「バケレン」(=バケーションレンタル)ということばをご存じだろうか。もとは欧米で根づいていた旅のスタイルの一つで、ラグジュアリーホテル・高級旅館の予約サイト「一休.com」が日本向けにアレンジし、2016年頃から提案してきたもの。別荘やコンドミニアム、ヴィラ、古民家、町家などの空間を貸し切りし、プライベートな旅を楽しむことなのだそう。
特別な立地でまるでその土地に暮らしているように過ごせたり、BBQやキッチン付きの宿で料理をしたり——いつもとはひと味違う新しい旅のスタイルとして人気が高まっている。大人数で予約すれば一人あたりの料金がお得になるほか、いっしょに過ごしていながらもそれぞれのプライベート空間を確保できるのが魅力なのだとか。画一的なサービスではなく、宿泊者の希望に合わせたパーソナルなおもてなしが受けられるよさもある。
長野県・白馬のスノーピークがプロデュースしたグランピングへ
そんなバケレンの一つ「グランピング」(グラマラス+キャンピングを組み合わせた造語で、気軽にキャンプが楽しめる体験)を「Snow Peak FIELD SUITE HAKUBA KITAONE KOGEN」(長野県北安曇郡白馬村)で体験してきた。実は筆者、グランピング自体が初めて。大自然の中でキャンプをしているにもかかわらずホテルのようなおもてなしの数々に「いきなりすごいところに来てしまった」と驚きの連続だった。
場所は、北アルプスや白馬の山々を目の前に望む標高1,200mの白馬八方尾根「北尾根高原」。アウトドアメーカーのスノーピークがプロデュースする、宿泊料金に滞在中のアクティビティ(一部を除く)、食事、ドリンク、長野駅からの送迎などすべての体験を含んだオールインクルーシブスタイルのアウトドア宿泊施設だ。宿泊料金はひとり1泊7万7,000円~(1室2名で利用の場合)。総敷地面積1万5,000m2に宿泊者は最大でも17名のみ、宿泊者以外は敷地内に入れないため、密とは無縁の旅を楽しむことができる。
テントの中はホテルのような快適空間
いざテントへ。施設内の移動は、かっこいいバギーに乗せてもらえる。
到着! こちらが宿泊したテント。
テント内に入ってみると、キャンプ感はたっぷりなのにキャンプとは思えない快適空間が広がっていた。
まず電源や水道、Wi-Fiがある。ストーブや空調機器を備え、暑さにも寒さにも対応。
アメニティはホテル並みで、温泉に行くときなどに使えるエコバッグや「ラ・カスタ」のスキンケア・ヘアケアセットなどが備えられている。本当にここはテントの中なのか! 殺虫剤やクマ撃退スプレーはアウトドアならでは。
蚊帳で虫から守られたふかふかのベッドには、着心地のいいパジャマが。寒さ対策の電気毛布まで忍ばせてある。
キャンプで心配なトイレも、テントごとに用意されている徹底ぶり。
温泉もプライベート空間で楽しむ
マウンテンリゾートの醍醐味、温泉もプライベートに。「高原の露天風呂」は時間予約制でテントごとに貸し切りとなるため、他の人を気にすることなく"美肌の湯"と呼ばれる白馬八方温泉を堪能できる。
外には雄大な北アルプスを望む温泉の足湯も。絶景を前に心が解放される。