「時は金なり」とは「時間はお金と同じく価値があるのだから、無駄に過ごすことなく有効的に使うべきである」という意味の表現です。貴重な時間を無駄にすることなく、時間の使い方を有意義なものへと変えるための戒めの言葉となっています。

本記事では「時は金なり」の意味や使い方、言い換えなどを解説します。

  • 時は金なりの意味

    「時は金なり」について解説します

「時は金なり」の意味

「時は金なり」とは「時間はお金と同様に大切であるから、無駄にしてはならない」という意味の言葉です。時間の尊さをあらわすことわざであり、時間はお金で買えないものであるという意味ではありません。

時間はお金と同じく大切なもの

「時」は目にみえるものではないため、つい無駄に過ごしてしまったり、価値のあるものであることを忘れてしまったりします。そこで、誰しもが日常的に使うもので、かつ目にみえる「金」と並べて述べることで、時間はお金と同じく価値のあるものであることを表現しているのです。

読み方

「時は金なり」は「ときはかねなり」と読みます。金はお金をあらわしているため、「きん」ではありません。

由来

「時は金なり」の由来は英語の「Time is money」です。カタカナ表記の「タイムイズマネー」として同じ意味で使われる場合もあります。「Time is money」はアメリカの政治家であるベンジャミン・フランクリンが残した言葉からきています。彼の功績や名言は後世まで伝えられており、アメリカの100ドル紙幣の肖像にもなっているほどです。

  • 時は金なりの意味

    時は金なりとは時間を無駄にしてはいけないことです

「時は金なり」の英語表現

「時は金なり」の英語表現はベンジャミン・フランクリンが残した言葉「Time is money」です。日本語の「時は金なり」と同じ意味としても使われますが、本来は少し異なる意味を持っていると解釈される場合があります。

彼が意味するところの「Time is money」は、「機会損失」を表現しています。

機会損失とは利益を得る機会があったにも関わらず、異なる選択肢を選んだために本来得られたはずの利益を得られなかったことを意味します。たとえば、企業において特定の商品に需要があって売れる状況にも関わらず、商品の品切れ状態を作り出してしまった場合、需要の分だけ利益を上げる機会を損失したことになります。

フランクリンは、利益を得られるはずだった時間を有効的に使わず無駄に過ごすことは、利益の損失につながると指摘しています。本来の「Time is money」は時間が大切であること以上に、利益の損失を回避する経済的な考え方を意味しているのです。

  • 時は金なりの英語表現

    時は金なりの英語表現は「Time is money」です

「時は金なり」の言い換え表現

「時は金なり」と同じく、時間の貴重さを意味する言葉もいくつか存在しています。「時は金なり」に代わって言い換えできる言葉について解説します。

時は得がたくして失い易し

「時は得がたくして失い易し(ときはえがたくしてうしないやすし)」とは、「機会は何度も巡ってくるわけではなく、油断しているとすぐに過ぎ去ってしまう」という意味のことわざです。

時間を無駄にしではいけないというニュアンスは「時は金なり」と同じですが、「時は得がたくして失い易し」には「いい機会を逃さないため」という理由が表現されています。

一寸の光陰軽んずべからず

「一寸の光陰軽んずべからず(いっすんのこういんかろんずべからず)」とは、「わずかな時間も無駄にしてはいけない」という意味のことわざです。一寸とはわずかなことを意味し、光陰は時間や年月をあらわしています。

「時は金なり」と同じく「時間を無駄にせず、時間の使い方を有意義なものにしなければならない」という教えが含まれています。

歳月人を待たず

「歳月人を待たず(さいげつひとをまたず)」とは、「時間や年月は人の都合に関わらず、刻々と過ぎていくものであるため、時間を無駄にしてはならない」という意味です。

「時は金なり」には時間を無駄にすることのないように戒める意味が含まれていますが、もともと「歳月人を待たず」には「時間は待ってくれないのだから、心ゆくまで楽しみなさい」という意味あいがあります。ただし、実際には「時は金なり」と同じような戒めの意味で使われることがほとんどのようです。

一刻千金

「一刻千金(いっこくせんきん)」とは「わずかな時間がとても貴重である」という意味の言葉です。「一刻」はわずかな時間のことで、「千金」は価値の高いことをあらわしています。大切な時間や楽しいひとときはすぐに過ぎてしまうことから、それらを惜しむ表現です。「時は金なり」は戒めですが、「一刻千金」は楽しい時間を惜しむ意味で使われます。

  • 時は金なりの言い換え

    時は金なりは「時は得がたくして失い易し」などに言い換えられます

「時は金なり」の使い方

「時は金なり」は時間を無駄にしていることを指摘したり、自分を鼓舞したりするための言葉として使われます。「時は金なり」の使い方について解説します。

悩んでいる人を励ます

「時は金なり」は悩んで立ち止まっている状況の人に対して、行動を促したり、励ましたりする場合に使える表現です。悩んでいると時間がすぐに過ぎ去ってしまい、行動を起こすきっかけもなくなってしまう可能性があります。

・時は金なりなのだから、簡単なことから実行してみよう
・失敗してもやりなおせるのだから、まずは一回やってみよう。時は金なりと言うだろう

ビジネスシーン

ビジネスシーンでは、時間を無駄にせず有効的に使いたいもの。行動を起こさなければ、ベンジャミン・フランクリンがいうように、本来得られるはずだった利益も失ってしまうかもしれません。

・プロジェクトが失敗に終わり途方に暮れていた彼だが、時は金なりと新たな戦略を立て始めた
・定時内に自分の業務を終えた彼は、時は金なりとばかりにチームメンバーの仕事を手伝っている
  • 時は金なりの使い方

    時は金なりは悩んでいる状況で使えます

「時は金なり」は時間を無駄にしてはならないこと

「時は金なり」は時間はお金と同様に大切であること、つまりは時間を無駄に使わないようにという教えを意味することわざです。時間は目にみえないものであるため、お金を引き合いに出して時間の貴重さを訴えているわけです。

由来は英語の「Time is money」ですが、本来は「機会損失」という意味も含まれています。悩んで立ち止まっている人を励ます際や、ビジネスシーンなどで使う機会の多い表現です。意味を正しく理解して、的確に使うようにしましょう。