さまざまなメディアミックスを展開する次世代ガールズバンドプロジェクト「BanG Dream!(バンドリ!)」から生まれた第3のリアルバンド・RAISE A SUILEN(以下、RAS)が、2021年4月21日に7thシングル「EXIST」をリリース。今回のシングルには、TVアニメ『擾乱 THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD』のOP・EDテーマ曲に加えて、スマートフォン向けゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』(以下、『ガルパ』)で2021年2月に配信されたばかりの「OUTSIDER RODEO」が収録される。今回、RASのメンバーであるロック役・小原莉子とマスキング役・夏芽のインタビューが到着した。

  • RAISE A SUILEN(レイズ ア スイレン) ベース&ボーカルのRaychell(レイヤ役)、ギターの小原莉子(ロック役)、ドラムの夏芽(マスキング役)、キーボードの倉知玲鳳(パレオ役)、DJの紡木吏佐(チュチュ役)の5人からなる「バンドリ!」発のバンド。『ガルパ』ライブにてバックバンドを務めてきた「THE THIRD(仮)」としての活動を経て、2018年7月開催の「THE THIRD(仮) 2ndライブ」にて「RAS」の結成を発表。2020年には初のフルアルバム『ERA』をリリースし、デイリーセールスランキング1位を獲得した

●ドロドロした和ロックでRASの新たな境地を切り開く

――2021年2月にRoselia×RAISE A SUILEN合同ライブ「Rausch und/and Craziness Ⅱ」(以下、「ラウクレⅡ」)が開催されました。久しぶりの有観客ライブだったかと思いますが、いかがでしたか?

小原 Roseliaさんと久しぶりにステージで一緒に演奏できたので、とにかく楽しかったです。お客さんの前で久しぶりに演奏できたことも嬉しかったですね。

――無観客の配信ライブとは雰囲気が違いましたか?

小原 ぜんぜん違いました。「Rausch und/and Craziness -interlude-」で、初めてお客さんではなくカメラに対してライブパフォーマンスしたのですが、カメラ越しのお客さんにライブを届けるには、思っていた以上に想像力が必要だったんです。ライブ感を出すためにはお客さんの存在が大切だということを痛感しました。

夏芽 ドラムの椅子に座って、お客さんがいる客席を見た瞬間に涙がこぼれそうになっちゃって。初っ端から泣き顔はダメだと思い何とか堪えたのですが、それくらい嬉しかったんです。Roseliaさんと「熱色スターマイン」と「EXPOSE ‘Burn out!!!’」をセッションできたのも、思い出深い出来事となりました。Roseliaさんでドラムを担当されている櫻川めぐさんとは、ちょっと距離が離れていたものの、お互いを意識しながら演奏できたんです。目が合った時には笑いかけてくれました。「EXPOSE ‘Burn out!!!’」では、私がいつもやっている手を上げて前に突き出すパフォーマンスを一緒にやってくれたんですよ! 言葉を交わさなくてもお互いを感じられている気がして、気持ちが高ぶりました。

――3度目の合同ライブを経てさらに進化したRAS。4月には7thシングルがリリースされます。

小原 表題曲の「EXIST」はRASが今までに演奏してこなかったジャンルの曲です。RASってEDMやピコピコサウンドが合うバンドだと思っていたのですが、和テイストの曲もいけるんだと、この曲で気が付きました(笑)。あとは歌詞が好きですね。RASは力強いテーマの曲を歌うことが多いのですが、今回は怨念混じりの歌詞になっておりまして。

――「怨念」は、タイアップ作品であるTVアニメ『擾乱 THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD』(以下、『擾乱』)のテーマとも通ずるところがあると思います。

小原 そうなんです! そんな作品に沿った歌詞からは、これまでのRASとはまた違った強さを感じられました。和楽器のような音を取り入れている点も『擾乱』とマッチしています。Raychellさんの声が曲とすごく合っているのも、個人的には推しポイントですね。

――ギターの演奏面での注目ポイントは?

