年金生活は人ぞれぞれですが、悠々自適に過ごしている方もいるでしょう。年金生活に入った方は、毎月いくらのお小遣いを受け取っているのでしょうか。マイナビニュース会員に対して行ったアンケートなども踏まえて、お小遣いの相場について解説します。

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■60代のお小遣いの相場はいくら?

一般的に、60代のお小遣いは月額3万円前後と言われています。2021年に60代のマイナビニュース会員を対象に行ったアンケートでも、最も多い回答は「2万円以上~3万円未満」(19.2%)。次いで「1万円以上~2万円未満」(13.7%)、「お小遣いはない」(13.0%)、「4万円以上~5万円未満」(12.2%)、「3万円以上~4万円未満」(10.7%)、「5,000円以上~1万円未満」(10.0%)、「10万円以上」(6.7%)と続きました。

お小遣いの主な使い道の上位は「趣味・レジャー」「交際費(ランチ・飲み会)」「嗜好品(たばこ・酒)」「菓子・スイーツ」「衣服・靴・バッグ・アクセサリー」となっています。

同時期に行った40代へのアンケート結果と比べると、60代のほうがお小遣いの金額はやや多く、仕事や子育てが一段落して、プライベートを楽しむ様子が伺えます。

※参考記事
60代のお小遣い、最も多かった金額は?

  • 「あなたの月のお小遣い額(生活費などを除く自分で自由に使えるお金)はいくらですか?」※2021年、60代のマイナビニュース会員を対象に行ったアンケート調査結果より

■年金生活になったらお小遣いを減らす世帯も

趣味や仲の良い友達との交流を楽しむ方がいる一方、年金生活で家計を引き締める世帯も見られます。お小遣いを減らす方もいるようで、その理由は下記のとおりです。

●会社に勤務していた頃の出費が不要になる

年金生活に入れば、会社に勤めていた頃の昼食代や飲み代などを支払う必要はなくなります。たとえば退職前は毎月20日間勤務していて、昼食は1回800円だったとすると、16,000円をカットできます。

●年金だけでは足りず今後の生活が不安

多くの方は、老後の生活費を公的年金だけで100%まかなうことは困難です。よって退職金やこれまでの貯蓄を取り崩すことになるため、将来を不安に感じる方は多く見られます。

今後の生活に不安を感じるので、家計のダウンサイジングをするようになり、お小遣いもターゲットになるということです。

■お小遣いに加えて自分で稼ぐ

家計の将来の状態が心配なのはわかるけど、お小遣いが減らされるのは困る! と感じる方も多いでしょう。老後も稼ぐことで、お小遣いの減少をカバーすることを考えるのも良いのではないでしょうか。現在は定年を迎えても元気な方はたくさんいます。

シニア向けとして、以下のような稼ぎ方が考えられます。

・再雇用で勤務
・シニア向けアルバイト(清掃・警備など)
・シルバー人材センターに登録
・クラウドソーシング・ギグワークで稼ぐ
・資産運用や不動産投資などで収入を得る

クラウドソーシングとは、企業や個人事業主が不特定多数の人に業務をアウトソーシングするプラットフォームです。シニアでも登録して、事務作業・執筆・デザインなどで稼ぐことができます。

ギグワークはネットで単発・短時間の仕事を請け負う、組織に所属しない働き方です。家事代行や講師など特技を活用して稼げます。

なお老後のお小遣い稼ぎとしてポイントサイトが挙げられることもありますが、筆者はおすすめしません。簡単にできるゲームなどは稼げる金額が非常に少なく、効率よく稼ぐにはクレジットカードの発行や証券会社の口座開設、買い物などの案件をこなす必要があるからです。

場合によってはポイント欲しさのあまり、浪費が増えてしまう恐れもあります。働いた方が効率よく、継続的に稼げるでしょう。

■夫婦で家計状況を共有して話し合うことが必要

60代のお小遣いは一般的に3万円前後で、プライベートを楽しんでいる方は多く見られます。その一方で年金生活に入って先行きが不安なため、お小遣いを減らしたいと考える方も多いようです。

しかし「今月から2万円減らす」などと急に理由もなく告げるのは適切ではありません。家計の状況を夫婦で共有・理解し、なぜ減らさなければならないのかを双方とも納得したうえで決めることが大切です。常日頃から、家計について話し合える関係を構築しておくことが重要でしょう。

また家計に一定の余裕がある場合でも、浪費が多いと先々困ったことになるリスクがあります。お小遣いも含め、家計に問題がないかを常にチェックしながら暮らすのが望ましいです。