戦争映画のおすすめ洋画22選

海外の戦争映画には、実際に起きた出来事を忠実に再現したものと、アクションの題材として描かれるものとに区別され、日本人とは異なった考え方や視点から描かれている作品も多く存在します。カメラワークやグラフィック技術を駆使した迫力ある表現の戦争映画も多数。

ここからは、特に見てほしい戦争映画のおすすめ洋画22作品を順にご紹介していきます。

洋画を代表する戦争映画の名作5選

洋画の名作戦争映画として、公開から長い時を経た今でも高い評価を受けている作品をご紹介します。どれも映画ファンなら見ておきたい、戦争映画を語るうえで外せない作品ばかりです。

1.『戦場のピアニスト』(2002年公開/フランス・ドイツ・ポーランド・イギリス)

ユダヤ系ポーランド人ピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの体験をもとに映画化。主人公は、ナチス・ドイツのポーランド侵攻によって激しい迫害を受け、過酷な運命に翻弄されるピアニスト。苦しい逃亡生活のなか、自身のピアノの力で救われる感動のストーリーとなっている。

出演/エイドリアン・ブロディ、トーマス・クレッチマン、エミリア・フォックス、ミハウ・ジェブロフスキー、エド・ストッパード
監督/ロマン・ポランスキー
公開年/2002年

・「題材と曲がマッチして、心に響く内容でよかったです」(37歳男性)
・「ピアノがとても印象的で、映画で流れていた演奏がとても好きになりました」(48歳男性)
・「テーマ曲がとても印象的でした。また、孤独感とむなしさがこみあげてきて、戦争のむなしさがひしひしと伝わってきました」(56歳男性)
・「この作品は戦争映画というよりも、人と人との関わり合いが重要視されるストーリー性のある内容だった」(62歳男性)
・「ユダヤ人のピアニストが、迫害されながらも支援者によってパンを与えられ、敵対国の侵攻によって町は戦火となるも生き延びたので感動した」(60歳男性)

2.『地獄の黙示録』(1979年公開/アメリカ)

ジョゼフ・コンラッドの小説「闇の奥」を原作に、ベトナム戦争を舞台として映画化。軍を無視してカンボジアの奥地に自身の王国を築いたカーツ大佐。ウィラード大尉一行は彼を暗殺するため現地に赴くが、道中で目にした戦場の狂気は次第に彼らの心をむしばんでいく……。

出演/マーロン・ブランド、ロバート・デュヴァル、マーティン・シーン、デニス・ホッパー、ハリソン・フォード
監督/フランシス・フォード・コッポラ
公開年/1979年

・「兵士の心情と、国家に対する愛国心とのはざまに感動した」(65歳男性)
・「子どもの頃よく報道されていたベトナム戦争が、すごくリアルに感じた」(65歳男性)
・「公開当時、戦闘シーンのすごさが話題になっていたが、映画の後半は徐々に哲学的な内容になってゆき、人間そのものや文明の不条理面を描き難解なストーリーになっている。そこがよかった」(62歳男性)

3.『プライベート・ライアン』(1998年公開/アメリカ)

第二次世界大戦時のノルマンディ上陸作戦を舞台に、敵地で行方不明になっているライアン二等兵(=プライベート・ライアン)を救出するという困難な任務に挑む男たちの姿を描く。冒頭の戦闘シーンは、それまでの戦争映画の水準をはるかに超えるリアリティで大きな話題となった。

出演/トム・ハンクス、エドワード・バーンズ、マット・デイモン、トム・サイズモア、ヴィン・ディーゼル
監督/スティーヴン・スピルバーグ
公開年/1998年

・「戦闘シーンが本物さながらで、ドキュメンタリーのようで衝撃だった」(45歳男性)
・「リアリティが他の作品に対して飛び抜けている。比べものにならない」(51歳男性)
・「冒頭の戦闘シーン(ノルマンディ上陸作戦)が衝撃的だった」(47歳男性)
・「戦闘シーンでショッキングな映像が多く、記憶に残っている。本当の戦争は知らないが、映画で見たなかでは一番リアルだと思った」(50歳男性)
・「戦争で撃ち合うというより、人を助けに行くというところがよい」(57歳女性)
・「戦争の残酷さを表現しながら、ライアンという兵士を戦場から連れ戻すという理不尽な任務を受けた兵士の物語は、日本ではありえないので心に残った」(56歳女性)
・「トム・ハンクス、マッド・デイモンの演技にひかれた」(40歳男性)
・「戦争のよしあしは別にして、一小隊のヨーロッパ戦線での行動が丁寧に描かれ、その中の人の悲喜こもごもも描かれていておもしろかったです。そして最後のドイツ軍戦車部隊との待ち伏せ攻撃の戦術がとても丁寧に、そしてリアルに描かれていて驚いたのを今でも覚えています」(58歳男性)

