アウトドア総合メーカーのスノーピークは、キャンプフィールドを併設している新潟本社で、総合展示会&カンファレンスイベント「Snow Peak LIFE EXPO 2022」を開催。スノーピークが展開する「衣食住働遊」に関する各事業や、他の企業・団体との取り組みが展示された。

  • 「Snow Peak LIFE EXPO 2022」

7月9日~7月10日の一般向けの開催に先立ち、7月6日~7日に実施されたプレスツアーに参加。今回は今年4月15日にスノーピークが開業した複合リゾート「Snow Peak FIELD SUITE SPA HEADQUARTERS」を紹介する。

総合展示会&カンファレンスイベントの様子はこちら⇒「新潟県三条市のスノーピーク本社に行ってきた! 山井梨沙社長が語るビジョンとは」

サウナーからも注目の自然体験スポット

会場は新潟県三条市中野原の小高い丘陵地帯に立地するスノーピーク新潟本社と、そこに併設する「Snow Peak HEADQUARTERS」。約5万坪の土地に同社直営のストアとキャンプフィールドを有し、複合型リゾート「Snow Peak FIELD SUITE SPA HEADQUARTERS」は、「Snow Peak 未来構想プロジェクト」の第1弾として、今年4月15日に同地で開業した。

  • スノーピークの複合リゾート「Snow Peak FIELD SUITE SPA HEADQUARTERS」

言わずと知れたアウトドアブランドである一方、「衣食住働遊」という人生を構成する5つのテーマを軸に事業展開を進めるスノーピーク。その世界観を凝縮させたスポットだ。

地元の食材を活用した料理を提供するレストランヴィラ、常に自然を感じられる宿泊施設や温浴施設などで構成されている。

  • レストランヴィラ、宿泊施設、温浴施設などで構成される

世界的な建築家・隈研吾氏による設計で、中と外がシームレスにつながっているようなデザインが特徴的だ。

  • "薪"を使った建築がインパクト大

「木材を多用する隈氏の建築物でも"薪"を建材に使ったのは、これが初めて。建材として必要な加工を施しているため、薪ですがコストは掛かっています。実は音響にもこだわりがあり、お風呂やレストラン、湯上がり処、ストアなどエリアごとに音響をすべて変えているんですが、施設内を移動していても違和感なくシームレスに繋がるように工夫しています。自然の中にいるような雰囲気を感じてもらう演出ですね」(スノーピーク担当者、以下同)

温浴施設は日本三百名山のひとつである粟ヶ岳の眺望を楽しめる開放的な露天風呂と内風呂、焚火を囲むような感覚で360度型のサウナヒーターを囲めるサウナを備える。自然との一体感を得られるよう内風呂にはガラス張りの大開口を採用。直接自然に溶け込めるような気分を味わえる露天風呂には約45m2のテラスも設置した。温泉は 100%自家源泉で、泉質は弱アルカリ性単純温泉。効能としては、疲労回復や美肌効果などが期待できるという。

  • ガラス張りの大開口を採用した内風呂

  • 直接自然に溶け込めるような露天風呂

  • 約45m2のテラス!

また、一面ガラス張りのパノラマビューが特徴のサウナエリアは、落ち着きのある雰囲気を演出する黒を基調とするシックな空間に。鮮やかな緑とのコントラストやウィンターシーズンには真っ白な雪とのコントラストなど、四季折々の景色を楽しめる。

  • 一面ガラス張りのパノラマビューが特徴のサウナ

サウナヒーターに採用されているのは、サウナのために生み出された人工石「ケルケスストーン」。遠赤外線効果が高いと言われており、身体の芯から暖まることができる。とりわけ特徴的なのが外気浴で、通常は敷居などで囲われた場所で外気浴をするサウナ施設が多いが、自然に直接包み込まれるような感覚を味わえるのだ。

