大喜利とは、寄席の余興として考案された、寄席の最後に行われる演芸形式のことです。近年では、出されたネタ(お題)に対して演者が回答するのが一般的となっています。大喜利のネタや回答に関するアイデアは、日常会話でも役に立つケースも多いのでぜひ覚えておきましょう。
本記事では、大喜利の意味や由来、ネタの考え方や回答のコツなどについて、くわしく解説します。
大喜利(おおぎり)の意味とは
「大喜利(おおぎり)」とは、寄席の余興として考えられた「寄席の最後に行われる演芸形式」のことです。もともとは出演した寄席の出演者が再び登場して、観客からのお題に沿った芸を披露したり、出演者同士で競い合ったりしていました。
「謎かけ」や「あいうえお作文」などが知られていますが、歌や踊り・三大噺など、演目は多岐にわたります。出されたネタ(お題)に対して趣向を凝らした回答をしながら進行していく近年の一般的なスタイルは、演目のひとつ「とんち」と呼ばれるものです。
大喜利の語源
「大喜利」の語源は、歌舞伎の「大切り」といわれています。江戸時代の歌舞伎は第一部「一番目狂言(時代物)」と第二部「二番目狂言(世話物)」から構成されているのが一般的でした。
第一部の最終演目は「大詰め」、第二部の最終演目を「大切り」と呼んでいたため、この「大切り」から、寄席の最後の演目のことも意味するようになったとされています。また、最終演目を指す「大切り」のあとで「客も喜び、演者も利を得る」というところから「喜利」の字が当てられたともいわれています。
大喜利のコツ
ここからは、日常会話やビジネスシーンでも役立つ大喜利のコツを紹介します。
お題をずらす
お題をずらすと面白いボケができやすくなります。たとえば、「こんなカフェは嫌だ」というお題の場合、「カフェ」を他の飲食店に変えます。
- 「カフェ→飲食店→他の飲食店→ラーメン屋」
ここで、ラーメン屋で起こりがちなことを考えます。
- 「メンマがのっている」「店内が汚い」「店主が無愛想」
このなかで、面白そうなものを「カフェ」と結びつけて回答します。
お題「こんなカフェは嫌だ」
回答「ウインナーコーヒーにメンマがのっている」
共感を呼ぶ答えをひとひねりする
共感を呼ぶ「あるある」を当てはめながら答える方法です。たとえば、お題が「こんなラーメン屋は嫌だ」の場合を考えてみましょう。
「店内があまり清掃されていない」
上記の回答だと「あるある」ですが、回答としてはありきたりになるので、
「店内が汚すぎて客が清掃している」
などと「ひとひねり」すると笑いが起きやすくなります。
このほかにも、回答の考え方としては次のようなものが挙げられるでしょう。
・例える
「〇〇みたい」と別のものに例えるだけですが、同じような形、構造、状況などに上手く例えられれば、笑いに結びつくでしょう。
・連想ワードで組み立てる
お題から連想されるワードを書き出す方法です。慣れていないうちは紙にできるだけ多くのワードを書き出しましょう。いくつかのワードを書き出したら、お題をみながら面白くなりそうな回答を作ります。
時間を進めたり戻したりする
お題の考え方にもコツがあります。簡単な方法としては「未来や過去を予想させる」というものがあるでしょう。
お題「銀行員が詐欺師に転職、なぜ?」
このお題のように、過去の原因を聞くケースなどは広く知られています。さまざまな回答に結びつくので、場も盛り上がるでしょう。
文章ではなく写真の場合は、設定の時間を巻き戻したり、写真の原因について説明したりするといったお題が考えられます。
大喜利の回答で笑いが起きないパターン
大喜利の回答で笑いが起きないパターンも覚えておくと、場を盛りあげるときに失敗するケースが少なくなります。
ひねりすぎ
大喜利のお題に対する回答をひねりすぎたり、お題との関連性が離れすぎたりすると、聞いた人はその理由がわからずに笑いへとつながりません。
本人は頭のなかで流れがわかっていても、流れがみえていない観客にとっては、単に難解な回答と受け取られてしまいます。「ひねる」のは大切ですが、聞いた人が納得感を得られるような回答にすることも大切です。
「どの程度のひねり具合がいいのか」は、実際に大喜利をやりながら聞いている人の反応をみて判断するといいでしょう。
そのまま感想をいう
「ひねりすぎ」の逆に「そのまま感想をいう」のもNGです。普段の会話なら問題ありませんが、大喜利では少し「ひねって」答えるようにしましょう。
共感を得られない
共感が得られない回答も笑いにつながりません。ただし、経験は人によって異なるので、大喜利に参加しているメンバーや、回答を聞いた人によっても反応は異なるでしょう。
「大喜利のコツ」をビジネスシーンで役立てよう!
「大喜利」とは、余興として考案された寄席の最後に行われる演芸形式のことです。近年では「お題」に対して「とんち」の効いた回答をするスタイルが広く知られています。
大喜利のネタや回答に関するアイデアは、日常会話やビジネスシーンにおける会話にも役立つので、発想を転換するコツなどを覚えておくといいでしょう。