25年前に大人気を博した伝説的作品『ウルトラマンティガ』の系譜を受け継いだウルトラマンシリーズ最新作『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』が、いよいよクライマックスに向けていっそう大きく盛り上がりを迎えている。

  • 左から豊田ルナ、寺坂頼我、金子隼也 撮影:宮田浩史

プロフィール
寺坂頼我(てらさか・らいが)。1999年生まれ、岐阜県出身。2014年、名古屋を拠点に活動するボーイズグループ「BOYS AND MEN」の研究生メンバーとしてデビュー。2017年、研究生から選抜されたユニット「祭nine.」が発足し、リーダーを務める。ライブ、舞台、テレビで活躍を続ける中、2021年『ウルトラマントリガー』の主人公マナカ ケンゴ役に抜擢され、さらなる飛躍を目指す。
豊田ルナ(とよだ・るな)。2002年生まれ、埼玉県出身。5歳から子役としてNHK『花燃ゆ』『八重の桜』など数々のテレビドラマに出演。「ミスマガジン2019」で3023人の中からグランプリに輝き、アイドル・女優として活動を始める。『ウルトラマントリガー』ではヒロインのシズマ ユナ役と、超古代人の巫女ユザレの2役を演じる。
金子隼也(かねこ・しゅんや)1999年生まれ。、神奈川県出身。中学時代にNHK「大!天才てれびくん」のてれび戦士で芸能界入り。その後モデル活動などを経て、今作『ウルトラマントリガー』ヒジリ アキト役でドラマデビューを果たした。現在、2022年卓上カレンダーも好評発売中。

本作の主人公マナカ ケンゴはウルトラマントリガー最強の形態「グリッタートリガーエタニティ」の力を使いこなすことが叶った。GUTS-SELECT隊員シズマ ユナは、自身が超古代の巫女ユザレの末裔だという事実を受け入れ、たくましく成長していく。そしてGUTS-SELECT技術開発担当のヒジリ アキトは幼なじみのユナ、そしてケンゴと幾度も危険な状況をくぐりぬけたことにより、2人との絆がいっそう深まった。

すでに撮影は9月にクランクアップを迎えたが、『ウルトラマントリガー』オンライントークイベントを開催するためGUTS-SELECTメンバーが再結集を果たした。ここではウルトラマントリガーに変身するマナカ ケンゴ役・寺坂頼我、ヒロインのシズマ ユナ役・豊田ルナ、2人の頼もしき仲間ヒジリ アキト役・金子隼也の3人にインタビューを行った。役を離れても仲のいい3人による、『ウルトラマントリガー』エピソードで心に残った出来事や、今だから話せる撮影初期での失敗談、それぞれ初対面と現在との印象の変化など、チームワーク抜群なトーク合戦のようすをお楽しみいただきたい。

――本日はオンライントークイベントのためにGUTS-SELECT隊員のみなさんが集まられているそうですね。全員集合はいつ以来ですか。

豊田:みんなでこうやって集まったのは……。

金子:一ヶ月半ぶりくらいですかね。

寺坂:9月にクランクアップしたから、それ以来なんです。

豊田:まだ一ヶ月半なのに、ずいぶん久しぶりって感じ。

寺坂:撮影していた半年間は、もう家族以上にみんなでずっと一緒に過ごしていたから。

豊田:本当に、濃密な毎日でした。

寺坂:久しぶりにみんなと会って、どんな気持ちになるんだろう?って思ってたんですけど、みんな変わってないな~よかった!みたいな安心感がありましたね。

豊田:ただ会うだけじゃなくて、今日はGUTS-SELECTの制服を着ているから余計に、みんなが集まったときのテンションが高いですよ。

金子:朝から1人ずつ集まってきて、そのたびにマシンガントークが止まらなかった。

寺坂:クランクアップの日から今日まで、たまってた話題があったしね(笑)。

――初期エピソードではいつも明るく元気なケンゴがじゃれついてきて「ウザい」と拒否するクールなアキト、という2人でしたが、第14話「黄金の脅威」ではそんなやりとりが定番化し、ユナが「はいはい、イチャイチャしない!」と微笑みながら声をかけるシーンがあるなど、3人の距離がかなり縮まった印象ですね。

豊田:SNSでも、あの「イチャイチャしない!」にたくさんの方がツッコんでましたね(笑)。

金子:ねー(笑)。

豊田:あのセリフって、台本に書いてあったんですよ。この段階で、公式にケンゴとアキトのイチャイチャが認められてるんだ~って、読んだときに感じ取りました。

寺坂:アキトがツンデレなんだよね(笑)。

豊田:ユナの目から見ても、2人はいいコンビだなって思います。

――役を離れたみなさんも、とてもいいチームワークですね。撮影に入ったときからもうこんな感じなのですか?

