長きにわたる私たちの行動抑制や、徐々に進んできているワクチン接種の甲斐あってか、ようやく落ち着きを見せてきた新型コロナウイルス禍。ただ、まだまだ今後の見通しは不透明だし、いつまた感染拡大が広がるかもしれない。

そんな状況もあって将来の収入や雇用に不安を感じ、日々貯蓄に取り組んでいるという人も多いことだろう。まずは当面の目標として、貯蓄額1,000万円を目指しているという人もいるのではないだろうか。

それでは、一足先に貯蓄1,000万円以上を達成した人には、いったいどんな節約術があるのだろうか。今回は、 貯蓄1,000万円以上のマイナビニュース男女会員224人を対象にアンケート調査を実施。「これだけはお金をかけないようにと気をつけているもの」などを聞いた。

  • 貯蓄1,000万円以上の人が、お金をかけないようにしていることって?

Q.これだけはお金をかけないようにと気をつけているものはありますか?

■「食費・外食費など」

・「無駄な間食」(41歳男性/通信関連/営業関連)
・「ペットボトル飲料は極力購入しない」(38歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「自炊の余計な食材は買わないように気を付けてます」(58歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「お金をかけないように……というよりは、削れるところは食費ぐらいしかありません」(40歳女性/コンピューター機器/事務・企画・経営関連)
・「ランチにお弁当を持参」(44歳男性/サービス/その他技術職)
・「飲料などは、できるだけスーパーなどでセール時にまとめ買い」(47歳男性/設計/建築・土木関連技術職)
・「外食などの食費」(41歳女性/サービス/事務・企画・経営関連)
・「外でコーヒーを買わない」(46歳男性/その他電気・電子関連/メカトロ関連技術職)
・「飲食代。特に家で作れるものは外食しないようにしています。家で食べれないものを外食するようにしています」(45歳男性/その他/専門職関連)
・「外食費ですね。コロナ禍であることも影響があります」(52歳男性/ソフトウェア・情報処理/営業関連)
・「外食で使うお金や、交通費を一駅分歩くか自転車で通うようにしている」(33歳男性/教育/専門職関連)
・「外食、交通費、交際費。最低限は払いますが、必要ない飲み会とかは断っています。コロナ前の話です。今はほどんどかからず助かっています」(38歳女性/ソフトウェア・情報処理/営業関連)

■「衝動買いや無駄遣いをしない」

・「いろいろ無駄なものを買わないように日々気をつけています」(54歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「これといった項目はありませんが、心の底から欲しくないものにはお金は使いません」(52歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「必要の無いものは基本買わない」(44歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「つまらないものを購入しないようにしています」(57歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/IT関連技術職)
・「衝動買いはしないと心に誓っています。その時欲しくなっても数日経てば、思っていたほどの興味は無くなっていることがほとんどのためです」(59歳男性/教育/事務・企画・経営関連)
・「衝動買いと、コンビニと、自動販売機」(40歳男性/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)
・「使用頻度が少ない物は絶対に買わない」(47歳男性/物流・倉庫/販売・サービス関連)
・「不要なものをできるだけ買わない」(45歳男性/不動産/事務・企画・経営関連)
・「見た目が立派で、中身がスカスカなもの」(35歳女性/建設・土木/事務・企画・経営関連)

■「ギャンブルなど」

・「ギャンブルだけは気を付けてます」(48歳男性/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)
・「パチンコなどの賭け事」(45歳男性/設計/事務・企画・経営関連)
・「日々の消耗品やギャンブル」(44歳男性/農業協同組合/技能工・運輸・設備関連)
・「ギャンブル。特にパチンコ、スロットには手を出さないようにしています」(49歳男性/ソフトウェア・情報処理/営業関連)
・「ギャンブルを誘われてもやらない。レース場は良いので誘われたら行きますが、数レースを最低単価のみで遊ぶ」(58歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「とにかく投資やギャンブル等を一切しないようにしてきました、銀行の窓口に行くたびに投資や外貨預金などを勧められますが、お断りしています。度胸がないので大きく貯まりませんが……」(49歳男性/ホテル・旅館/事務・企画・経営関連)

■「日用品」

・「100円ショップとかの小物」(49歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「日用品はセールの物をなるべく買う。チラシをよく見ておく」(55歳女性/専門店/販売・サービス関連)
・「機能に見合っていない高価格の家電、スマホ等」(55歳男性/その他/その他・専業主婦等)

