ひたすら蟹を食べることは、食いしん坊の夢。それが1人だろうが、とことん蟹を食べたい!蟹好きなら、一度はそう思ったことがあるのではないでしょうか?

  • 星野リゾート 界 加賀で「ひとり蟹会席」を満喫する旅

さまざまな一人旅を提案する星野リゾートでは、コロナ禍をきっかけに「ひとり蟹会席プラン」が誕生。ずわい蟹漁解禁後の2021年11月7日~2022年3月10日まで、約4ヶ月に渡って楽しめます。

今回は石川県の「界 加賀」で、1泊2日の「ひとり蟹会席プラン」を体験。高揚感と背徳感が同時に押し寄せる、いまだかつてない、人生最ッ高の蟹体験でした……!!

おいしい蟹を求めて、北陸の「界 加賀」へ!

  • 1624年創業の老舗旅館「白銀屋(しろがねや)」をリノベーションした建物

今回ご紹介する「ひとり蟹会席プラン」は、2020年からスタートした新プラン。コロナ禍で“一人旅”を提案する星野リゾートが生み出した、いま注目の美食旅です。スタートしたのは2020年から。大好評だった昨年に続き、2021年は待望の2回目となります。

星野リゾートでは、石川県の「界 加賀」と島根県の「界 出雲」の2施設で楽しめますが、今回訪れたのは山代温泉にある「界 加賀」。

有形文化財にも指定された「本館」は、歴史ある加賀伝統建築を活かした造り。べんがら色の格子と赤い壁が目を引きます。

叩いて時を知らせる「木魚」は、界 加賀の前身である「白銀屋」時代に使われていたもの

のれんをくぐると、風情あるお庭が目に飛び込んできます。

到着した時間帯は雨でしたが、しっとり雨に濡れた雰囲気もまたステキ!

普通、旅先で雨が降るとがっかりしてしまいますが、「界 加賀」は“雨が似合う”風情ある旅館。雨に濡れることで、緑のお庭が魅力的に輝きます。

  • 7mの水引アートが印象的なフロントロビー

そして、フロントロビー前でゲストを出迎えてくれるのは、ふわふわ揺れる水引細工のアート。こちらは、水引作家の廣瀬 由利子さんが手掛けた「光降る」という作品で、白い水引は上にいくほど、どんどん大きくなっていくんです。

人の手がつむいだ「加賀の水引細工」が、こんなにも可愛らしく幻想的に……!「界 加賀」は蟹を食べる楽しみだけでなく、加賀の伝統工芸に触れたり、見る楽しみもあります。

魯山人が残した作品を楽しむ

  • 座りながら魯山人の作品を眺められるミニギャラリーコーナー

宿の前身「白銀屋」は、北大路魯山人が愛した宿。魯山人自ら好んでこの宿に逗留し、作陶したと言います。

ロビーの一角には、ゆったり座って魯山人の陶芸とお庭を眺められるミニギャラリーも!ガラスケースの中には、魯山人が「白銀屋」に残した数々の作品が飾られています。

磨かれた“本物の美”を間近で眺めて、ほっとひと息……。ひとりで心を刺激させるのにぴったりです。

  • 魯山人直筆の「いろは屏風」

陶芸だけでなく、書でも才能を発揮した魯山人。トラベルライブラリーには、スケールの大きな魯山人の書が飾られています。

好きな本片手にコーヒーを飲んで、魯山人の作品を静かに眺める。「界 加賀」で過ごす時間は、優しくて、落ち着けて。ほどよく感性を刺激してくれます。

築約200年上の茶室を一人で貸切に!

  • 茶庭の奥にある、登録有形文化財に登録された茶室「思惟庵」

トラベルライブラリーから望む庭先には、築約200年の伝統建築を修復した茶室「思惟庵」があります。ここは、2016年に国の登録有形文化財にも登録されました。

「界 加賀」では、実はこの貴重なスポットを、なんと一人で貸し切りにできるんです……!時間は午後3時から午後5時40分までの約15分間(毎時0分、20分、40分スタート)。料金は1500円。当日、チェックイン時に予約できます。

  • 独服で加賀棒茶を楽しむ贅沢なひととき

自分のために点てたお茶を飲む「独服」を楽しめるのが、「思惟庵」の醍醐味。お茶は2種類あって、加賀棒茶の浅煎と深煎を飲み比べできます。

浅煎りのお茶には、落雁を。深煎りのお茶には、加賀野菜の一種「味平かぼちゃ」を使ったオリジナルのモナカを。さらに、金継ぎをして新たな魅力を吹き込まれた器が、お茶ごとの個性を引き立たせます。

自分のためだけに点てたお茶を飲んで、お菓子をぱくっと。忙しい日常を忘れて、何も考えずに、一人でくつろげる贅沢なひとときです。

伝統工芸が溶け込むモダンな客室

  • 3名まで利用可能な「露天風呂付き和室」

「界 加賀」の客室は、全部で48部屋。加賀水引や、九谷焼、山中漆器など、どの部屋も伝統工芸品をセンス良く散りばめています。

今回宿泊したのは、テラスと露天風呂がついた「露天風呂付き和室」。一人だと、好きなときに温泉に入って、テラスで涼んで、長いソファにごろんと寝転んで。くつろぎ放題です。

伝統美に浸れるアートなお風呂

  • 九谷焼のアートパネルが並ぶ「九谷の湯」

この宿の面白いところは、大浴場でも伝統美に浸れること。内風呂には、加賀の春夏秋冬をイメージした、4種類の九谷焼の陶板パネルがずらりと並びます。

ここに飾れている九谷焼は、もちろん1点もの。作家さんごとに風合いが異なり、同じ九谷焼でも雰囲気が全然違ってみえます。

お湯にちゃぷん……しながら、「あ、この作風が好き!」という感じで、陶板を見比べながら贅沢な湯浴みが楽しめますよ。

  • 昼と夜で趣が異なる露天風呂

そして、外には松を眺められる露天風呂が。金箔・銀箔を施した天井の丸いアートは、夜になると水面に反射して、お湯の中でお月見できます。加賀らしい粋な演出にうっとりですよね。

泉質は、弱アルカリ性のナトリウム・カルシウムー硫酸塩・塩化物温泉。とろんとした柔らかな湯が肌を包み込む、美肌の湯です。