2021年9月5日よりテレビ朝日系全国ネットで放送スタートする新番組『仮面ライダーリバイス』は、『仮面ライダーゼロワン』(2019年)『仮面ライダーセイバー』(2020年)に続く「令和仮面ライダーシリーズ第3弾」であると同時に、第1作『仮面ライダー』(1971年)放送50周年記念作品と銘打たれている。

本作では「悪魔と契約する仮面ライダー」として、仮面ライダーリバイと仮面ライダーバイス、2人の仮面ライダーが、悪魔崇拝組織デッドマンズに戦いを挑む物語が繰り広げられる。

  • 望月卓(もちづき・たく)。1986年生まれ。2009年に東映入社。2009年『仮面ライダーW』でプロデューサー補を務めた後、2011年『海賊戦隊ゴーカイジャー』、2012年『特命戦隊ゴーバスターズ』などに参加。2013年『仮面ライダー鎧武』でプロデューサーとなり、2014年『仮面ライダードライブ』2016年『動物戦隊ジュウオウジャー』、2017年『宇宙戦隊キュウレンジャー』(初チーフ作品)、2019年『刑事ゼロ』、2020年『魔進戦隊キラメイジャー』などを担当。2021年11月12日公開の東映Vシネクスト『テン・ゴーカイジャー』のプロデューサーも務める。撮影:大門徹

テレビ放送のスタートに先がけて、映画『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』の同時上映作品として『仮面ライダーリバイス』の短編映画が公開された。この映画では、人間の身体の中に潜む悪魔を実体化させるデッドマンズの悪だくみや、実家の銭湯「しあわせ湯」で働く一輝と、彼の体内からやたらと自己主張するバイスの濃厚な個性、そしてリバイスドライバーにバイスタンプを押すことによって登場する、2人の仮面ライダー(リバイとバイス)の大活躍が披露され、観客に強烈なインパクトを与えた。

さまざまな新機軸を打ち出し、シリーズに刺激的な風を巻き起こそうとしている『仮面ライダーリバイス』への期待をさらに高める意味で、今回はチーフプロデューサーの望月卓氏にインタビューを敢行。五十嵐ファミリーを中心とする「家族」のドラマにスポットを当てた意図や、リバイスドライバー誕生秘話、魅力的な役者を集めたキャスティング裏話といった、仮面ライダーファンにとって興味津々の部分を直撃してみた。

――『仮面ライダーリバイス』で目をひくのは、やはり「悪魔と契約した仮面ライダー」という基本設定ですが、この発想はどういったところから出てきたものでしょうか。

最近は「スーパー戦隊シリーズ」に携わることが多かったですが、今回久々に「仮面ライダー」を担当するにあたり、自分が考える仮面ライダーの原点を意識した結果こういう形になりました。それは「仮面ライダーの出自が悪であり、そこから正義に転じたヒーローである」ところ、つまりシンプルな勧善懲悪ではなく、むしろ"善悪が表裏一体である"という点ですね。その中の「出自が悪」という部分を強調し、50周年の節目を迎えた今「仮面ライダーとはどういうヒーローなのか」を改めて提示してみたかったんです。

――また、五十嵐家のように仮面ライダーをとりまく「家族」を大きく扱うのも、シリーズの中では非常に珍しいと思います。

逆にそちらは、原点を意識した上で新しい仮面ライダー像を模索しようという意図です。孤独性を抱えた孤高のヒーローである仮面ライダーが、この令和の時代においてどう表現されるべきかを考えた時に、オンリーワンではない、「コミュニティの中の孤独」を描きたいなあと思いました。

家族という帰る場所がある中で、仮面ライダーがどう孤独を感じるのか、それと向き合っていくのか。今はまだ漠然とした言い方しかできませんが、「家族」と「孤独」をどう結び付けていくかに注目してほしいですね。またコロナ禍において、家族で一緒に過ごす時間が増えたり、一方で会えないことで寂しさと大切さを知ったりという経験がそれぞれある中で「家族愛」を描くことは、「仮面ライダー」では新たな挑戦ですし、今がそのタイミングなのかなと思っています。