――登場人物が仮面ライダーのことを知っている『リバイス』の世界には、「仮面ライダー」が実際に存在しているのでしょうか。それとも、テレビで「仮面ライダー」が放送されている世界観なのでしょうか。

そのあたりは劇中ではあまりはっきり明言することはないだろうなと思います。描きたいのはそこではないので……あくまで仮面ライダー生誕50周年を彩るためのエッセンスの1つだと思っていただければ幸いです。

メタ的に「テレビで放送されていた」もアリかなと思った瞬間もありましたが、仮面ライダーシリーズの場合は映画などでのクロスオーバー展開もありますし、そもそもリバイとバイスは「セイバー特別編」に出演させていただくことが決まっていましたので、子供達をワクワクさるより困惑させてしまう要素かなと思い、引き出しにしまいました。

例を挙げるならば『海賊戦隊ゴーカイジャー』(2011年)のような世界観でしょうか。どこかに「風都(仮面ライダーW)」があるだろうし、またどこかには「ファンタジック本屋かみやま(仮面ライダーセイバー)」が存在しているかもしれません。

――バイス/仮面ライダーバイスの声を演じている木村昴さんは、『スーパーヒーロー戦記』でも短編映画『仮面ライダーリバイス』でも、出番の間じゅうずっと何かしゃべり続けていて、ものすごく強烈な印象がありました。木村さんの起用のポイントを教えてください。

みなさんお分かりの通り(笑)『アラジン』のランプの魔人ジーニーみたいな煩わしいし空気読めないけど憎めないやつをイメージして木下さんに描いていただいた「バイス」が非常に魅力的で、そこに木村さんのエネルギッシュかつラフめな個性がイメージとして一致したということだと思います。バイスのスーツアクターを務める永徳さんとも旧知の仲のようでして、素晴らしいチームのお仕事によって、バイスはもう僕らの手の中に収まる存在ではなくなってしまっています。

――テレビ放送に先がけて上映された劇場版『仮面ライダーリバイス』は、テレビシリーズでいうと第何話くらいに位置する物語なのですか。

時系列的には「3.5話」と呼ぶべきエピソードになります。映画にご出演いただいた「カメ止め(カメラを止めるな!)」コンビの濱津隆之さん、しゅはまはるみさん演じる「しあわせ湯の立ち退きを迫る役人」がテレビシリーズにも登場しますので、そこで照らし合わせていただければと思います。お2人のセット出演は、百瀬APの“悪だくみ”ですが、こういう『仕掛けていくキャスティング』、個人的には大好きです。『仮面ライダーゼロワン』第1話の「腹筋崩壊太郎」役・なかやまきんに君さんのような「バズりキャスティング」をこれからも楽しみにしています。

――銭湯が舞台ということは、劇場版のように一輝やさくらの入浴シーンがテレビでも見られるのでしょうか。もしそうなれば「スーパーフーロータイム」CMとの相乗効果で、お風呂に入りたくなる子どもたちが多くなりそうですね。

「人間どんなことがあっても熱いお風呂につかれば、復活できるのよ。by母ちゃん。」が一輝の口癖なので(笑)。もちろん銭湯を舞台にしている以上は可能な限りそういうシーンを入れて行きたいとは思っています。何か兄弟の秘密の話をしていたり、悩んでいる描写だったり、ドラマ上で意味のあるシーンにしていければ理想ですね。

――5人組ダンス&ボーカルグループ 「Da-iCE」と木村昴さんがコラボし、主題歌を務めるというのも豪華ですね。

いただいたデモが非常にカッコよくて、既に合いの手的にラップが入る構成になっていました。「Da-iCE」のみなさんが「コラボなども新鮮ですよね」と興味を示してくださったこともありつつ、「そういえばラップ出来る人、すぐ近くにいるじゃないか!」と木村さんの名がここでも挙がり、今回の主題歌コラボが実現したんです。今までの仮面ライダーの主題歌群とはまた少し違ったテイストで、僕は非常にお気に入りです。 みなさんにも好きになっていただけるとうれしいです。

――いよいよ放送が始まる『仮面ライダーリバイス』の、こんな部分に期待してほしい、という見どころを教えてください。

木下さんの作風は「どんでん返し」が魅力だと言われていて『仮面ライダーリバイス』においても、観てくださる方を飽きさせないように大小仕掛けています。どんでん返なのか、はたまた返さないのかも含めて、重要なのは「目の前で起きていることを簡単に信じないように!」ということです。二度寝するよりも価値の高い、珠玉の30分をお届けするためにスタッフ・キャスト一同、頑張って作品を創っておりますのでぜひ親子で楽しんでもらえたらうれしいです!