女優の伊藤沙莉が、8月20日に放送されるNHKの特集ドラマ『ももさんと7人のパパゲーノ』(総合 23:00~23:59)で、NHKドラマ初主演を務めることが1日、発表された。

伊藤沙莉

伊藤が演じる主人公は、「死にたい」気持ちを言葉にできず、毎日を過ごしている都内で働く25歳・もも。それぞれに生きづらさと折り合う7人と出会い、自分を肯定していく1週間の物語だ。

ももが出会う7人は、死にたい気持ちを抱えながら、その人なりの理由や考え方で“死ぬ以外”の選択をしている人=パパゲーノ。オーストリアのメディア研究では、こうした経験を持つ人のストーリーを伝えることが、自殺を思い留まる抑止力になることが示され、オペラ「魔笛」の登場人物に準え「パパゲーノ効果」と呼ばれている。

「もも」という名前は、NHKが運営するサイト「自殺と向き合う」に、日々寄せられる「死にたい」「生きるのがつらい」という投稿の中で、最も多く使われるニックネーム。本作では、主人公・ももの人物像や、ももが出会う「7人のパパゲーノ」たちの生きざまを、寄せられた投稿や、当事者の方々への取材を元に描く。

共演には、染谷将太、山崎紘菜、中島セナ、橋本淳、野間口徹、平原テツ、池谷のぶえ、堀内敬子、浅野和之が決定している。

主演の伊藤沙莉、脚本の加藤拓也氏、演出の後藤怜亜氏がコメントを寄せた。

■伊藤沙莉

今その場に立っているのがやっとだったり 立っていられることがむしろきつかったり逃げ出したくなる、消えてしまいたくなる瞬間はあります。
きっと誰にでも大小問わずあると思います。
そう言う時に背中を押したりとか、喝を入れたりとか
そういうことじゃなく、ただ寄り添えたら、少しでも、1人じゃないって
思えたら、少しは、本当にほんの少しは、楽になれるんじゃないか。
なってほしい。
そう言う気持ちがありながら やり方がわからない無力さや不甲斐なさから また同じループに陥る。
そんな時、巡り会えた作品だと思いました。
ふっと差し込まれた時、差し込まれそうな時、この作品を観て元気とかそういうのはまず置いといて
なんとなくでいいから人生に対して続けてみようとか 楽しいのかもしれない、気になる、とか
そう言う気持ちが生まれることを祈りつつ 真摯に向き合い、挑戦したいと思います。
1人でも多くの方々に届くことを願っています

■加藤拓也

とくによくある日々ととくによくない日々が半分半分くらい、つまりフィクションなようで、フィクションじゃなさそうな所が半分半分くらい存在している作品になりそうです。
監督はドラマ初監督らしいので、では折角なので好きなようにしてくださいとお伝えします。
ここで。
良い作品になるといいなと思ってオンエアの日を待っています。

■後藤怜亜

普段は福祉番組を制作しています。
5 年半の間、「死にたい」「生きるのがつらい」という気持ちを抱える方々のお話を聴かせて頂き、一緒に過ごしてきました。その人なりの理由や考え方で“死ぬ以外”の道を歩む人たちのライフストーリーには、つらい状況にある方を思いとどまらせる抑止力“パパゲーノ効果”があるとされていますが、長く苦しい夜を幾度も越えてきた人たちの言葉にずっと助けられてきたのは、他でも無い私自身です。
独り占めにするにはあまりに豊かでかけがえのない、その人たちと共に生きる時間を、ドラマというかたちで共有したいと思い至りました。脚本の加藤拓也さん、素敵なキャストの皆さん、フィクションとノンフィクションを跨ぐ制作チームの総力で、嘘のない物語を目指しています。

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