長引くコロナ禍にあって、暗いニュースが続く毎日。これから夏の行楽シーズンを控え、ボーナスも支給されるというタイミングでありながら、なかなか心が晴れないという人も多いのではないだろうか。

その肝心のボーナスも、2021年の夏季賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準がマイナスとなるなど、一般的にはかなり厳しい状況だ。

さて、そんな中、貯蓄額が1,000万円以上ある人のボーナス事情はどうなっているのだろうか。今回は、貯蓄額1,000万円以上のマイナビニュース男女会員257人を対象にアンケート調査を実施。「2021年夏のボーナスは、何に使う予定か」などを聞いた。

  • 貯蓄額1,000万円以上の人は、夏のボーナスを何に使う?

Q.あなたの会社にボーナス(賞与)制度はありますか?

「はい」(89.9%)
「いいえ」(10.1%)

Q.2021年夏のボーナスは出る予定ですか?

「はい」(97.0%)
「いいえ」(3.0%)

Q.2021年夏のボーナスは昨年冬のボーナスと比べて増える予定ですか? 減る予定ですか?

「増える予定」(16.1%)
「減る予定」(30.4%)
「変わらない予定」(41.1%)
「わからない」(12.5%)

Q.2021夏のボーナスの支給予定額を教えてください

「20万円未満」(6.7%)
「20万円以上〜40万円未満」(17.0%)
「40万円以上〜60万円未満」(19.6%)
「60万円以上〜80万円未満」(15.2%)
「80万円以上〜100万円未満」(11.6%)
「100万円以上〜120万円未満」(3.1%)
「120万円以上〜」(12.5%)
「わからない」(14.3%)

Q.2021年夏のボーナスは何に使う予定ですか?あてはまるものをすべてお選びください(複数選択可)

1位「預貯金」(56.7%)
2位「金融商品の購入(投資・資産運用など)」(25.4%)
3位「生活費の補填」(20.5%)
4位「趣味・娯楽費」(19.6%)
5位「外食費」(14.3%)
5位「教育費」(14.3%)
7位「衣料品・装飾品の購入」(13.8%)
8位「レジャー費」(12.5%)
8位「現在のところは未定」(12.5%)
10位「日用品費」(11.6%)
11位「車両・バイク関連費」(11.2%)
12位「ローンや借金の返済」(10.3%)
13位「税金の支払い」(9.8%)
14位「医療費」(7.6%)
15位「美容費」(6.7%)
16位「習い事・自己啓発費」(5.4%)
17位「その他(自由回答)」(0.9%)

Q.2021年夏のボーナスの具体的な使い道を教えてください(自由回答)

■「預貯金」

・「先が不安だし、なるべく使わない」(44歳男性/ホテル・旅館/販売・サービス関連)
・「全額、将来に備えて貯金する予定です」(41歳男性/銀行/営業関連)
・「特に決まった使い道がないので、そのまま預金に残る」(48歳男性/銀行/営業関連)
・「月々の支出は賄えているので、とりあえず預貯金」(48歳男性/サービス/事務・企画・経営関連)
・「家を購入したいので、貯金する予定」(34歳女性/建設・土木/事務・企画・経営関連)
・「今後、何があっても対応できるように蓄財します。半分は貯蓄、半分は投資の予定です」(47歳女性/半導体・電子・電気機器/事務・企画・経営関連)
・「普段であれば海外旅行の費用に充てるが、今年も行けないので貯金に回すと思う。もしくは、将来のマンションなどの購入に向けての原資にしたい」(44歳男性/通信関連/事務・企画・経営関連)

■「金融商品の購入(投資・資産運用など)」

・「投資で増やしたいです」(41歳男性/総合商社/営業関連)
・「アメリカ株に投資する」(49歳男性/医療・福祉・介護サービス/その他・専業主婦等)
・「株式投資をしているので、自分が注目している企業の株を買う予定です」(42歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/営業関連)
・「外貨建て金融商品を購入予定」(47歳男性/不動産/営業関連)
・「株や投資信託、仮想通貨への投資用資金として使う予定」(32歳男性/クレジット・信販/IT関連技術職)
・「金などの金融資産を購入する予定。市場の動向を見ながら変更する場合もあります」(35歳男性/不動産/専門職関連)