4.『ライフ・イズ・ビューティフル』(1997年公開/イタリア)

イタリアの著名な俳優・映画監督・コメディアンであるロベルト・ベニーニが監督・脚本・主演を務めたイタリア映画。第二次世界大戦下のイタリアを舞台に、ナチス・ドイツの迫害にあったユダヤ系イタリア人の親子の姿を、ユーモアと哀愁を交えて描いた感動作。

出演/ロベルト・ベニーニ、ニコレッタ・ブラスキ、ジョルジオ・カンタリーニ、マリサ・パレデス、ホルスト・ブッフホルツ
監督/ロベルト・ベニーニ
公開年/1997年

・「戦争映画で一番見て後悔したのが『カジュアリティーズ』で、一番見てホッコリできたのが『ライフ・イズ・ビューティフル』」(58歳男性)
・「ナチスによるユダヤ人迫害だけでなく、そのなかで主人公の父が家族、特に息子を怖がらせないようにしているのが感動した」(60歳男性)
・「二度見るのがつらくなる悲しい映画ですが、子を思う親の気持ちを見事に描いた反戦映画だからです」(63歳男性)

5.『トップガン』(1986年公開/アメリカ)

上位1%のエリートパイロットたちのための養成機関であるアメリカ海軍戦闘機兵器学校、通称「トップガン」を舞台に繰り広げられる青春群像を描いた航空アクション映画。日米で興行成績1位を記録したほか、トム・クルーズのトップスターの座を不動のものとした。2022年に公開された36年ぶりの続編『トップガン マーヴェリック』も大ヒットを記録している。

出演/トム・クルーズ、ケリー・マクギリス、ヴァル・キルマー、アンソニー・エドワーズ、トム・スケリット
監督/トニー・スコット
公開年/1986年

・「戦争映画という認識ではなく、恋愛ものとしておもしろかった」(61歳女性)
・「話題になって映画館へも行き、テレビでも何回も見た」(55歳女性)
・「アメリカの映画らしいストーリー、キャスト、音楽など今でも楽しめる」(59歳男性)
・「戦争というよりは国防に携わる青年の物語で、戦闘機のシーンがかっこよかった」(50歳男性)
・「本当の戦争は悲惨なものが多く、内容的につらくなる。『トップガン』は、単純に戦闘機がカッコいいので」(47歳男性)
・「戦闘機のドッグファイトのシーンがいい。おきまりの恋愛シーンはいらないかな?」(63歳男性)
・「若い頃のトム・クルーズの、やんちゃで格好いい姿が見られるので大好きです!」(41歳男性)
・「トム・クルーズの格好のよさ、戦闘機の飛行シーンの迫力、サントラ音楽、ストーリーが最高! 自宅で今でもDVDでよく視聴する」(60歳男性)
・「トム・クルーズの演技もよかったが、それ以上にヴァル・キルマーの演技力は素晴らしかった」(55歳男性)
・「感動した。一緒に見た夫も、感動して泣いていた」(36歳女性)

迫力あるリアルな描写が見どころの作品5選

続いては、特にカメラワークやグラフィック技術に注目してほしい戦争映画をご紹介します。まるで本物の戦争を目撃しているかのような、迫力ある戦闘シーンが見どころです。

1.『硫黄島からの手紙』(2006年公開/アメリカ)

第二次世界大戦の「硫黄島の戦い」をテーマに、栗林忠道陸軍中将率いる日本軍が米軍と繰り広げた死闘を、さまざまな人間模様を交えて描いている。クリント・イーストウッド監督によるハリウッド作品ながら、キャストの大半を日本人俳優が占め、内外で高い評価を得た。

