<『笑う心臓』を担当する橋本氏は『有吉の壁』、『ヤバいハートマーク』を担当する宮森氏は『ウチのガヤがすみません!』で演出を務めている。今回はそれぞれの番組ゆかりの芸人やスタッフたちで制作されており、チームワークの土壌ができた状態で新たな番組に臨むことができたようだ。>

宮森:普段の関係性そのままにという感じではあるんですけど、『ウチのガヤ』はセンターにMCのヒロミさんとフットボールアワーの後藤さんがいて、そこにガヤ芸人が入っていく構図なので、自分たちがグイグイ引っ張っていく感覚ではないんですね。そういう意味では、今回はものすごくノビノビやってる感じがあって、フレッシュな雰囲気がありました。

本田:『笑う心臓』もやっぱりチームワークはありますね。稽古も文化祭をやってるような感じで、すごく和気あいあいの雰囲気でした。でも、リハーサルでは見せないボケを隠し持って本番では他の芸人さんを笑わせようとしている姿かを見ると、「あぁ、これがコント番組か。憧れだったものにちょっと近づけたのかな」という気持ちになりましたね。

  • 『笑う心臓』稽古の様子 (C)NTV

■ニッポンの社長が恐縮、マヂラブ村上がしみじみ

――収録とは別日に稽古日を設け、スタジオセットを建てるなんて番組は最近ではなかなかないですから、演者さんも制作陣も士気は上がりますよね。

橋本:もう本当に編成部さん、ありがたいです(笑)。やっぱりスタジオのテレビコントって、芸人さんたちにとっても憧れだろうし、僕らにとっても神聖なもので、簡単にやれるものではないという認識があるんですよね。しかも、このご時世でテレビも制作費が昔ほどあるわけじゃない。そういう中で、美術さんが精いっぱい頑張っていいセットを建ててもらったり、ちょっとずつみんなが無理してるんだけど、その価値があることなんだなというのを改めて感じます。とても贅沢なものを作ってるという感じがありますね。

宮森:全く同感です。ちゃんとスタジオセットを建ててテレビ番組でコントをやるのが初めての芸人さんも結構いたので、ド深夜の限られた予算の中で、プロデューサーと美術さんが本当に工夫して作ってくれた素晴らしいセットができているのを見ただけで、すでにテンションが上ってました。それと、舞台とは違う、映像を使った遊びもテレビコントならではだと思うので、そこも含めて楽しめましたね。

本田:僕もうれしかったですけど、ニッポンの社長は本当に目を輝かせてスタジオに来て、稽古のときにやたら視線を感じるんですよ。何か言いたいことがあるのかなと思ったら、ケツさんが近づいてきて「本当に僕らでいいんですか?」って(笑)。若手芸人の方にとって、シソンヌさんやマヂラブさんと一緒にコントをやるのってうれしいんだろうなと思いましたね。

橋本:コントの合間にマヂカルラブリーの村上くんが「『こんなんやりたいなあ』って言ってさ、お笑い始めて、今それやってんだなあって思うよね」ってつぶやいてるのが撮れて、Twitterでその動画を上げてるんですけど(笑)、それくらい高揚感があるんですよね。

  • 『黄色いサンパチ』岡部大(左)と、ひょっこりはんこと宮下聡 (C)NTV

――『黄色いサンパチ』も、収録日の前から漫才のネタ作りを進めていたのですか?

本田:はい。今回は「あなたが漫才したい人は誰ですか?」という質問をもとにキャスティングも決めていったので、“相方”のことを思って事前にネタを考えてきてもらいました。だからすごく番組に対して時間を割いてくれています。