■「趣味・レジャー費など」

・「レジャーでの無駄遣い」(33歳男性/その他電気・電子関連/事務・企画・経営関連)
・「旅行での宿泊で高級ホテルに泊まること」(52歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「趣味で使う金額に上限を作って、リミットをかけている」(45歳男性/フードビジネス/販売・サービス関連)
・「固定費全般の削減を心がけていることと、旅行と外食はほぼしないようにしていること」(35歳男性/教育/専門サービス関連)
・「車のパーツやインテリアなどに使うこと」(35歳男性/輸送用機器/販売・サービス関連)

■「衣料品」

・「衣料品、です。今は安くどこでも購入できるので、昔はかなりこだわってましたが今は全くです」(47歳女性/サービス/事務・企画・経営関連)
・「自分の身なりにはあまり気を使っていないので、衣服やアクセサリーなどにはなるべくお金を掛けたくありません」(54歳男性/その他/技能工・運輸・設備関連)

■「水光熱費、通信費」

・「電気代などはなるべく、かけないようにと気をつけています」(37歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「スマホ通信料。ギガ数に気を付ける」(59歳女性/その他/事務・企画・経営関連)
・「無駄な公共料金(水や電気の出し放し、点け放し、格安携帯の利用)」(58歳男性/その他/その他・専業主婦等)

■「嗜好品」

・「お酒、タバコなど無意味なもの」(48歳女性/食品/営業関連)
・「タバコや、無意味な飲み会など」(52歳男性/電力・ガス・エネルギー/営業関連)
・「嗜好品にお金をかけないようにしている」(47歳男性/広告・出版・印刷/技能工・運輸・設備関連)

■「各種手数料」

・「無駄な各種手数料」(53歳男性/総合電機/事務・企画・経営関連)
・「ATMの時間外手数料」(36歳女性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)

■「その他」

・「医療費を増やさないよう健康に気を付けています」(58歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「無駄な株を購入しない」(57歳男性/半導体・電子・電気機器/営業関連)
・「スマホでつい、買い物してしまう(アプリ、ネット通販等)」(51歳女性/その他/クリエイティブ関連)
・「自分にも、まわりの人の為にも全く感じられないことには、お金も時間も精神も費やしたくないですね」(55歳男性/その他/その他・専業主婦等)

■総評

貯蓄1,000万円以上のマイナビニュース会員に、これだけはお金をかけないようにと気をつけているものを聞いたところ、主な項目として「食費・外食費」「衝動買いや無駄遣いをしない」「ギャンブル」「日用品」「趣味・レジャー費」「衣料品」「水光熱費、通信費」「嗜好品」「各種手数料」などが挙がった。

このうち、「衝動買いや無駄遣いをしない」は具体的なアイテムというよりはお金に対する基本的な考え方や姿勢に関するもの。「こういったものに出費をしない」ではなく、「そもそも無駄なものにはお金を使わない」というのが貯蓄1,000万円以上を達成するために必須の要素なのかもしれない。

また、とにかく「ギャンブル」には手を出さないというのも貯蓄1,000万円以上達成のための鉄則だろう。ほとんどすべての賭け事は長期的に見ればマイナスになるのは自明であり、プロのギャンブラーでなければ距離を置くのが得策だ。君子危うきに近寄らず、の典型と言えるかもしれない。

そのほかの、「食費・外食費」「日用品」「趣味・レジャー費」「衣料品」「水光熱費、通信費」「嗜好品」「各種手数料」などに関しては、それぞれの人が考える節約の勘所の違いが表れていて興味深い。前回のアンケートで聞いた「何に最もお金をかけているか」では、「(外)食費」や「交際費」、「趣味・レジャー費」などにお金をかけているという回答も多く、何に重きを置くかは人それぞれ、といったところだろうか。

この中では、タバコやお酒などの「嗜好品」を"無意味なもの"と断じている回答が印象的だ。前回アンケートでもお酒はともかく、タバコにお金をかけているというコメントはほとんど見られなかった。貯蓄1,000万円以上の人と、それ未満の人の喫煙率などを比べてみても面白いかもしれない。

今回の調査では、貯蓄1,000万円以上のマイナビニュース会員の基本的な姿勢として、「衝動買いや無駄遣いをしない」ことを心がけているというコメントが目立った。その上で、それぞれの人が自身の暮らしと向き合う中で、出費を削れる項目を選択している。今回は、そんな実態がわかるアンケート結果となった。

調査時期: 2021年9月9日
調査対象: 貯蓄1,000万円以上のマイナビニュース男女会員
調査数: 224人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません