「高度に進歩したAI(人工頭脳)」と人間との“理解”や“共存”をテーマにした『仮面ライダーゼロワン』(2019年)の“その後”を描いた東映Vシネクスト『ゼロワンOthers 仮面ライダーバルカン&バルキリー』(監督:筧昌也)のBlu-ray&DVDが、東映ビデオから11月10日に発売される。

本作は『仮面ライダー滅亡迅雷』に続く『ゼロワンOthers』シリーズの第2弾にして、『仮面ライダーゼロワン』の完結編となるエピソード。今回は、仮面ライダーゼロワン/飛電或人(演:高橋文哉)とは異なる立場で人類とヒューマギアのために命を懸けて戦う2人の仮面ライダー、仮面ライダーバルカン/不破諫(演:岡田龍太郎)と仮面ライダーバルキリー/刃唯阿(演:井桁弘恵)にスポットが当てられた。

  • 岡田龍太郎(おかだ・りゅうたろう) 1993年12月27日生まれ、兵庫県出身。「第29回ジュノンスーパーボーイコンテスト 準グランプリ」を受賞し、デビュー。ドラマCX『僕たちがやりました』(2017年7月期)などに出演後『仮面ライダーゼロワン』で仮面ライダーバルカン/不破諫を演じ、好評を博す。2021年6月公開の映画『リカ~自称28歳の純愛モンスター~』にも出演している。特技はスキー、テニス。撮影:大門徹

今回は仮面ライダーバルカン/不破諫を演じた岡田龍太郎にインタビューを行った。目の前に立ちはだかる困難を正面から突破し、人々を守るために戦う「仮面ライダー」という生き方を貫く不破の“集大成”とも言える本作。テレビシリーズ開始から約2年間の長きにわたって不破を演じてきた岡田の心に残ったのは、どんな感情なのか。不破と共に成長を続けた『仮面ライダーゼロワン』の日々をふりかえって、その思いを語ってもらった。

――前作の『仮面ライダー滅亡迅雷』と『バルカン&バルキリー』の2作は、テレビシリーズの『ゼロワン』に少なからずあったコミカルなムードがほとんどなく、非常にシリアスに振り切った作品となりました。岡田さん的にはテレビと「変わったな」と思えた部分はありますか。

一切なかったです。『ゼロワン』テレビシリーズとは時間軸がつながっていますし、諫は諫のままですので、それまでと同じように演じるだけでした。今回は諫と唯阿が中心となったストーリーでしたけれど、以前からこの2人は或人とは別に、独自の路線を突っ走っていて、それぞれ独自のストーリーとしてやっているところがありましたから。

――撮影現場はどんな雰囲気でしたか。

テレビシリーズのときとスタッフさんの顔ぶれも同じでしたから、久しぶりの我が家へ帰ってきたような気分で、楽しく撮影ができました。ただ、諫は1人で行動するシーンが多くて、現場では孤独なことが多かったですね。滅亡迅雷.netの4人とはほとんど会うこともなく、唯阿とも3、4シーンくらいしか一緒にいなかったんです。基本、諫と唯阿は別々に動いていたものですから。共演といえば、ソルド9(演:菅原健)と諫が「正義」について話し合う重要なシーンがありましたが、基本は1人のときが多かったことが印象に残っています。

――タイトルにも名前を連ねている相棒・バルキリー/刃唯阿の井桁さんとの共演についてはいかがでしたか。

唯阿と諫が対面するシーンはそれほど多くないですが、どれも作品の中で重要な意味を示していましたね。井桁さんとは、これで最後だから……みたいに、改まって何かを話したことはありませんでした。バルカンとバルキリーの同時変身についても、テレビでいつもやっていたように、僕が最初にきっかけを作って、こういうタイミングで行こうかとか、必要最小限のやりとりしかしなかった。それでも息はピッタリ合いますから、やっぱり1年間一緒にやってきた人は違いますよね。会話っぽい会話だと、僕がA.I.M.S.のバイクに乗ってソルドたちの元にかけつけるシーンで「バイク乗れてよかったね」って言われたくらいかな(笑)。唯阿が車で現場に向かう一方で、諫はこれまで「走ってくる」ことが多くて、今回は筧監督に「仮面ライダーなんだから、バイクに乗りたいです」とお願いして、バイクシーンを追加してもらったんです。