出演/渡辺謙、二宮和也、伊原剛志、加瀬亮、中村獅童
監督/クリント・イーストウッド
公開年/2006年

・「アメリカ側が描いた硫黄島がよかった。感動しました」(55歳男性)
・「味方、敵の描き方が公平で、他の戦争映画とは違ったものだと感じた」(45歳男性)
・「イーストウッドが、とてもよく調べて作ってある。日本人には日本側を、この作品のようには描きにくい」(49歳男性)
・「第二次世界大戦を日米双方から見ている。敗戦がうすうすわかっていながら、最後まであきらめずに戦う日本兵の姿に感動した」(59歳女性)
・「非常にリアリティが高く、本物に近いのではと引き込まれる演出を見た人は、戦争の悲惨さを誰もが思うだろうと感じる、お勧めの戦争映画だと思う」(40歳男性)
・「渡辺謙が、陸軍の将校(栗林)役を演じていた。太平洋戦争末期の旧日本軍の戦闘について、歴史的な観点を含めよかったと思う」(56歳男性)
・「嵐のニノが出ているという理由で見たのですが、他のキャストを含めストーリーもすごくよくて、いい作品だと思いました」(42歳女性)

2.『プラトーン』(1986年公開/アメリカ)

ベトナム戦争を舞台に、カンボジア国境付近に駐屯する米軍の小隊(プラトーン)に配属された青年の目をとおして、常軌を逸した戦場の過酷さを描き出している。対立する2人の軍曹を軸に、善悪のはざまで揺れ動く人間の姿を鮮烈に描写した演出も強い印象を残した。

出演/チャーリー・シーン、ウィレム・デフォー、トム・ベレンジャー、フォレスト・ウィテカー、ジョニー・デップ
監督/オリバー・ストーン
公開年/1986年

・「戦争のシーンだけでなく、兵士の人間関係や心の葛藤などをよく描いている」(47歳男性)
・「戦争の悲惨さがよく出ていたのと、上官と一兵卒との軋轢などもよく描かれていた」(46歳女性)
・「ベトナム戦争の生々しさがよく伝わってきた。アメリカの表現者が、自国の罪をしっかりと暴いているところに感心した」(51歳男性)
・「内容がすごくよかったし、この映画でチャーリー・シーンのファンになり、『ウォール街』も観に行った。今は変人になって笑えるけど」(48歳女性)
・「戦争映画なので教訓めいたものはなかったものの、戦う兵士たちが理性をなくしていき、善と悪の判別もできなくなる、できなくなっても仕方がないという環境を如実に見せられた感じがします。オリバー監督が自身の経験をもとに製作した映画だけあって、理性をなくす兵士の姿が印象的でした。俳優として脂ののっている真っただ中のチャーリー・シーンもまた魅力的でした」(59歳男性)
・「観た後、何日も心に残った映画は、この『プラトーン』のみ」(57歳女性)

3.『スターリングラード』(2001年公開/アメリカ・ドイツ・イギリス・アイルランド)

第二次大戦時、陥落寸前のロシア・スターリングラードに送り込まれた新兵の男。彼は羊飼いの祖父に仕込まれた狙撃の技術で、次々とドイツ将兵を倒していく……。やがて英雄と呼ばれ伝説になった実在の狙撃手をジュード・ロウが熱演している。ジャン=ジャック・アノー監督のこだわりが各所にちりばめられた、迫力ある銃撃戦に注目。

出演/ジュード・ロウ、ジョセフ・ファインズ、エド・ハリス、レイチェル・ワイズ、ボブ・ホスキンス
監督/ジャン=ジャック・アノー
公開年/2001年

・「全体的に戦争のリアリティが高く、狙撃手との駆け引きのシーンは張り詰めた緊張感があり、見入ってしまった」(56歳男性)
・「当時の様子がよく伝わってきた」(40歳男性)
・「印象的なシーンが多かった」(53歳男性)
・「戦争の苛烈さがわかる映画」(68歳男性)

4.『父親たちの星条旗』(2006年公開/アメリカ)

クリント・イーストウッド監督が、第二次世界大戦の中でも特に悲劇的な戦いとして語られる「硫黄島の戦い」を描いた2部作のうちの1作。日本兵視点の『硫黄島からの手紙』に対して、本作はアメリカ兵士の立場から見た悲惨な戦いを描いている。イーストウッド監督の入念なリサーチによるリアリティあふれる描写と、臨場感あふれる戦闘シーンも話題となった。

出演/ライアン・フィリップ、ジェシー・ブラッドフォード、アダム・ビーチ、ジョン・ベンジャミン・ヒッキー、ポール・ウォーカー
監督/クリント・イーストウッド
公開年/2006年

