JR東海は、2022年度の重点施策と関連設備投資について発表した。東海道新幹線においてN700Sを追加投入し、在来線においても315系の追加投入や新型特急車両HC85系の営業運転開始などの施策を盛り込んだ。

  • 中央本線で営業運転を開始した新型車両315系

東海道新幹線ではN700Sを13編成追加投入するほか、既存のN700Aタイプに対し、N700Sの一部機能を追加する改造工事を進める。在来線では、ハイブリッド方式を採用したHC85系を58両、315系を56両投入する。

設備面では、新大阪駅20番線ホームでの可動柵設置工事を進め、同駅のすべての新幹線ホームへの可動柵設置を年度内に完了させる。在来線でも名古屋駅の東海道本線下りホームへ可動柵設置を進めるとともに、扉に貼ったQRコードをホーム上のカメラで検知し、車両扉の開閉とホーム可動柵扉の開閉を連動させるシステムの導入に向けた準備を行う。

  • 新型特急車両HC85系(写真右)。既存のキハ85系を置き換える

  • 東海道新幹線ではN700Sの追加投入が進む

中央新幹線計画については、引き続き測量・設計と用地取得、土木を中心とした各種工事を推進。このうち都市部トンネルについては、シールドマシンによる本格的な掘進を開始する。南アルプストンネル静岡工区については、「国土交通省主催の有識者会議の中間報告を踏まえ、地域の理解と協力が得られるよう、真摯に対応する」とした。

超電導リニア技術のブラッシュアップにも取り組み、高温超電導磁石の営業線への投入に向け、走行試験と検証を実施する。改良型試験車による超電導リニアの体験乗車も実施する。

営業施策の強化にも取り組み、車内と駅のビジネス環境整備を推進するとともに、「ずらし旅」など利用者の動向やニーズをとらえた施策を展開する。東海道新幹線のネット予約をより多くの人に利用してもらうため、EXサービスの利便性を向上させるとともに、2023年夏の「EX-MaaS(仮称)」のサービス開始に向けた準備を進める。あわせて沿線のホテルや観光プランなどの各種コンテンツにリンクするポータルサイト「EX旅のコンテンツポータル」の内容を充実させ、販売促進を実施する。