新型コロナウイルスに揺らぐ、フェリー業界。厳しい状態が続く中、最近注目を浴びているのが、リーズナブルな料金で快適な船旅を楽しめるカーフェリー「さんふらわあ」です。旅客船事業のガイドラインを遵守したうえで、独自の「さんふらわあ基準」も設定。さらに2020年9月からは、徹底した換気対策を行い、船内の空気清浄度を「医療機関レベル」を目指して向上させる取り組みが、大きな話題となりました!

今回は、新たな感染症対策にチャレンジする「さんふらわあ」に乗船し1泊。換気は行き届いてる?快適性はどうなの?などなど、気になる点をレポートします。船旅をしてみたい!と思っている方はぜひ参考にしてみてください。

1.車に乗ったまま、非日常が詰まった船内へ!

  • 指定の場所に車を停めてスタンバイ。時間になったら車ごと船内へ移動します

今回乗船したのは、大分と神戸を結ぶ「さんふらわあ ごーるど」。19時15分(金・土曜は19時30分)に大分港を出発し、約12時間かけて航海。翌朝6時35分(金・土曜は7時55分)に神戸・六甲アイランドへ到着するルートです。

12時間というと長旅に思えますが、「移動するだけ」の交通機関ではないのがフェリーの魅力。船内で食事を楽しみ、海の見える大浴場で入浴、手足を伸ばして就寝……移動中にゆっくり身体を休め、船上という非日常の空間で思い出をつくることができるのはフェリーならではです。

さらに「さんふらわあ」のようなカーフェリーだと、愛車で目的地へ!が叶います。今回は筆者も愛車で大分港まで行き、車ごと乗船しました。

  • 吹き抜けのエントランスホールは開放感抜群

車に積んだ荷物を下ろして、エレベーターでエントランスホールがある5Fへ。扉が開いた先には、古き良き時代の船旅の雰囲気が漂います。足元をみると、床には大きな羅針盤のイラストが!ゴージャスな演出に、これから“航海へ出る”ワクワクを感じて、旅心がくすぐられます。

  • 外の景色をゆったり眺められるプロムナード

プロムナードにはテーブルとイスが用意されており、大きな窓から瀬戸内海の景色をゆっくり楽しめます。

2.全集中で、感染症対策!

  • 感染リスクを下げるため、様々な方向からアプローチ

その他の感染症対策はどうなのでしょうか?

「さんふらわあ」はすべての客室のエアコンフィルターを、抗菌・抗ウイルス対応フィルターに取り替え。さらに、大部屋(ツーリスト)には、ダイキン社製のカビ・細菌などを5層構造でパワフルに分解する洗浄機を設置しています。

しかし、それだけではありません!共有スペースには業務用の大型空気清浄機を設置して、「さんふらわあ ごーるど」の場合はおよそ10分から16分の間隔で、外気と入れ替わるように循環しているとのこと。病院などの医療機関レベルの空気清浄度を目指しているそうです! 「さんふらわあ」なら、24時間いつでもきれいな空気で満たされているから安心です。

  • スタッフさんの絵心に感動

さらに感心したのが、人気作品「鬼滅の刃」のイラストをまじえて感染症対策を説明した、スタッフさん手描きによるPOP。エントランスホールに置かれたボードには、同作のキャラとともに「全集中!空気洗浄」の文字が。子どもたちにも分かるように「感染症対策への取り組みを伝えたい!」という熱意が伝わってきますよね。

3.あったら良いな!が全部そろうショップ

  • ご当地土産はもちろん、トラベルグッズも充実

「さんふらわあ」の感染症対策が見えてきたところで、船内をぐるっと散策してみました。

エントランス横にある「ショップ」には、九州と関西を結ぶフェリーならではの品々が! 大分&関西のお土産、福岡の人気メーカーの明太子、地酒やご当地ビールなどが並び、眺めているだけでもワクワク旅気分に浸れます。また、トラベルグッズや船酔い対策グッズもあるので、急なSOSにも安心。

4.船内の癒しスポット

  • 大海原を眺めながら広いリフレッシュできる展望大浴場

フェリー旅といえば、無料で楽しめる展望大浴場は外せません。

こちらは温泉ではありませんが、のびのびと体を伸ばして入れる、広めのジャグジーの浴槽が2つあります。移動中にジャグジー風呂に入れるなんて、飛行機のファーストクラスだって無理なこと!さらにツウな楽しみ方をしたいなら、乗船後すぐに展望大浴場へ行き、お風呂に入りながら出航を楽しむのもおすすめです。

ちなみに密を避けるため、展望大浴場は最大15名までの人数制限があり、混み合うことがないため、いつもよりゆったりお風呂に入れますよ。

  • 旅の疲れを癒やすのに最適なマッサージチェア※有料

お風呂でホカホカになったら、展望大浴場と同じ6Fに置かれたマッサージチェアも使うのもアリ。お風呂上がりのゆるんだ体を適度にもみほぐしてくれるので、疲れがとれて身体が楽になりますよ。

5.あれ、ここホテルだっけ!?最上級客室「デラックスルーム」

  • デラックスルームは窓がたくさんあり、明るくて開放的

客室は、「ツーリスト」(大部屋)から、よりどりみどりの「スタンダードルーム」、ペットと一緒に泊まれるお部屋「ウィズペットルーム」まで、様々なタイプがあります。今回泊まったのは、7Fにわずか8部屋しかない、贅沢な造りの「デラックスルーム」。「さんふらわあ ごーるど」の中では、最上級クラスの客室になります。

足を踏み入れると……そこは、まるでホテル!お部屋には、シングルベッドが2台、TV、ソファ、化粧台、椅子&テーブルセットなどがあり、2人でスーツケースを広げてもまだ余裕があります。

さらにこのお部屋は、抗菌・抗ウイルス対応のフィルターエアコンの他に、加湿空気清浄機も完備。安心して、ちょっとリッチな船旅ができますよね。

  • オリジナルデザインのスリッパは想像以上にフッカフカ。履き心地バツグンです

アメニティもホテル並みの充実度です。シャンプー・リンスなどが入ったアメニティセット、タオル類、歯ブラシ、カミソリ、ヘアブラシ、コットンなどを完備。クッキーやミネラルウォーター、ティーセットもある船上でティータイムを楽しむこともできます。

  • 専用のデッキスペースはとっても広い

デラックスルームには、なんと専用のウッドデッキも付いています!

柵の前にもデッキはありますが、ここはゲストが入れない非常用エリア。どんな格好で外に出ても大丈夫。誰かに見られて恥ずかしい思いをする……なんてことはありません。

デッキには座ってゆっくり落ち着ける椅子もあるので、夜はここに腰掛けての~んびりお酒を飲むのもオススメですよ。

  • バスタブも窓付き

そして、驚いたのがバスルーム。なんとお風呂にも窓があるんです!瀬戸内海を眺めながら、好きなだけお風呂に入れるなんて、非日常の極みですよね。