・「リアルな演技がすごかった。テーマがしっかりしていて共感できた」(28歳男性)
・「戦争のむなしさを強く感じたから」(45歳男性)

5.『太陽』(2005年公開/ロシア・イタリア・フランス・スイス)

ロシア人監督のアレクサンドル・ソクーロフがメガホンを取り、タブー視されがちである日本の昭和天皇を題材とした1作。終戦から「人間宣言」へいたるまでの昭和天皇ヒロヒトの心情をリアリティあるタッチで描く。昭和天皇を演じたイッセー尾形ほか、桃井かおりら名俳優陣が脇を固めている。

出演/イッセー尾形、ロバート・ドーソン、佐野史郎、桃井かおり、六平直政
監督/アレクサンドル・ソクーロフ
公開年/2005年

・「とても見ごたえを感じることができて、名作だなと思いました」(40歳男性)
・「日本映画ではタブーとされているところを描いているから」(40歳男性)
・「いろんな目線や見方が出来るから」(40歳男性)

史実に基づき作られた作品7選

史実には、戦争の暗い側面に隠れた知られざる物語や逸話が多く存在します。そんな史実に基づき、過去の出来事を描いたノンフィクション戦争映画を集めました。大団円ばかりではない悲しいリアルさがここにあります。

1.『シンドラーのリスト』(1993年公開/アメリカ)

第二次世界大戦時、1,100人以上のポーランド系ユダヤ人をホロコーストから救ったドイツ人実業家オスカー・シンドラーを主人公にした、実話ベースの映画作品。ラストシーンを除き、ほぼ全編にわたりモノクロで撮影された。また一部で赤色を中心にパートカラーが使われ、効果をあげている。

出演/リーアム・ニーソン、ベン・キングズレー、レイフ・ファインズ、キャロライン・グッドール、ジョナサン・セガール
監督/スティーヴン・スピルバーグ
公開年/1993年

・「白黒の映像を使った静かな恐怖。個人ではあらがえない絶対的権力に立ち向かった姿勢に、感銘を受けた」(61歳女性)
・「ラストシーンで、モノクロからカラーへ変わるところが印象的」(40歳男性)
・「悲惨さの表現が丁寧で、重苦しいのがいい。モノクロだが、犠牲者になる女の子だけカラーなのも胸に来た」(37歳男性)
・「人を殺しあう戦争中に、人を助ける努力をした人たちの物語を見て、とても感動したことを覚えている」(60歳男性)
・「他の映画とは違い戦闘シーンはなく、ナチス政権のユダヤ人らへの迫害と、それを救うシンドラーとその仲間たちの物語である。史実を元に作られており、最後に実際に助かった人々とシンドラー本人が写っている。『生き残る』ことの重要さを今に伝える映画」(61歳男性)

2.『ブラックホーク・ダウン』(2001年公開/アメリカ)

実際にソマリアで起こった、米軍を中心とする多国籍軍とゲリラとの市街戦「モガディシュの戦闘」を描いた戦争映画。マーク・ボウデンのノンフィクション小説を原作としている。軍用ヘリコプター・ブラックホークの墜落シーンなど、リアリティを追求した迫力ある映像が魅力となっている。

出演/ジョシュ・ハートネット、ユアン・マクレガー、トム・サイズモア、エリック・バナ、ウィリアム・フィクトナー
監督/リドリー・スコット
公開年/2001年

・「戦闘シーンや心情描写にリアリティがあってよかった」(58歳男性)
・「現場の緊迫した空気が伝わってきて、実際の現場を撮影したドキュメンタリーのようにも感じた」(44歳男性)
・「実話を映画化した作品だから」(57歳男性)
・「派遣先での戦闘と人命について考えさせられた」(70歳男性)
・「戦争映画の中でも緊迫感のある内容だと思う」(53歳男性)

3.『アメリカン・スナイパー』(2014年公開/アメリカ)

アメリカ軍史上最強といわれた狙撃手クリス・カイルの半生を、クリント・イーストウッドによって映像化したノンフィクション映画。アメリカ同時多発テロ事件後の2003年、クリス・カイルはシールズのスナイパーとしてイラクに派遣され、160人の敵兵を殺めていく。母国では英雄として扱われ、敵国では悪魔と呼ばれる男の人生を描いた衝撃の実話。

出演/ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラー、ジェイク・マクドーマン、ルーク・グライムス、カイル・ガルナー
監督/クリント・イーストウッド
公開年/2014年

