女優の波瑠が主演を務めるテレビ朝日系新ドラマ『愛しい嘘~優しい闇~』がきょう14日(毎週金曜23:15~※一部地域除く)にスタートする。“登場人物が全員嘘つき!?”という今作は「Palcy(パルシィ)」で連載されている愛本みずほ氏の漫画『愛しい噓 優しい闇』を実写化したもので、中学卒業から14年ぶりに開催された同窓会をきっかけに起こる同級生連続不審死事件を描いた本格ラブサスペンス。将来に思い悩むマンガ家アシスタント・主人公の今井望緒を波瑠が、彼女の初恋の人・雨宮秀一を林遣都が演じるほか、同級生役には溝端淳平、本仮屋ユイカ、黒川智花、新川優愛と同世代の役者たちが勢ぞろいした。

今回は波瑠に「こんな王子様のような方なかなかいない」という林や共演者の印象から、マンガ好きとして大事にしている原作へのリスペクト、30歳を前に持っていた悩みとその行方について話を聞いた。

  • 女優の波瑠 撮影:泉山美代子

    女優の波瑠 撮影:泉山美代子

――今作では同世代の役者さんたちと「同級生役」を演じますが、どんな思いがありますか。

10年以上前から共演経験のある林遣都さんをはじめ、昔から知っている役者さんたちと力を合わせて取り組む作品ということで、成長した姿を見せたいですし、皆で一緒にいろいろなものを乗り越えていきたいです。本仮屋ユイカさんや黒川智花さんは同世代ですが、役者としてはベテランの先輩。「頑張るぞ」という緊張感と、「頼もしいな」という思いがあります。

――先程、溝端淳平さんにインタビューした際に現場での波瑠さんの印象を伺ったのですが「どっしりされていて、慌てない方」だと仰っていました。

ふふふ(笑)。いいふうに捉えてくれていますが、実際は「ふてぶてしい奴だな」と思っているかもしれません(笑)。溝端さんはとっても気遣い屋さんで、現場でもいろんなことに気付いてくださる方。私は集中しているとまわりが見えなくなるタイプで、頭の中はいつも「自分の仕事をしっかりやらないと!」と忙しいのですが、そう見えているなら良かったです。

――現場でのムードメーカー的な存在はどなたですか。

私の中では本仮屋さん。笑顔とかわいらしい声で誰にでも分け隔てなく話しかけていて、現場をまとめてくれます。私も助けられている、有り難い存在です。

――波瑠さん演じる望緒の初恋の人・雨宮を演じる林さんの印象を教えてください。

落ち着きがあって物腰が柔らかくて、何でも受け止めてくれる深い懐を持っているように見える方です。サスペンスをやるからには「林遣都のいけないところも知りたいなぁ」と思いながらいつも話しているんですけど、本当にぶれなくて。どこまでいっても素敵な方です。

――“いけないところ”はなさそうでしょうか。

とてもニュートラルで、裏表のない方なんです。でもあのキレイな瞳に見られていると、こちらが見透かされているような気がして、嘘をつけないと思っちゃいますね。謎めいて見えます。

――雨宮にぴったりですね。

本当にぴったり! こんな王子様のような方、なかなかいないですからね。

――今作が発表されたときのコメントでは「原作マンガのファンの方もたくさんいらっしゃるので、世界観を壊さないように演じなければ」と仰っていました。マンガ好きの波瑠さんとしては、いつも心がけているポイントなのでしょうか。

原作マンガと、実写化された映画やドラマは別物だという前提があったとしても、そもそも存在しているものに手を加えて作っているということを忘れてはいけないと思っています。そして、絶対に原作マンガのファンの方を置いていってはいけない。だから「原作には到底及ばないかもしれないですが、私なりに愛情を持ってこの作品に向き合います」という“心意気”だけは、いつも必ず持っています。

――原作とファンへのリスペクトは忘れない、と。

リスペクトは絶対にあります。今回は、演じる上で展開を知らないほうが良いということで原作マンガを読むことを中断してしまって……続きがすごく読みたいです!(笑)ドラマが終わってからの楽しみにしています。

――役者さんならではの苦しみですね(笑)。望緒を演じていて楽しいところがあれば教えてください。

望緒はマンガ家でアシスタントでもあるという役どころですが、撮影のためのセットで作り物でも、マンガ家さんの職場やアトリエみたいな場所にいるだけで、マンガ好きとしてはすごく胸に来るものがあるんです。小道具を見ながら「これ、マンガの“裏話”のページで見たことのある定規だ! 羽根のペンだ!」って。今はマンガもデジタルなんですね! パソコンでカチッと操作したら、男性キャラクターの真っ白なコートにファッと一気に柄がついて!「何この楽しい作業!」と夢中になりました。