小原 聞いているだけだとシンプルに感じると思いますが、実は結構弾きこんでいるんですよ。パワーコードとオクターブ奏法を混ぜたり、小節の折り返しで、短音で16分(音符)を刻んだりと、単純じゃないフレーズが多い。

――音の密度が高い気がしました。

小原 音が低いこともあって、音圧がありますよね。重厚感のあるサウンドが身に沁みます。

夏芽 最初に曲をいただいたとき、『擾乱』のOPテーマ曲だと知らなかったんですよ。前情報がない状態で夜中に曲を聞いてみたら、ちょっと怖くなっちゃって、一旦聞くのを止めてしまいました(笑)。それくらいドロドロした和ロックに仕上がっています。アニメの世界観ともマッチしているので、作品と併せて楽しんで欲しいですね。

――ドラムの演奏面での注目ポイントは?

夏芽 莉子ちゃんも言っていましたが、パッと聞いただけだとシンプルに感じるんです。ただ、実は一筋縄ではいかないんですよ。手と足のコンビネーションが細かく入っているので、ぜひ聞いてみてください。

●THEバラードがRASのライブに新たな風を呼ぶ

――カップリングの「Embrace of light」は『擾乱』のEDテーマ曲として採用されています。こちらはどのような楽曲に仕上がっていますか?

夏芽 こちらも和テイストの曲ではありますが、「EXIST」とは違い、光に包まれたような優しい楽曲ですね。RASって、いわゆるロックバラードはあったのですが、今回のようなTHEバラードの曲ってなかったんですよ。なので、ライブで新しい空気を生み出す一曲にもなりそうです。

小原 最初に曲を聞いたとき、教会で演奏したいなと思いました。それくらい神秘的な雰囲気に包まれた曲ですね。なつぴーが言っていたように、こういうTHEバラードみたいな曲がこれまでのRASにはなかったんですよ。ライブではいつも初っ端から全力で突っ切っていたので。

夏芽 そうだよね(笑)。

小原 この曲が加わったことで、いいアクセントになる気がします。RASのライブに新しい風を吹かせる一曲になるんじゃないかな。

夏芽 個人的には、セットリストの中間部分に入れてみたい。

――ライブのどこにこの曲を入れるのかによって、雰囲気が変わりそうです。

小原 確実にライブの色が変わる曲だと思うので、セットリストのどこに入れるかを考えるだけでもワクワクします。

――2曲とも和テイストの曲ですが、本シングルのBlu-ray付生産限定盤・通常盤に付属するブックレットの裏面は、「擾乱」アニメーション制作のBAKKEN RECORD(タツノコプロ)さんによるRASの描き下ろしイラストとなっています。

小原 みんな顔が凛々しいんですよね。RASのメンバーが和服を着ている姿をあまり見たことがなかったので、かわいいなと思いました。しかも、今回の描き下ろし絵は、RASのキャラクター発表が行われたときに公開された立ち絵のオマージュになっているんですよ! それなのに、衣装と表情が違うだけで雰囲気が違う。見比べてもらえれば、より面白いんじゃないかな。

――ライブで皆さんが和服を着るという可能性も?

小原 そうなると、2ステはできないかなぁ(笑)。RASは激しい曲が多いので、和服が乱れて大変なことになりそう。あるとすれば、和服っぽいライブ仕様の衣装で演奏するとか?

――ガールズバンドでいえば、ZONEさんが浴衣のような衣装を着て演奏していた記憶があります。

小原 私はWhiteberryさんが思い浮かびました! 浴衣風の衣装で袖をまくって歌っていたのがすごく印象に残っています。ああいうのをパレオが着たら絶対にかわいい。

夏芽 あー、確かに! 私はイラストを見たとき、顔がみんな大人っぽくて超美人だなと思いました(笑)。あとは背景の「御簾」! 「RAISE A SUILEN」というバンド名が「御簾を上げる」という意味なので、御簾の前でメンバーがポーズをとっている姿を見ると、なんだか嬉しくなりました。