普段何気なく目にしたり耳にしたりする「適正」という言葉の意味を理解していますか? また「適正」と似た言葉として「適性」も存在するため、違いがはっきりわからない人もいるでしょう。

本記事では、適正と適性の違いをご紹介します。さらに、適正の英語表現や、適正体重や適正な睡眠時間についてもあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。

  • 適正とは

    適正と適性の違いについて解説する記事です

適正とは

適正は「てきせい」と読む日本語です。ここでは、適正の意味や使い方について解説します。

■適正の意味

適正は「適当で正しいこと・適当で正しいさま」という意味を持つ熟語です。

「ぴったりと当てはまる」という意味の漢字である「適」と「間違いがなく正しい・偽りがない」という意味の漢字である「正」が組み合わせられているため、「正しく適している」という意味になります。

■適正の使い方・例文

適正はどのような場面で使えるのか、使い方として例文をご紹介します。

・自分の健康のため適正体重を知っておきましょう
・自分の適正な睡眠時間をチェックして、質のいい睡眠をとる
・上司から適正な運用を行うように指示された
・適正速度を守って安全に運転する
・業務の適正化をはかり作業効率を上げる
・不当に高すぎず安すぎない価格を適正価格といいます。

■適正の類語・言い換え

適正の類語・言い換えとして使えるのは、下記の言葉です。

適切(てきせつ)、よしなに、適宜(てきぎ)、至当(しとう)、妥当(だとう)、正当(せいとう)、中正(ちゅうせい)、相応(そうおう)、公正(こうせい)、公明(こうめい)、フェア、純正

  • 適正とは

    適正は「適当で正しい」という意味の言葉です

「適正」と「適性」の違い

日本語には「適正」と同じ読み方をする「適性(てきせい)」という言葉があります。ここでは、適正と適性との違いを確認しておきましょう。

■「適性」の意味

「適性」は「性質や性格が、その物事に対して適していること」という意味の言葉です。また、元々持っている性質や性格そのものを「適性」とさす場合もあります。

「ぴったりと当てはまる」という意味の「適」と「生まれながら持っている心のあり方・生まれつき」という意味の「性」が組み合わさった熟語です。

■「適性」の使い方・例文

「適性」はどのような場面で使えるのか、使い方として例文をご紹介します。

・その職業に自分が向いているか確認するため、適性診断を受ける

・あの人は自動車の運転に適性があるので、試験に一発で合格した

・我が社でしっかり成果を出してくれるのか、適性を判断する

・講師に適性を見出された〇〇は、世界で活躍する人物となった

・特定秘密保護法は、国の安全保障について特秘する情報の漏洩を防ぐために、適性評価などについて定めた法律です

■適正と適性の違い

適正と適性の違いを正しく理解するために、もう一度適正と適性の意味を確認しましょう。

【適正】
適当で正しいことやその様子。正しく適していること

【適性】
性質や性格が、その物事に対して適していること

上記を確認すると、物事や内容、手続きなど適切で正しい場合は適正となります。一方、適性は物事や内容に適している(性質や性格があっている)ときに使用します。

適正と適性は次のように使いわけることが可能です。

・適性検査を受けて適正な職業に就く

・彼女は運転中に適正な判断ができるため、運転手として適性が高い

  • 適正と適性の違いを確認

    適正と適性の違いを正しく理解しましょう

適正の英語表現

ここでは、適正の英語表現をご紹介します。外国語ではどのように表現されるのか例文とともにみてみましょう。

■適正の英語表現

適正を英語で使う場合は、「fair」や「suitable」などで表現できます。

英語: We should be hiring people with fair working conditions
意味: 適正な労働条件で人を雇用するべきだ

英語: Provide products at suitable prices
意味: 適正な価格で商品を提供する

  • 適正の英語表現

    適正の英語表現をチェックして使いこなしてください

適正は体重や睡眠時間にも使われる言葉

適正を使った身近な言葉に適正体重や適正な睡眠時間があります。この機会に自分の適正体重や適正な睡眠時間を知っておきましょう。

■男性・女性の適正体重

適正体重とはBMIの数値が22のときの体重のことです。BMIはBody Mass Index (ボディ・マス・インデックス) を略した言葉で、肥満の程度を表します。

BMIは身長と体重によって計算できます。

【BMIの計算式】
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

【BMIの数値】
・18.5未満 → やせ
・18.5以上25未満 → 標準
・25以上 → 肥満

上記の計算式で出したBMI数値によって、やせ・標準・肥満がわかります。自分の身長と体重で計算し、BMI数値が22になると「適正体重」です。

例えば、身長が165cm、体重が60kgの人は、「60÷1.65÷1.65=22.03」となり、今の体重が適正体重ということがわかります。

また、自分の身長から適正体重を計算することもできます。

【適正体重の計算式】
適正体重=身長(m)×身長(m)×22

例えば、身長が170cmの人の場合、「1.7×1.7×22=63.58」という計算になります。63.58kgが身長170cmの人の適正体重です。男性も女性も上記の計算式で適正体重が割り出せます。

■適正な睡眠時間

適正な睡眠時間をとることは、人間が健康的に活動するうえで欠かせません。しかし、適正な睡眠時間には個人差があり、何時間寝れば適正になるという基準はありません。

自分に合った適正な睡眠時間を知るためには、自分で実験して体感する必要があります。次のポイントで適正な睡眠時間をチェックしてください。

  • 2~3週間、一定の睡眠時間で眠る(例:7時間)
  • 昼間に眠気がこない
  • 日中に問題なく活動できる

上記のポイントがすべて問題なければ、7時間が適正な睡眠時間といえます。まだ眠気があるなら、睡眠時間を延ばしてください。入眠に時間がかかる・早い時間に目覚めてしまうならば睡眠時間を短く設定しましょう。

ポイントはなるべく2~3週間実験を続けることです。2~3日など短期間では適正な睡眠時間を判断できません。2~3週間続けることが難しいという人は最低でも1週間は様子をみてください。

  • 適正は体重や睡眠時間にも使われる

    適正体重を知ることは健康維持のためにも重要です

適正の意味と適性との違いを理解する

適正は「適当で正しいこと」や「適当で正しいさま」という意味の熟語です。物事や内容、手続きなどが適切で正しい場合に使われます。

一方、同じ読み方の熟語である適性は「性質や性格が、その物事に対して適していること」となり、物事や内容に性質や性格があっているときに使えます。 適正の英語表現も確認して、正しく使いこなしましょう。

参考資料
「松戸市ウェブサイト 適正体重と1日の食事量