■「生活費の補填」

・「毎月の生活費の補填」(32歳女性/化粧品・医薬品/その他技術職)
・「主に生活費の補填になると思う」(47歳男性/広告・出版・印刷/技能工・運輸・設備関連)
・「生活費に充てたり、今後の生活費のため貯蓄する」(37歳女性/教育/専門サービス関連)
・「月々の生活費ではやりくりできない。金額の大きな生活必需品を購入したい」(38歳男性/サービス/専門職関連)
・「主に赤字の月の補填。両親や妻にお小遣い」(45歳男性/放送・新聞/技能工・運輸・設備関連)
・「新型コロナウイルスの影響で収入が減ったので、生活に役立つ物を購入する」(46歳男性/フードビジネス/事務・企画・経営関連)
・「例年ですと今年の倍程度は支給されるはずだったので、夫婦で2泊3日程度の国内温泉旅行に行くのがルーティンでしたが、コロナ禍以降、減給とボーナス減により生活費の補填に回して、余った僅かな分を貯金に回して終わりです。自分へのご褒美なんで無くなりました」(49歳男性/ホテル・旅館/事務・企画・経営関連)

■「趣味・娯楽費」

・「趣味の車につぎこむ予定」(35歳女性/銀行/事務・企画・経営関連)
・「キャンプ道具を買う」(36歳男性/輸送用機器/メカトロ関連技術職)
・「PC関連の設備を整えたい」(47歳男性/設計/建築・土木関連技術職)
・「お家時間の充実のため、最新家電を購入予定」(36歳男性/官公庁/公共サービス関連)
・「コロナなので旅行に行けないため、腕時計を購入する」(46歳女性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「ペットを飼い始めたので、ペット同伴で行けるカフェや旅館に行って愛犬と一緒に過ごしたい」(45歳女性/銀行/事務・企画・経営関連)

■「外食費」

・「美味しいものを食べる」(48歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「今後のために貯金するのと、美味しいスイーツを食べる」(32歳女性/人材派遣・人材紹介/事務・企画・経営関連)
・「コロナで業績悪化して減るので、節約して美味しいものを食べて飲むくらいです」(43歳男性/専門商社/営業関連)

■「教育費」

・「子どもの教育費(塾の夏期講習)」(43歳男性/精密機器/事務・企画・経営関連)
・「学費のための貯金」(43歳男性/流通・チェーンストア/事務・企画・経営関連)
・「子どもの教育費のために預金、後は投資へ回す」(37歳男性/ガラス・化学・石油/事務・企画・経営関連)
・「子どもの大学の学費に消えると思う。自分のご褒美に何か買うかも」(44歳男性/総合商社/営業関連)

■「衣料品・装飾品の購入」

・「子どもの洋服代」(47歳男性/通信関連/IT関連技術職)

■「レジャー費」

・「国内の近場に旅行する」(48歳男性/生命保険・損害保険/事務・企画・経営関連)
・「長距離ツーリングにいく」(45歳男性/通信関連/その他・専業主婦等)
・「レジャーに行きたい。新しいタイヤを買いたい」(33歳男性/公益・特殊・独立行政法人/公共サービス関連)

■「日用品費」

・「欲しい電化製品があるので購入したい」(47歳男性/サービス/営業関連)
・「ズックや電化製品などの買い換え」(37歳男性/教育/事務・企画・経営関連)
・「在宅ワークなどを考慮してパソコンやモバイルカメラなどを最新型に買い換える予定。通信システムを確実にして、あらゆる分野を家庭内で済ませられるシステムを確立させたいと考えています」(48歳男性/総合商社/事務・企画・経営関連)

■「車両・バイク関連費」

・「新車を購入する予定です」(38歳女性/教育/専門サービス関連)
・「バイクの購入」(36歳女性/サービス/事務・企画・経営関連)
・「貯金と冬用タイヤの購入にとっておく」(32歳女性/食品/販売・サービス関連)
・「車2台あるので、すべて車検に使用」(49歳男性/環境関連設備/その他・専業主婦等)

■総評

調査の結果、貯蓄額1,000万円以上のマイナビニュース会員のうち、会社にボーナス(賞与)制度がある人は、9割近い89.9%となった。2021年夏のボーナスが出る予定の人は97.0%と、大多数が支給予定と回答。2021年夏のボーナスが昨年冬のボーナスと比べて「増える予定」は16.1%。「減る予定」は30.4%、「変わらない予定」は41.1%、「わからない」は12.5%だった。

