初めて育てた生き物のことを覚えていますか? 大切に育てたカブトムシを忘れないようにある男の子が描いた絵が、ツイッターで話題になっています。

息子が初めてお世話したカブトムシが寿命を全うして死んでしまいました。

息子は、カブトムシ君を忘れないように、声を上げて泣きながら必死に絵を書きました。それがあまりにも素敵だったので、息子に頼んで作品にしました。

こんな絵かけないなぁ。(@TakashiTohyamaより引用)

ツイートしたのは、遠山貴史さん(@TakashiTohyama)。そして6才の息子さんが描いたカブトムシがこちらです。

白いキャンバスに描かれた2匹のオスのカブトムシ。大人ならもっと上手に描けるでしょう。しかし、こんな風に心をぐっとつかまれるような絵は、なかなか大人には描けないものです。

この絵を見た人からは、「良すぎ、、、」「胸を打たれました」「想いのこもった、素敵な絵ですね」「いや、ほんとに、こんな絵かけないですよね」といった感動の声が。

また、息子さんの絵をこんな風に素敵な作品にした遠山さんのアイデアにも、「この絵をこんな風に作品にするお父さんもセンスいい」「こうやって飾れば大切な思い出を残せますね! 」などの声が寄せられていました。

今回、息子さんの様子などについて、遠山さんにお話を伺いました。

――息子さんはどんな風にカブトムシをお世話していましたか?

遠山さん:カブトムシは私の知り合いから譲り受けたのですが、家に迎えてからは朝と夜に様子を見に行ったり、共に餌を交換するなどして、彼なりに大事に思っているようでした。今思うと、私の方がよっぽど世話していましたが(笑)

――息子さんはこの作品を見てなにかおっしゃっていましたか?

遠山さん:何かを話したということはありませんでしたが、「カブトムシ君に花をあげたい」と、最初はねこじゃらしを6本、その後に息子が母の日に母に作って渡した折り紙の造花を、母に許可をもらってカブトムシの絵の上に献花しておりました。

  • その様子がこちら

――これはどのようにして作品にされたのでしょうか?

遠山さん:息子に作品化の許可をもらった後に、原画をiPhoneのカメラで撮影し、Adobe illustratorでレイアウトを調整し、 “One last summer ” とタイトルをつけました。その後、もともとデザイナーの仕事で利用していた「印刷の通販グラフィック」(@graphic_store)でキャンバスに印刷してもらいました。

――今回、多くの反響が寄せられていますが、率直な感想を教えてください。

遠山さん:カブトムシが死んだ時、僕自身は感情が動きませんでした。普段看護師をしていることで死に慣れてしまっていたからなのか、大人になってしまったからなのか、わかりませんが……。

息子は初めて死と別れを体験したことで、深い悲しみを感じており、その感情を整理するために別れの絵を描くことで、カブトムシ君との別れを彼なりに受け止めようとしていたのだろうと思います。そんな息子の絵を受け止めてくださる方がいることを嬉しく感じます。また、そんな絵をかける息子に軽く嫉妬しつつ、それ以上に自慢に思います。


大切にしていたカブトムシを想う息子さんと、息子さんを想うお父さん。それぞれの想いが伝わる素敵なエピソードですね。