・「実話にもとづいたところを忠実に再現したところと、ラストの結末が悲しくてよい」(45歳男性)
・「実話をもとにした作品でPTSDがリアルに描かれているのが印象的」(28歳女性)

4.『キリング・フィールド』(1984年/イギリス)

1970年代のカンボジア内戦を舞台に、現地へ派遣されたニューヨーク・タイムズ記者の男が、プノンペンに住む助手とともに取材をすすめていく様子を描く。現地の悲惨な様子や過酷な逃亡の旅を克明に描写し、アカデミー賞やゴールデングローブ賞を獲得するなど、世界から高い評価を得ている。

出演/サム・ウォーターストン、ハイン・S・ニョール、ジョン・マルコヴィッチ、ジュリアン・サンズ、スポルディング・グレイ
監督/ローランド・ジョフィ
公開年/1984年

・「戦争の悲惨さを忠実に描写するジャーナリストの姿に感動した」(60歳男性)

5.『ホテル・ルワンダ』(2004年公開/イギリス・イタリア・南アフリカ)

アフリカ・ルワンダで続くフツ族とツチ族の争いと大量虐殺。高級ホテル支配人の男は混沌とした状況のなか、勇気ある行動の末にたった一人で約1200人の命を守り抜く。ドン・チードルが実在するホテルマン役を演じるほか、ホアキン・フェニックス、ジャン・レノなどの名俳優が多く出演している。

出演/ドン・チードル、ソフィー・オコネドー、ニック・ノルティ、ホアキン・フェニックス、ジャン・レノ
監督/テリー・ジョージ
公開年/2004年

・「この映画を観るまで、ルワンダでここまでひどいことが起きていたんだということを知らなかった。知る機会を与えてくれた映画」(52歳女性)
・「突然起こったクーデターから脱出するまでがすごく緊迫感があって見ごたえがあった」(66歳男性)

6.『ハクソー・リッジ』(2016年公開/オーストラリア・アメリカ)

俳優・監督として高い評価を受けているメル・ギブソンが監督を務めた、実在する第二次世界大戦時のアメリカ軍衛生兵デズモンド・ドスを描いた物語。宗教の教えに準じ人の命を奪うことを拒否した男は、武器を持たずして沖縄の激戦地、前田高地へ降り立つ。そして自身の信念のもと、敵・味方問わず救いの手を差し伸べる……。

出演/アンドリュー・ガーフィールド、サム・ワーシントン、ルーク・ブレイシー、テリーサ・パーマー、ヒューゴ・ウィーヴィング
監督/メル・ギブソン
公開年/2016年

・「沖縄戦のリアルで、主人公の衛生兵の生きざまにも感動した」(43歳男性)
・「ストーリーがよかったと思います」(35歳女性)

7.『ダンケルク』(2017年公開/イギリス・アメリカ・フランス)

1940年、フランスにある港町ダンケルクに追い詰められた、イギリスとフランス連合軍兵40万人。彼らを救うため、陸・海・空から行われる史上最大の救出劇“ダイナモ作戦”が決行された。第二次世界大戦中に実際に行われた作戦の模様を、『インターステラー』のクリストファー・ノーラン監督がリアルに再現した。

出演/フィン・ホワイトヘッド、トム・グリン=カーニー、ジャック・ロウデン、ハリー・スタイルズ、トム・ハーディ
監督/クリストファー・ノーラン
公開年/2017年

・「印象に残る傑作映画だったと、そう感じました」(64歳女性)
・「映像に迫力があるから」(52歳男性)
・「撤退戦がテーマというのは珍しい印象」(33歳男性)

戦争の残酷さが伝わる作品5選

最後にご紹介するのは、戦争の残酷な部分から目をそらさずに、リアルに描いた作品たちです。思わず目を背けてしまうような描写もあり、視聴には勇気がいるかもしれません。

1.『フルメタル・ジャケット』(1987年公開/アメリカ)

アメリカ軍の新兵たちが“人を殺める機械”として訓練され人間性を失うまでの過酷な環境、そして送り込まれたベトナムでの狂気に満ちた戦いの模様が描かれた戦争映画。グスタフ・ハスフォードの小説「ザ・ショート・タイマーズ」を原作とし、『シャイニング』『時計じかけのオレンジ』のスタンリー・キューブリックが監督として卓越した表現力を発揮している。