ここで、貯蓄額1,000万円以上という括りのない、マイナビニュース会員全体の調査結果と比較してみよう。会社にボーナス(賞与)制度がある人は80.6%で、そのうち2021年夏のボーナスが出る予定の人は78.3%となった。2021年夏のボーナスが昨年冬のボーナスと比べて「増える予定」と回答した人は13.2%。「減る予定」は33.8%。「変わらない予定」は37.5%、「わからない」人は15.4%。やはり貯蓄額1,000万円以上の人たちの方が全般的に、ボーナスを巡る環境には恵まれていそうだ。

続けて、2021夏のボーナスの支給予定額を聞いた。最も多かった金額帯は「40万円以上〜60万円未満」で、19.6%。以下、「20万円以上〜40万円未満」(17.0%)、「60万円以上〜80万円未満」(15.2%)、「120万円以上〜」(12.5%)、「80万円以上〜100万円未満」(11.6%)、「20万円未満」(6.7%)、「100万円以上〜120万円未満」(3.1%)の順番となっている。

ちなみに、マイナビニュース会員全体の2021夏のボーナスの支給予定額は、上位から「40万円以上〜60万円未満」(23.4%)、「20万円以上〜40万円未満」(21.7%)、「20万円未満」(16.4%)、「60万円以上〜80万円未満」(14.0%)、「80万円以上〜100万円未満」(8.2%)、「120万円以上〜」(4.7%)、「100万円以上〜120万円未満」(2.8%)となった。やはり、ここでも貯蓄額1,000万円以上の人たちの方が支給額が高い傾向にある。

次に複数選択可で、夏のボーナスを何に使う予定かを尋ねた。上位から順番に、1位「預貯金」(56.7%)、2位「金融商品の購入(投資・資産運用など)」(25.4%)、3位「生活費の補填」(20.5%)、4位「趣味・娯楽費」(19.6%)、5位「外食費」(14.3%)、5位「教育費」(14.3%)、7位「衣料品・装飾品の購入」(13.8%)、8位「レジャー費」「現在のところは未定」(各12.5%)、10位「日用品費」(11.6%)までがトップ10となった。

マイナビニュース会員全体では、1位「預貯金」(48.8%)は同じだったが、2位には「生活費の補填」(23.4%)が入り、貯蓄額1,000万円以上では12位だった「ローンや借金の返済」が3位(15.8%)となるなど、切迫感が強い。一方、貯蓄額1,000万円以上では2位だった「金融商品の購入(投資・資産運用など)」は、全体では7位(13.5%)だった。

次に、夏のボーナスの具体的な使い道を聞いた。「預貯金」や「生活費の補填」では当然、先々への備えや生活防衛的な意味合いの回答が多かったが、「金融商品の購入(投資・資産運用など)」では「投資で増やしたい」「金などの金融資産を購入」「アメリカ株に投資」など、攻めの姿勢を見せるものも見られた。ここはやはりコロナ禍にあっても、貯蓄額1,000万円以上の人ならではの積極性や余裕が感じられる部分と言えるだろう。

また、一つの回答の中で複数の使い道を示すものも多い。「とりあえず、貯金と株式投資信託に利用予定。状況によっては、一部は国内旅行などのレジャー費や自己啓発費用に利用しようとも考えている」(45歳男性/専門店/販売・サービス関連)、「電気製品を買いたいと思います。そのほかは外食したり、貯金する予定です」(46歳女性/フードビジネス/専門サービス関連)、「ローンの返済。娘の教材。誕生日プレゼントなど」(41歳男性/銀行/事務・企画・経営関連)など、待望のボーナスを振り分けて、有効に活用しようとしているコメントが多数寄せられている。

新型コロナウイルス禍にあって現在、様々な業種や職種がマイナスの影響を受けている。とくに業績に反映する傾向が強いボーナスに関しては、なかなか厳しい支給額になりそうな見通しだ。ただ、そんな中でも「金融商品の購入」や「趣味・娯楽費」、「外食費」や「レジャー費」など、ボーナスを効果的に使って現状をポジティブに乗り切っていこうという、そんな意志もうかがえるアンケートとなった。

調査時期: 2021年6月1日〜2021年6月2日
調査対象: 貯蓄額1,000万円以上のマイナビニュース男女会員
調査数: 257人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません