ビジネスパーソンが“今読むべき本”を厳選し、要約してそのエッセンスを伝える「flier(フライヤー)」。最新のトレンドを学んだり、読みたい本を見つけたりするためのツールとして、累計93万人のユーザーに活用されています。

この記事では、flierを利用する意識の高いビジネスパーソンの中でも特に、20代~30代のユーザーが今、リアルに読んでいる本とその傾向を紹介します。同世代のビジネスパーソンは今、どんな本を読んでいるのでしょうか?なぜその本が選ばれたのでしょうか?気になった本があれば、ぜひチェックしてみてくださいね!

450万部突破の大ベストセラー「バカの壁」

4月、20代~30代に一番読まれたのは、2003年に出版され、平成で一番売れた新書として知られる『バカの壁』(養老孟司、新潮社)。元号が変わってもなお色あせることのない名著です。

  • 『バカの壁』(養老孟司、新潮社)

著者の養老孟司氏によると、「バカの壁」とは、本当は何もわかっていないのに「わかっている」と思い込んでしまうときに存在する壁のこと。その一例として、著者が学生たちに、ある夫婦の妊娠から出産までの様子をまとめたドキュメンタリーを見せたときのエピソードが紹介されています。

ドキュメンタリーを見た女子学生の多くは「勉強になった」という感想を抱きました。一方、多くの男子学生が抱いた感想は「保健の授業で習ったようなことだ」といったもの。

おそらく男子学生たちにとって、そのドキュメンタリーは特に興味のないものだったのでしょう。その結果、無意識に情報を遮断してしまったのです。

興味のない情報から目をそらしてしまうというのは、きっと誰もが無意識にやっていること。もしかすると、あなたの目の前にも「バカの壁」がそびえ立っているかもしれません!

「苦手な家事のリストアップ」で人生がもっと豊かに

2位は『今さら聞けない時間の超基本』(二間瀬敏史/吉武麻子監修、朝日新聞出版)でした。

  • 『今さら聞けない時間の超基本』(二間瀬敏史/吉武麻子監修、朝日新聞出版)

仕事にプライベートに忙しく、自分の人生を生きられていない気がする――。本書はそんなあなたにおすすめの一冊です。

本書によると、暮らしの充実度は「楽しいことに時間をかけて、苦手なことを短時間で効率よく進める」ことでアップします。そのためにまずやるべきは、家事タスクを書き出して、「好き」と「好きではない」に分類すること。

次に「好きではない」家事について、好きではない理由を考え、その家事にかける時間を減らす方法を検討してみましょう。「量が多くて面倒」な食器洗いには食洗機を導入し、「水アカが落ちなくてイライラする」風呂掃除には汚れが落ちやすい洗剤を使ってみるのです。

最後に、自分が好きなことや楽しんでいることを書き出して「楽しみリスト」を作成し、「好きではない」タスクをやめて浮いた時間を「楽しみリスト」の項目に使います。考えただけでもワクワクしてきませんか?

本書を読んで、20代~30代の貴重な時間をより有意義に過ごしましょう!

在宅勤務の「だらだら」をスッキリ解消!

3位は、『セルフコントロール大全』(堀田秀吾/木島豪、ディスカヴァー・トゥエンティワン)でした。

  • 『セルフコントロール大全』(堀田秀吾/木島豪、ディスカヴァー・トゥエンティワン)

5分休憩のつもりが30分になってしまう、約束の時間を守れない、部屋が片付かない……本書はそんな「ずるずる」や「だらだら」を解消できる一冊です。

約束の時間を守る方法として紹介されるのは「運動習慣をつけること」。マッコーリー大学のオートンとチェンが「運動不足の男女24人に2カ月特に何もせずに生活してもらい、その後2カ月間ジムに通ってもらう」という実験を行ったところ、被験者たちは「義務や約束を守るようになる」という結果が出たのです。

実験の結果は意外かもしれませんが、運動によって心身のコンディションが整うことは自然と理解できるでしょう。約束の時間を守りたい人だけでなく、生活習慣を整え、仕事のパフォーマンスを上げたい人にも、運動習慣はぴったりだといえそうです。

本書にはこれ以外にも、よくある「ずるずる」「だらだら」の解決法が示されています。在宅勤務が続く方や五月病が不安な方のお守りとなってくれる一冊です。

ビジネス書から、ビジネスのヒントを得よう

今回も、現在の自分の姿と向き合い、さらなる成長を遂げようとするビジネスパーソンの姿が見えるようなランキングとなりました。

本の要約サービスflierには、他にも、ビジネススキルを磨きたいときや自分とじっくり向き合いたいときに役立つ書籍が多くそろっています。4月のランキングでは、『すごい雑談力』(松橋良紀、秀和システム)や『全米トップ校が教える自己肯定感の育て方』(星友啓、朝日新聞出版)、『心を鍛える』(藤田晋/堀江貴文、KADOKAWA)などがベスト10にランクインしました。

来月はどのような本が注目を集めるのか、楽しみにしていただければ幸いです。