ヨットでの太平洋往復横断に成功したキャスターの辛坊治郎が、12日に放送されたフジテレビ系トーク番組『ワイドナショー』(毎週日曜10:00~11:15)にゲスト出演し、航海中の秘話を語った。

辛坊治郎

辛坊は今年4月9日に大阪を出発し、6月16日(日本時間)にアメリカ・サンディエゴに到着すると、7日間の休養と整備を経て再び日本へ。8月24日9時19分に大阪・淡輪ヨットハーバーに到着し、ヨットでの太平洋往復横断に成功した。

この日、「出港したその日から『失敗した……』と思ってね」と打ち明け、「今回が初めてなら初日で止めてます。ところが2回目じゃないですか。1回目で失敗して6日で帰って来ているのに、2回目に1日で帰るわけにいかんでしょ」と笑顔を見せた辛坊。

「よく分かりました。ヨットってすごいんですよ。ひっくり返っても沈まないんですよ。だから水と食料さえあったら誰でもできます」と言いながらも「(船外作業は)落ちたらおしまいです。命綱つけてますけど、つけてても落ちたらアウトですね。上がれないです。(命綱は)気休めみたいなものです」と常に死と隣合わせだったようで、「今回、つくづく思ったのは人間って必ずいつか死ぬわけです。絶対に死にますから。絶対に。この歳ですから、帰りの太平洋で死んだらそれだけのこと」と死生観に影響があったことにも触れる。

また、帰りもヨットで横断した理由については、「船を持っていくじゃないですか。その船、どうしようもないんですよ。誰かにやるわけにもいかんし、置いておくだけで迷惑ですから。あんなでっかい船。だから、持って帰るしかないんですよ。業者さんに頼むと400万円かかります」「帰りは風が安定していると分かっているわけですよ。400万円払うくらいだったら、自分で乗って帰った方がええやろと思って」と告白。

船上生活での娯楽は、「インターネットが繋がらないので、情報が入らない。基本は本を読むしかない」。一番つらかったのは意外にも「帰りに風が安定して、毎日いい天気」で、「何もしなくても船はどんどん日本に向かって行くとすることがないんです。持っていった本は全部読んでしまって。ネットも繋がらなくてやることがない。同じ本を3回読んで、それでもまだ着きませんでした」という驚きのエピソードも披露した。

「2時間以上は連続して寝られない。体重は行きだけで15キロ(減った)」と過酷な挑戦を振り返った辛坊。今後については「いろいろ計画中で」と明かし、「今のヨットは一人で動かすにはちょっとでかすぎるんです。小回りがきかない。もうちょっと小さいヨットを確保中で。小さいヨットで南太平洋とかを回っていこうかな」と次なる航海に向けて意欲を燃やしていた。