。

勉強に集中できなかった頃の著者は、自分の人生について深く考えたことがなく、その日の楽しみだけを求め、毎日を適当に過ごしていました。

人生とは、一瞬一瞬の「いま何をすべきか」という小さな判断が集まって、1日、1年、と形成されます。この簡単で単純な真理を思い出すだけで、1日1日を大切にしようと思えるはず。

読んだ中高生の実に98.4%が「勉強したくなった」と回答した本書、まずは読んで、「自分の人生」と「勉強」の関係を考えるきっかけにしてはいかがでしょうか?読み終えたらきっとあなたも勉強したくなるはず。

ビジネス書から、ビジネスのヒントを得よう

本の要約サービスflierには、他にも、ビジネススキルを磨きたいときや自分とじっくり向き合いたいときに役立つ書籍が多くそろっています。

7月のランキングでは、『無駄ゼロ、生産性を3倍にする 最速で仕事が終わる人の時短のワザ』(伊庭正康/明日香出版社)や『あなたの強さは、あなたの弱さから生まれる』(小澤竹俊/アスコム)、『ストレス脳』(アンデシュ・ハンセン、久山葉子(訳)/新潮社)などがベスト10にランクインしました。

来月はどのような本が注目を集めるのか、楽しみにしていただければ幸いです。