藤井二冠は現在公式戦18連勝中。また竜王戦ランキング戦ではデビュー以来負けなしの23連勝中

第34期竜王戦2組ランキング戦(主催:読売新聞社)の決勝戦、▲藤井聡太二冠-△八代弥七段戦が4月16日に東京・将棋会館で行われています。どちらが勝利しても2組初優勝となる一戦です。


第34期竜王戦2組ランキング戦のトーナメント表

藤井二冠はここまで阿久津主税八段、広瀬章人八段、松尾歩八段を破っての決勝進出。歴史的絶妙手「▲4一銀」が飛び出した松尾八段戦は、第48回将棋大賞の名局賞特別賞を受賞しました。

決勝戦進出により、藤井二冠はすでに5期連続決勝トーナメント進出は決めています。本局も制すれば、5期連続のランキング戦優勝となります。ランキング戦では今まで一度も負けておらず、23連勝中。この途方もない記録が継続するのかも注目です。

八代七段は森内俊之九段、屋敷伸之九段、渡辺明名人を破っています。2組決勝まで勝ち進んだことで、初の決勝トーナメント進出を決めています。また、ランキング戦で決勝戦まで勝ち進んだのは、第28期の5組と第32期の3組以来3度目。過去2回はいずれも敗れており、本局で勝利すれば初のランキング戦優勝となります。

両者は2018年に1度対戦しており、その時の戦型は角換わりでした。振り駒の結果、本局は藤井二冠が先手番に。戦型は矢倉となりました。

後手の八代七段は急戦矢倉ではなく、矢倉囲いに玉を入城させるじっくりとした作戦を採りました。先手の藤井二冠は土居矢倉を目指す駒組みです。

先日行われた第79期名人戦七番勝負第1局でも、斎藤八段が採用したように、土居矢倉は近年の先手矢倉の主流になりつつあります。

名人戦では、先手は▲4六歩・▲4七銀型の攻撃陣でした。本譜、藤井二冠はまだ▲4六歩を突いておらず、▲4六角と角をぶつける構想や、▲1八香~▲1九飛と端攻めを狙う構想なども考えられます。もちろん名人戦と同じような展開になることもあるでしょう。

持ち時間が5時間の本局は、本日夜の終局見込みです。藤井二冠が今期も無敗のままランキング戦を突破するのか、それとも八代七段が藤井二冠にランキング戦で初めて土をつける棋士となるのか。注目です。

大一番の対局準備を進める藤井二冠(左)と八代七段(提供:日本将棋連盟)
大一番の対局準備を進める藤井二冠(左)と八代七段(提供:日本将棋連盟)