出演/マシュー・モディーン、ヴィンセント・ドノフリオ、R・リー・アーメイ、アーリス・ハワード、アダム・ボールドウィン
監督/スタンリー・キューブリック
公開年/1987年

・「キューブリックによる、戦争や訓練で徐々に狂気におかされていく様がよい」(55歳男性)
・「いつまでも忘れられない作品です」(32歳男性)

2.『ブラザーフッド』(2004年公開/韓国)

朝鮮戦争のさなか、強制的に戦場へと駆り出される弟と、弟を守るために自らも兵役志願する兄。兄弟愛をテーマにしながらも過酷な戦時の模様を容赦なく描いた、韓国発の戦争映画。日本でも絶大な人気を博した俳優チャン・ドンゴンとウォンビンが兄弟役を熱演している。

出演/チャン・ドンゴン、ウォンビン、イ・ウンジュ、チェ・ミンシク、コン・ヒョンジン
監督/カン・ジェギュ
公開年/2004年

・「戦争映画によくあるメッセージ性は薄く、単純明快なストーリーと迫力ある戦闘シーンを前面に出したエンターテインメントに徹しているところが好きです」(58歳男性)

3.『フューリー』(2014年公開/イギリス・アメリカ)

第二次大戦末期のヨーロッパ戦線。フューリーと名付けたM4中戦車シャーマンに乗り込みドイツへの攻撃を開始するアメリカ軍の戦車隊。戦況は思わしくなく、たった5人という少人数で、300人のドイツ軍を相手に戦うこととなる……。ブラッド・ピッドが主演と製作総指揮を務めた。

出演/ブラッド・ピット、シャイア・ラブーフ、ローガン・ラーマン、マイケル・ペーニャ、ジョン・バーンサル
監督/デヴィッド・エアー
公開年/2014年

・「緊張感がすごくあったと感じた。それから戦車がやはり、とてもかっこよかった」(31歳男性)
・「見ごたえがあり、おもしろいです」(41歳男性)
・「リアリティがあってよかった」(29歳男性)

4.『ヒトラーの忘れもの』(2015年公開/デンマーク・ドイツ)

第二次世界大戦終戦直後を舞台に、ナチスがデンマークの海岸に埋められた地雷の処理に駆り出された捕虜のドイツ兵士たちと、彼らを指揮するデンマーク人軍曹の葛藤を描く。まだ若いドイツの少年兵たちが、地雷撤去作業の中で次々と命を落とす姿を見るうち、デンマーク人軍曹は国や地位を超えた人間としての良心を思い出していく……。史実に基づいた物語を、デンマークとドイツの共同制作で映像化している。

出演/ローランド・ムーラー、ミケル・ボー・フォルスゴー、ルイス・ホフマン、ジョエル・バズマン、エミール・ベルトン
監督/マーチン・サントフリート
公開年/2015年

・「想像がふくらみます。歴史はおもしろい。また見ます」(25歳男性)
・「敵だったとはいえ戦争の地雷の後始末に、まだ十代の少年兵士が使われたのが衝撃的」(58歳女性)

5.『ディア・ハンター』(1978年公開/アメリカ)

ベトナム戦争を舞台に、平穏な日々を送っていた鹿狩りの仲間たちが、戦争に翻弄され過酷な人生を歩んでいく様を描く。ロバート・デ・ニーロなど名優が多数出演している本作だが、なかでも薬物中毒となり精神が崩壊した状態でロシアンルーレットに興じるクリストファー・ウォーケンの演技が強い印象を残す。

出演/ロバート・デ・ニーロ、クリストファー・ウォーケン、ジョン・カザール、ジョン・サヴェージ、メリル・ストリープ
監督/マイケル・チミノ
公開年/1978年

・「3時間ほどあるけど時間を感じさせず、デニーロの演技がすごかった」(56歳男性)
・「ロバート・デ・ニーロとクリストファー・ウォーケンの鬼気迫る迫真の演技を観て、子どもながらに戦争の恐ろしさを知り、ずっと忘れることができないほど心に残った」(62歳女性)
・「40数年前に東劇にて。ラストのストップモーションで叩きのめされた。当時、日曜最終回に妻と映画を観ることになっており、ふつうはエンディングタイトルなど観ないで席を立つのだが体が動かず、場内の照明がついてからやっと立ち上がった。いつもは観た映画の感想を話し合うのだけれど、2人とも会話なし。メリルの美しさ、カザールの演技、ウォーケンの魅力、映像そしてメインテーマ曲のなんと素晴らしいことか」(61歳男性)