金子:最初のときは、ぜんぜん違っていました。3人とも人見知りするほうなので、誰もしゃべっていなかった。

豊田:見事に黙ってたよね(笑)。

寺坂:今じゃ考えられないくらいだね。みんな大人しかった。でも撮影が始まり、GUTS-SELECTのみんなと芝居をするようになったら、わりとすぐ打ち解けることができました。

金子:徐々にですけど、みんなと話をするようになっていきましたね。普段の仲の良さって、やっぱりテレビ画面を通して視聴者の方たちにもわかるんじゃないかと思うんです。この2人が仲間でいてくれてよかったですよ。役を離れたプライベートでもよい関係性が築けているなあって実感するんです。頼我がケンゴでルナがユナじゃないと、こんな和気あいあいとした雰囲気は出せなかったんじゃないかと。

豊田:うれしい! 私もアキトがアキトでよかった!

寺坂:アキト最高!

金子:……なにこの流れ(笑)

豊田:お互い、ちょっと照れちゃって(笑)。

――『ウルトラマントリガー』放送前半を振り返って、撮影時の忘れられない出来事があったら教えてください。

豊田:忘れられない出来事はいっぱいありすぎて、絞るのが大変なんです。前半エピソードとしては、ケンゴがトリガーだとユナが知る第12話「三千万年の奇跡」での演技が印象に残っています。重大な秘密を聞いて、驚くユナの気持ちをどう表現しようかいろいろ考えました。ユナちゃんなりに、今までケンゴに苦労かけて申し訳ないなって思いもありましたしね。あのシーンを撮ったときは悩みつつも、体当たりでぶつかっていこうと覚悟を決めました。ユナがケンゴを心配する気持ち、優しさが表現できていればいいなって思いました。

寺坂:僕の思い出のシーンは第4話「笑顔のために」。超古代遺跡の発掘現場でケンゴがユナと会話しているところです。

豊田:野外ロケで、みんな制服の上にMA-1(ジャケット)着てたときだね。

寺坂:ワンシーン撮影したあと「場所移動します」ってなってとき、ふと椅子を持ったら「あれっ?」って。椅子のどこかで指を切ったらしくて、血がポタポタ出てきたんですよ。これがきっかけになって、スタッフさんから頼我は椅子を運んじゃいけません=「椅子禁止」って言われて(笑)。すごく情けないことになってしまったんです。

金子:別の回でも、ロケ中はケンゴだけ椅子とか荷物とか、運んじゃダメだって言われてたよね(笑)。

豊田:キャストも機材とか運ぶの手伝うのは当たり前なんですけど、ケンゴだけは何も持っちゃダメ!って言われてたんです。

寺坂:ケンゴがGUTSスパークレンスを掲げて変身するため、手元は大事ですから……。

金子:毎回の見せ場だもんね。

寺坂:ちょっと悔しさはありましたね。椅子でケガさえしなければ(苦笑)。アキトも忘れられないエピソード、あるでしょ。

豊田:あれの話してほしいなあ。

金子:じゃあします(笑)。クランクインしてから3日か4日目くらいのときなんですけど、第2話「未来への飛翔」でアキトがケンゴのGUTSスパークレンスを手にしながら「変形するのはお前のGUTSスパークレンスだけだ」と語るシーンがあるんです。そのとき、僕がGUTSスパークレンスを開くんですが、段取り~テストのときは問題なく開けたんですよ。でも、本番一発目で、なぜか「反対側」を開こうとして……。

豊田:GUTSスパークレンスをなぜか反対に持って、開かないほうを開こうとしたんだよね。

金子:そのときのGUTSスパークレンスって、小道具さんが作ってくださった一点ものだったんです。撮影前に「これ、ラスト一個だから壊すなよ」なんて言われて、僕も「壊すわけないじゃないですか~」なんて返事してたのに、本番でいきなりボキッと(笑)。

寺坂:あの音聞いたとき、怖かった(笑)。

豊田:けっこう大きな音だったよね。

金子:根本から折れたため、撮影が止まってしまいました。

豊田:あのとき、スタッフさんが誰もアキトに声かけなくて、空気が重かった……。

金子:撮影が始まったばかりで、現場の空気もわからない。あのときはもう「ヤッベー!」と思って、慌ててひたすら「すみません! すみません!」って。

豊田:私は遠巻きに2人の様子を見てて「あっ、やった……」と思っていました(笑)。

寺坂:僕もアキトの真横で「やった……」と(笑)。

豊田:まさに顔面蒼白って言葉がピッタリの、魂が抜けた顔してた。

金子:後になってスタッフの方たちから「あのとき大丈夫だよ!なんて優しく接して、場を和ませたりすると、気が抜けてしまう恐れがあった。だからあえて放っておいたんだよ」って話してもらえました。愛のある接し方だったんだなって後から気づきました。

寺坂:あの重~い空気を乗り越えて、今ではもう笑い話にまでなったんだから、よかったよね(笑)。