「もちろん、周囲の地形や自然を生かした設計なので覗かれる心配などはまずありませんが、非常に開放的な外気浴ができます。"サウナ有識者"の協力のもとコンセプトなどを考えており、1面ガラス張りで大自然の景色を見ながら入れるサウナ自体も実は少ないので、サウナーからの注目度も非常に高いです」

自然の中で宿泊や食事も楽しめる贅沢

入浴料は大人の一般料金で1,600円とやや高めの設定だが、タオルセット込みなので手ぶらで気軽に利用しやすい。キャンプ場の利用者はもちろん、地元の人もよく訪れているようで、オープン前からドライブがてら様子を見に来る人もよくいたほど楽しみにされていたようだ。

「近隣には他にも魅力的な温泉施設がたくさんありますので、そういう意味で差別化というわけではないんですが、地元の方々にはお食事も含め、少しリッチな気分で過ごしていただくような施設になっているのかなと思います」

コース料理とアラカルトを選べる「Restaurant 雪峰」と、よりカジュアルに食事を楽しみやすい「Snow Peak Eat」の2つのレストランエリアも併設。温浴エリア同様、フロアの一面を床から天井までガラス張りにすることで、自然をより近くに感じられる開放的な空間で、絶景に包まれながら、食事などを楽しめる。

  • 「Restaurant 雪峰」

  • 「Snow Peak Eat」

「Restaurant 雪峰」のメインフロア奥には、全面ガラス張りのプライベートルームもあり、新緑や雪景色などの風景を一望しながら、大切な人たちと落ち着いた時間を過ごしやすい。一方、テラスのある「Snow Peak Eat」ではピクニックやキャンプのような気分を味わえ、奥の座敷フロアは湯上り処として温浴後の時間をゆっくりくつろげるスペースだ。

隣接する宿泊エリアは「ヴィラ棟」と「住箱 JYUBAKO」からなり、キャンプはややハードルは高いが、自然の中での宿泊体験を通じてキャンプに興味を持ってもらうといったコンセプトになっている。

  • 隣接する宿泊エリアは「ヴィラ棟」と「住箱 JYUBAKO」からなる

ヴィラ棟は「Villa suite/ヴィラ スイート」1棟と「Villa junior suite/ヴィラ ジュニア スイート」2棟の合計3棟を用意。ナラの薪を使った薪屋根など周囲に溶け込むデザインが特徴で、一面ガラス張りのパノラマビューを採用することで、新潟の大自然を四季の変化とともに五感で感じられる。

  • 「Villa junior suite/ヴィラ ジュニア スイート」

内装は名栗フローリングや三条の雪景色をイメージした和紙など、質感のある自然素材を使用。さらにキッチンや洗面所などの水回りにも自然素材を取り入れ、キッチン天板は雪結晶のような表情を持つ石を使い、内風呂は檜風呂となっている。

隈研吾建築都市設計事務所とスノーピークが共同開発したモバイルハウス「住箱 JYUBAKO」は合計4棟。

  • エキスポのブースでも展示されていた「住箱 JYUBAKO」

室内と屋外の関係性にこだわりデザインされた空間で、ヴィラ棟とはまた異なる自然体験が可能だ。外の景色を借景のように切り取るピクチャーウィンドウから、四季折々の自然美をプライベートに楽しむことができる。

「普段とはひと味違うサウナ体験や温浴体験ができて、それに付随して他の体験、お食事やキャンプ、宿泊といった体験がしやすいことが特徴かと思います。次にやってみたい体験をすぐ見られるような仕掛けで、店舗がすべてガラス張りでキャンプフィールドを見渡せ、夜なども他の方がキャンプを楽しんでいる様子を実際に見ることができます。宿泊や入浴されたお客様からは、『いつかキャンプもしに来たい』といった声を実際に多くいただいていますね」

  • 「FIELD SUITE SPA」の宿泊施設として利用されている「住箱 JYUBAKO」の内部