タレントの指原莉乃とお笑いコンビ・麒麟の川島明がレギュラー初タッグを組む新バラエティ番組『100%!アピ~ルちゃん』(MBS/TBS系全国ネット 毎週月曜22:00~22:57)が、きょう11日21時から2時間スペシャルでスタートする。同番組の演出とプロデューサーを務めるMBSの水野雅之氏にインタビューし、企画の狙いや制作の裏話を聞いた。

  • 『100%!アピ~ルちゃん』でタッグを組む指原莉乃(左)と麒麟・川島明

同番組は、埋もれている逸材やお宝ネタを発掘して代わりに全力でアピールするバラエティ。『プレバト!!』の総合演出を務め、『林先生が驚く初耳学!』(現・『日曜日の初耳学』)、『100%!アピ~ルちゃん』の枠で9月まで放送されていた『教えてもらう前と後』も立ち上げた水野氏が手がける。

水野氏は、番組の企画はいつも、自身の身近で面白いと感じた実体験や時事ネタから着想を得ているという。『100%!アピ~ルちゃん』も、特にコロナ禍以降、アピール上手な人とアピール下手な人の差が広がっていると感じていたところからひらめいた。

「オンライン会議で部屋にいい絵を飾ってアピールする人がいる。あの背景ってアピールの宝庫ですよね。それからSNSの持論発信ブーム。この3年ほどテレビ以外のクリエイティブ業界の人たちとも話す機会が増えたんですけど、アピールが上手なだけなのに実力以上にフォロワーが多かったり、お金を稼いでいる人とたくさん出会いました(笑)。業界全体のオピニオンリーダーみたいに発信している人が支持されたりする一方で、毎日、一生懸命仕事と向き合っている人は埋もれてしまっている。もっとアピールしていいのにアピールの仕方がわからない、または自分で言うのは野暮だと思っている人がいる。例えばテレビの制作現場でも、ディレクターやAD、AP、技術さん、美術さん……みんなの頑張りの積み上げで番組が作られるし、美談もたくさんあるのに、これって自分から発信しづらいですよね。日本中に眠ったままの“頑張ってるアピール”を誰かが代わりにすることによって、世の中はもっと楽しくなるはずだと思って企画しました」。

今年5月に特番として放送された前身番組『愛しのアピールちゃん』から、『100%!アピ~ルちゃん』へタイトルを変更。「100%!」は「全力」という意味だという。

水野氏は「アピール下手な人を100%全力で応援し、世の中を楽しくしようという思いが込められています。“アピール下手”って悪口に聞こえますけど、実は褒め言葉。アピールが下手ってことは、クオリティは高いっていうことの裏返しです。あと、アピールが下手な人は謙そんすることが多いけど、それって日本人らしい美徳だから慕われている人が多いですよね。最初に思いついたのは『全力!アピ~ルちゃん』だったんですけど、よく考えたら『脱力タイムズ』は『全力!脱力タイムズ』が正式タイトルだなぁって思ったので、やめました。『初出し』や『深掘り』をタイトルに入れ込むことも考えたんですけど、それだと情報性に引っ張られてしまう。ゴールデンタイムの浅い時間みたいな作りを目指さなきゃいけなくなるし、有益な情報がないとダメっていう店構えにしちゃうと、楽しさやくだらなさの比重が減ってしまって良くないなと。トレンドは最低限意識しつつも、情報感度の高い指原さんや川島さんに、どの番組よりもリラックスして楽しんでもらえる番組にしたかったので」と説明した。