戦争映画のおすすめ作品ランキング(洋画)

1位『トップガン』(1986年公開/15.5%)
2位『硫黄島からの手紙』(2006年公開/12.2%)
3位『プラトーン』(1986年公開/8.6%)
4位『プライベート・ライアン』(1998年公開/7.7%)
5位『戦場のピアニスト』(2002年公開/7.5%)
6位『地獄の黙示録』(1979年公開/6.0%)
7位『シンドラーのリスト』(1993年公開/5.8%)
8位『ライフ・イズ・ビューティフル』(1997年公開/2.9%)
9位『ブラックホーク・ダウン』(2001年公開/2.2%)
10位『ディア・ハンター』(1978年公開/1.8%)
11位『太陽』(2005年公開/1.3%)
12位『スターリングラード』(2001年公開/1.1%)
12位『アメリカン・スナイパー』(2014年公開/1.1%)
12位『フューリー』(2014年公開/1.1%)
12位『ダンケルク』(2017年公開/1.1%)
16位『ホテル・ルワンダ』(2004年公開/0.9%)
16位『ハクソー・リッジ』(2016年公開/0.9%)
18位『ヒトラーの忘れもの』(2015年公開/0.7%)
19位『父親たちの星条旗』(2006年公開/0.4%)
19位『ブラザーフッド』(2004年公開/0.4%)
21位『キリング・フィールド』(1984年公開/0.2%)
21位『フルメタル・ジャケット』(1987年公開/0.2%)

もっともよかった海外の戦争映画ランキングまとめ

マイナビニュース会員に、もっともよかった海外の戦争映画を尋ねたところ、15.5%の支持を集めた『トップガン』となりました。2位は『硫黄島からの手紙』(12.2%)、3位は『プラトーン』(8.6%)というラインアップとなっています。

1位『トップガン』は、主演のトム・クルーズをスターダムにのし上げた1作。エリート航空戦訓練学校を舞台に、飛行技術の向上を目指す若者たちのひたむきな情熱やライバルとの人間関係、恋愛などを描いた青春群像劇であり、戦争映画としての側面はそれほど強くはありません。アンケート結果からも、恋愛ものとしてとらえている人が多いことがわかります。また、戦闘機のドッグファイトシーンが印象に残っているという意見も目立ちました。2022年に公開された36年ぶりの続編『トップガン マーヴェリック』も大ヒットを記録しています。

2位『硫黄島からの手紙』は、第二次世界大戦での硫黄島の戦いを日米双方の視点から描く「硫黄島プロジェクト」の、日本側から見た作品。同じくクリント・イーストウッド監督による、アメリカ視点で描かれた『父親たちの星条旗』と対をなす存在です。渡辺謙、二宮和也ら日本人俳優を配し、偏りのない目線で丁寧に描かれた日本人像は、日米で高い評価を受けました。コメントでも、歴史的な観点を含めて称賛する声が寄せられています。

3位『プラトーン』は、自らも従軍経験のあるオリバー・ストーンによる戦争映画。ベトナムの過酷な戦場を舞台に、人間の心にすむ善と悪の両面をウィレム・デフォー、トム・ベレンジャーという2人の名優が象徴的に演じています。デフォー演じるエリアス3等軍曹が銃に撃たれ、両手を空に高く掲げるシーンは有名ですね。今回、寄せられたコメントにも、本作に深く感銘を受けたことを熱く語る声がありました。

ランキング入りした作品は他にも、さまざまなタイプの戦争映画が並んでいます。特に、世界最強の軍隊を有するアメリカは多くの戦争に関わっており、第二次世界大戦に限定される傾向がある日本映画より、はるかに多種多様な戦争映画が制作されています。

その内容も、迫力あふれる戦闘シーンをフィーチャーしたものから戦場の極限状況での人間ドラマ、あるいは友情や恋愛を描いた青春ものまでバリエーション豊かです。

今回紹介した戦争映画のなかにも、Netflix、AmazonプライムなどのVODサイトで見ることができるものがあります。今回のアンケートで興味を持った作品があれば、ぜひ鑑賞してみてはいかがでしょうか。

調査時期: 2022年9月29日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男女合計512人(男性: 389人、女性: 123人)
調査方法: インターネットログイン式アンケート

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